あらすじ
私たちはひとりじゃない
卒業して10年。再会した4人は束の間肩を貸し合い、息をつく。友だちっていいなと微笑みたくなる第166回直木賞候補作。
単行本 2021年11月 文藝春秋刊
文庫版 2025年3月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
大学時代の友人 男女4人の交流を描いた連作短編集。
とても繊細で優しい物語だったので、
大切に少しずつ読み進めました。
大学を卒業した後の4人は それぞれ困難、試練に立ち向かいます。
物語のトーンは悲しく、苦しい。。
のですが、4人の友情が優しくて温かくて。
涙とにっこりが同時にやってくるような素敵なお話でした˘˘̥♡
Posted by ブクログ
青子と茅乃の関係性と、お互いにかける言葉がとても温かくて優しくて良かった。
ガン治療でまつ毛が抜けたことを話した時、「言われなきゃ気づかないよ。」という言葉を飲み込んで、「スーパー美しいつけまつげ、探す?」という言葉を選んだのが印象的だったし、乳癌のことを初めて打ち明けられた時に、「これから治療を生活に組み込んでいくことになるんでしょう?一番楽なペースを考えよう。私も一緒に探す。」と、相手の問題を一緒に抱えてくれる言葉は、とても頼もしく感じただろうなぁと思った。悩みや辛さを打ち明けてくれた友人にかける言葉ってとても難しくて、私だったらどの言葉もしっくりこなくて、変なこと言うよりはと黙ってしまいそうだなと思ったから、自分が今後同じ場面があった時にこういう前を向ける言葉を送りたいと思った。
無くしたと考えるのではなく、あったことを幸せだと考える。同じ出来事でも、考え方を変えられるんだとハッとした。
お互いが全く違う人生を生き、違う苦しみに直面する。自分の気持ちなんてわからないでしょう、と友人を突き離したり線を引くのではなく、素直に落ち込んでいることを溢してみようかな、と思った。きっと私の友達は、一緒に考えようとしてくれる人ばかりだと思う。
彩瀬まるさんの本を初めて読んだけど、とても好きな本だった。
「あるものとないものは似ている。自分はなくしたのではなく、あの素晴らしいものに二ヶ月間も触れさせてもらったのだ。あるとないとが反転し、生きられるようになった。」
「彼女たちは自分をケアする方法を山ほど知っていて、強靭だった。不幸が直撃して弱っている友人たち、と勝手に抱いていたイメージを慎重に修正した。誰が弱いかなんてわからない。もしかしたら、弱り方すらよくわかっていなかった自分が一番弱かったのかもしれない。」
「私が変えられるのは自分の運命だけなんだ。子供の運命はそれがどんなものであっても、その子が一人で背負うしかない。」
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青子と芽乃と玄也と卓馬の4人のお話!!!4人の距離感が大人で良いなーって思った
印象に残ってるのは2人死の捉え方!
青子は娘が2ヶ月で亡くなるんだけど失ったんじゃなくて得たんだって考えるようになったり、悲しみがお守りになったりしてた、玄也は星は今もうなくなってるかもしれないけど光は今でも届いてるって、2人の捉え方とっても素敵だなって思った
今日マツパしたから濡らしちゃだめなのに涙が止まんなかった、、
そのほかも素敵な表現が沢山あった!
人は自分も周りの人もいついなくなるなんて分かんないから大好きっていう気持ちをいっぱい伝えたい!!
人は人、みんな他人、分かり合えないこともあるけど受け入れたい!!受け入れてくれる人も大切にしたい!
解説のラスト「私は読む前よりもずっと遥かな場所にいた」ほんとにそのとうり!!
