彩瀬まるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読んだことをすっかり忘れていたが、そうかこの本は「桜の下で待っている」と対を成すのか!箱館や青森、盛岡など、北海道と東北周辺の東北・北海道新幹線沿線を舞台にした短編5編を収録。
どれもとても読み心地の良い作品ばかりで、ブライトサイドの綾瀬まるっぽいのは、前作同様。登場人物や作品背景のつながりは気付かなかったが、独立して読める1冊。
どの短編も甲乙つけがたいのだが、好きなのは絶妙な男女の距離感を保ち続けた男女を描く「ひとひらの羽」と、家族や親族、職場の人間関係に悩む女性主人公の1日を描いた「花をつらねて」の2作。
実は一番読んでて不愉快(作品が面白くないのではない)だった、最後に収録の「風になる」がタイミング的には絶妙。父親の地盤を継いで国会議員になった女性主人公の話。ネタバレになるがワークライフバランスを崩しまくって業務(というか票固めと党内での存在感確保)に邁進する与党議員の苦労が描かれる。
高市が「ワークライフバランスを捨てる」と発言し、総理大臣になるやいなや、働き方改革を見直せと発言したこのタイミングで読むことになるとは…。
高市早苗の中にも「私ら、こんな働いてるんやからお前らも滅私奉公したらどないやねん」という気持ちがあったのかも知れないなぁ。イヤやけど、出来ればドラムでも叩いて余暇を満喫してくれたらエエねんけど。 -
ネタバレ 購入済み
うーん、すごくよかった!それに、物語の最後綺麗に丸くおさまってよかったな。
母からの呪縛とも束縛ともとれる干渉に長年苦しんで、1人暮らしを始める際に葛藤に苦しんだり、
「ちゃんとあれ」と言われて育ってきたから「ちゃんと」っていうのを他人にも求めてしまったり、
主人公の心情の変化がとても人間らしくて、そこが面白かった。
それにしても、主人公が大人になってから尚母親との関係に悩み、昔言われたことをふとした時に思い出して傷つき、
自分はつらいと思っていても誰にも言えなかったり、そういう描写は読んでて胸がチクチクした。 -
Posted by ブクログ
青子と茅乃の関係性と、お互いにかける言葉がとても温かくて優しくて良かった。
ガン治療でまつ毛が抜けたことを話した時、「言われなきゃ気づかないよ。」という言葉を飲み込んで、「スーパー美しいつけまつげ、探す?」という言葉を選んだのが印象的だったし、乳癌のことを初めて打ち明けられた時に、「これから治療を生活に組み込んでいくことになるんでしょう?一番楽なペースを考えよう。私も一緒に探す。」と、相手の問題を一緒に抱えてくれる言葉は、とても頼もしく感じただろうなぁと思った。悩みや辛さを打ち明けてくれた友人にかける言葉ってとても難しくて、私だったらどの言葉もしっくりこなくて、変なこと言うよりはと黙ってしまいそうだなと思ったから、自分が今後同じ場面があった時にこういう前を向ける言葉を送りたいと思った。
無くしたと考えるのではなく、あったことを幸せだと考える。同じ出来事でも、考え方を変えられるんだとハッとした。
お互いが全く違う人生を生き、違う苦しみに直面する。自分の気持ちなんてわからないでしょう、と友人を突き離したり線を引くのではなく、素直に落ち込んでいることを溢してみようかな、と思った。きっと私の友達は、一緒に考えようとしてくれる人ばかりだと思う。
彩瀬まるさんの本を初めて読んだけど、とても好きな本だった。
「あるものとないものは似ている。自分はなくしたのではなく、あの素晴らしいものに二ヶ月間も触れさせてもらったのだ。あるとないとが反転し、生きられるようになった。」
「彼女たちは自分をケアする方法を山ほど知っていて、強靭だった。不幸が直撃して弱っている友人たち、と勝手に抱いていたイメージを慎重に修正した。誰が弱いかなんてわからない。もしかしたら、弱り方すらよくわかっていなかった自分が一番弱かったのかもしれない。」
「私が変えられるのは自分の運命だけなんだ。子供の運命はそれがどんなものであっても、その子が一人で背負うしかない。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ青子と芽乃と玄也と卓馬の4人のお話!!!4人の距離感が大人で良いなーって思った
印象に残ってるのは2人死の捉え方!
青子は娘が2ヶ月で亡くなるんだけど失ったんじゃなくて得たんだって考えるようになったり、悲しみがお守りになったりしてた、玄也は星は今もうなくなってるかもしれないけど光は今でも届いてるって、2人の捉え方とっても素敵だなって思った
今日マツパしたから濡らしちゃだめなのに涙が止まんなかった、、
そのほかも素敵な表現が沢山あった!
人は自分も周りの人もいついなくなるなんて分かんないから大好きっていう気持ちをいっぱい伝えたい!!
人は人、みんな他人、分かり合えないこともあるけど受け入れたい!!受け入れてくれる人も大切にしたい!
解説のラスト「私は読む前よりもずっと遥かな場所にいた」ほんとにそのとうり!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ7年の短編集
どの短編も独特の世界観で引き込まれてしまう。
一つの話を読み終わるたびに、ため息が出る。
あり得ない世界なのに、どこか、この世界に指一本でぶら下がって繋がっているような感じ。
誰かの腕の温かさだけを求めていたような。
愛しい人から何か自分だけが見えていたような。
遠くの美しいものに触れずにいるような。
狂おしくて、愛しい人を食べてしまうような。
愛情の行き先と表現を忘れてしまったような。
愛情の距離感がつかめなくなったような。
世界で生きる意味を探すような。
不思議で、どこか不器用だけれど、どれも心の端にグッと指の跡をつけるような愛でした。 -
Posted by ブクログ
これまでの人生で一番辛いと言える出来事があり、でもどうにか前に進んでいかなきゃと考えている中でこの本を見つけた。背中を押してもらえるかもと思い購入。
ずっと泣きながら読んだ。
人生で大きなかなしみを経験した人たちはかなしみに対する言葉や向き合い方をいくつも知っていると思う。この本を読むことで自分の中の痛みとリンクさせてしまって涙が止まらなかったけど、それでも寄り添ってくれる言葉や、心の中に溜まっているかなしみたちに行き場を教えてくれるような言葉がたくさんあったから最後まで読めた。
この本に今出会えて良かった。
白尾悠さんの解説もとても良かった。