Posted by ブクログ
大学の合気道部で同期だった4人の20代後半〜40代までの間に起きたことが描かれた連作短編。
「新しい星」に叩き落とされて得た経験や考えは、苦しいのにやさしい。
想像力は必要だけど、完璧な人ではなくても誰かにやさしくすることはできる。そして、つながる。
彩瀬まるさんの作品は、あらすじを読むとちょっと身構えてしまうけれど、読み始めれば、つらさやおもさがやわらかな感情に包まれてほぐれていくような読み心地。
Posted by ブクログ
これまでの人生で一番辛いと言える出来事があり、でもどうにか前に進んでいかなきゃと考えている中でこの本を見つけた。背中を押してもらえるかもと思い購入。
ずっと泣きながら読んだ。
人生で大きなかなしみを経験した人たちはかなしみに対する言葉や向き合い方をいくつも知っていると思う。この本を読むことで自分の中の痛みとリンクさせてしまって涙が止まらなかったけど、それでも寄り添ってくれる言葉や、心の中に溜まっているかなしみたちに行き場を教えてくれるような言葉がたくさんあったから最後まで読めた。
この本に今出会えて良かった。
白尾悠さんの解説もとても良かった。
Posted by ブクログ
大切なことは、ひとそれぞれで、完全に理解することはない。だからこそ、簡単なことばを使って傷つけることがないようにしなければ…
読み終えて、かつての友人たちが出会い、お互いのいまを尊重しながらも、丁寧に、深く関わる光景に、とてもあたたかい眩しさを感じた。
また読み返したい。
Posted by ブクログ
大学の合気道部同期の男女4人の物語。
4人の関係性、距離感がとても優しくてあたたかい。
美しくもあり緻密な文章により、今まで言語化できていなかった過去の経験を表現してもらえた。
Posted by ブクログ
彩瀬まるさんの作品は2冊目
大学時代に合気道部で同期だった青子、茅乃、玄也、卓馬は、大学卒業後それぞれ悩みを抱えて暮らしています。
あるきっかけから合気道が4人をまた引き合わせたことで、家族に言えない本音や深刻な悩みを打ち明け合います。
家族ほどストレートに心に踏み込まず、大学時代の4年間一緒に汗を流し気心しれた4人の関係はとても楽なんだろうなぁ。
理不尽や不安、しんどい状況を4人で分け合い、お互いにかけ合う言葉もさりげなく優しくて心に染みました。
程よい距離感の友人関係は心強くて羨ましくなります。
辛いこと悲しいことが次々とおこりましたが、新しい星で生きる…読後感は悪くなかったです。
Posted by ブクログ
直木賞候補になったことで名前を知った作家さん
学生時代に合気道部で同期だった男女4名の物語。
章ごとに、書き手の主題は変わるが、彼ら4人のそれぞれと、関わりの中で物語は進む。
学校を卒業して10年後以降ぐらいから、話は流れていく。
外見状は順風満帆に見えたとしても、人はそれぞれ他人には言えない事情を抱えている。その他人に言えない悩みまで、彼らはよく話し、そして分かち合う。
押し付けるわけでないその関係は、ありえないほど優しい。でも、作り物、偽善ぽくはなく優しい。
ひょっとして好きな作家さんかもしれないので、他の作品も読ませていただこうと思います。
Posted by ブクログ
内容は、人生の終わりとか辛い現実について書かれているんだけど、とにかく優しいのがこの作品の凄いところ。
大人になっても、「そこのコンビニ、ポテト半額だよ!」みたいなやり取りできる関係の人がいたら、きっと豊かだろうなぁ。なんて思ったりした。
Posted by ブクログ
時々ふっと出てくる優しくて悲しい表現に胸が詰まり、思わず涙が出た。
読み終えると新しい星というタイトルと意味が、すごくしっくりくる。漠然として、良いも悪いも含めた未知な感じで、なるほどな、と思った。
4人の関係が素敵だなと思う。羨ましいとすら思うけど、ないものねだりよりも今私がいる星で、そこから見える範囲で出来ることやしたいことを見つけたいと思った。
Posted by ブクログ
期間を経て、大学の四人の男女の友人が集まる。みんな自分以外は幸せなんだろうと、集まる際に悩む。しかしながら、それぞれは大小あれど苦しみや悲しみがあり4人はだからこそ繋がりが強くなる。それぞれが卑屈になりそうなときに、この友人たちのかかわりがいい。
いや、友人だけではない。家族、そして好きなもの。それは孤独から救ってくれるもの。
星のようなものたち。
「決して一人にはならない」てすごいよね。
あらためて自分の周りに居てくれる人、好きなことは大切に、しようと思った、
Posted by ブクログ
登場人物が亡くなる系の本や映画やドラマは感情移入しすぎて、現実世界に戻ってくるのに時間がかかるので最近は避けていたけれど、表紙のイラストが気になって購入。
気持ちの部分が繊細に表現されていて、最後は少しほっとできる終わり方で良かったです。
読み終わった後に、帯の「喪失の彼方のうららかな場所を描く」を読んで「確かに」と思える作品でした。
Posted by ブクログ
連作短編集
大学時代、合気道部で同期だった男女4人(青さん、かやのん、ゲンゲン、卓ちゃん)の物語。愛称で呼び合える関係って良いですね。大学時代は充実した日々を共に過ごし、順風満帆に見えた4人だが、、
以下、各編の感想
「新しい星」
本書のタイトルと同タイトルの短編。希望に溢れるタイトルに見えるが、結婚、出産、仕事に躓いて意にそぐわない新しい星に叩き落とされた青子の話。立ち直るキッカケが、より不幸な星の友人(茅乃)を気遣う事ってのは何だかなぁ。と思ったけど、解説の白尾悠さんの解釈は違うみたい。それぞれ違う星に叩き落とされた友人に、自らが叩き落とされた星から光を届ける話だとのこと。素敵な解釈ですね。
「海のかけら」
玄也が主人公。1話に引き続き、自分より大変な仲間(卓馬)の窮状を見て前向きに生きるきっかけになるってのはあるだろうけど、どうなの?
「蝶々ふわり」
一番好き。温泉での気づきや、「悲しみが邪魔だ」と思う青子の決意が心に沁みた。
確かに解説の白尾悠さんの解釈は正しいのかもしれない。
「温まるロボット」
卓馬の話。コロナ禍下のリモート飲み会。まぁ男の話はどうでもいいかな。
「月がふたつ」
茅乃にとって、大学時代からの親友青子は何も装う必要のない相手、一方で夫や子供の前では虚勢を張っている。家族だからこその距離感ってあるよね。
「ひとやすみ」
何を書いてもネタバレが過ぎてしまうけど、お疲れ会を開いてくれる友達は欲しいなぁ。
「ぼくの銀河」
先に男が主人公の話はどうでもいいかなと書いたんだけど、間違いでした、ごめんなさい。玄弥が主人公の話ですが、良かったです。4人の中で一番不器用な玄弥が、優しく丁寧に言葉を紡ぎ出します。しかしトロピカルアイスティーがこんなに活躍するとは。
Posted by ブクログ
新しい星にも どうしてこの4人なのかも意味があるんだね、とても大事な。カヤノと青子と本当に不思議な関係だった。突然泣き出して、でも慮って静かに寄り添う。泣くなしっかりしろとか間抜けな言葉は吐かない。奈緒ちゃんと3人と全然接点ないのが不思議だって思うけど、青子の子供が亡くなって〜だからか?亡くなる前に奈緒ちゃんはちゃんと生活して育って大人になるよ負った傷は自分で直すよはちょっと酷いよ、癌で仕方がないでは酷いよ。と言いつつ自分が癌になれば人の事など考えない筈、それとこの本読んで何を学ぶのか未だ暗中模索 あとずーっとローギアだった
Posted by ブクログ
よくあるタイプ(主人公が複数で、それが少しずつ絡み合う感じ)のお話なのですが、私はこのパターンの小説が好きなんだなぁと分かりました(*^^*)
「ひとりにしない」それが娘ちゃんにとってどんなに心強いことか、と思います。
たとえ知らない人でも、連絡はしないかもしれないけど、自分の母のことを知ってくれている大人がいるって、なんだか心強い。
Posted by ブクログ
連続短編
4人の男女がそれぞれの悩みを抱えながら支え合い生きて行くお話
4人のうちの1人が乳がんになり骨に転移するんだけど、ちょうど私の身の回りに起きたことと重なったので恐ろしくなった
友達の存在が温かく強くとても綺麗なお話だったけど実際の世の中はこんな友達がいる人少ないし、なんなら友達すらいないんだけどなー