彩瀬まるのレビュー一覧

  • 花に埋もれる

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    彩瀬まるさん ベストアルバム的短編集とのこと
    ストーリーの中に メタファー的(だと思うのだけど)モノや身体変容を独特に差し込んでいる
    多少不思議系でもある
    この短編集集は、ベストと言われるだけあり
    モノと人、ストーリーがとてもしっくり

    「なめらかなくぼみ」 小説新潮2021
    選りすぐったソファの肌触りを愛する女
    …というより 自分の愛でるモノを尊重してくれるパートナーが良いんだよね

    「二十三センチの祝福」 文芸あねもね2011
    同じアパートに住む女の傷んだ靴を直す男
    安く傷んだ靴は彼女そのもの
    都会で傷つき疲れた女性を優しく送る大人の男

    「マイ、マイマイ」 オール読み物2018
    大学生同

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    2024年05月10日
  • くちなし

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    綺麗なお話ばかりだった。自分の側にありそうでない、そんな短編集。どれが好きかと言われると選べないくらい、どの世界も美しいと思った。

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    2024年05月03日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    ネタバレ

    「みっともない」と「かわいそう」の呪縛。
    完全には消えはしないけど、梨枝が踏み出せて良かったです。面白くてあっという間に読んでしまいました。
    わたしの母も梨枝の母みたいなところがある…というか、ここが九州とかわたしが長女というだけでなく、娘を持つ女親って大なり小なりこういうところあるかも。紀子は娘をコントロールすることで自分を保ってるんだろうな…わたしの母は違った理由もあったのだけれど。理解はできるけど納得はできないです。
    「かわいそう」と思うことで、歪んだ優越感が得られる…という黒い気持ちもまざまざと見せつけられます。自分自身も誰かからかわいそうだと思われてるだろうし、誰かに言われてるのは嫌

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    2024年05月03日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    食事を通じて変わっていく人間関係を描いた6つの物語。

    現代に生きる私たちが抱える不安や悩みが、それぞれの食事を通して解消されていく。どの物語も読み始めはザラザラとした感覚が心の中に生まれるけど、登場人物が咀嚼するほどに滑らかになっていく感覚。

    子育て中の女性が主人公ということもあって、「ミックスミックスピザ」「ポタージュスープの海を越えて」「シュークリームタワーで待ち合わせ」は頷く部分が多かった。3つとも「完璧でなくていい」「母親になっても自分は自分でいい」というメッセージが伝わる。大切なものを大切にしながら自分の人生を生きていくという、覚悟を決めた主人公たち。登場人物から勇気と力強さをも

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    2024年04月24日
  • 眠れない夜は体を脱いで

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    あまり期待せずに読んだがおもしろかった
    それぞれの章で主人公の気持ち、物の捉え方などが変わっていくのをみていると、自分の考え方の幅も広くなったような気がした
    どの短編も好きだけど4つ目のおじさんの話が一番よかった

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    2024年04月14日
  • 桜の下で待っている

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     東北新幹線を北上しながら、春の花に彩られたそれぞれのふるさとの物語が詰まった短編集。婚約者の実家に帰省する『からたち香る』、祖母の手伝いに帰る『モッコウバラのワンピース』と車内販売のお姉さんが主人公の表題作がお気に入り。『ハクモクレンが砕けるとき』の生々しい描写は心が抉られるよう。実家は同じ市内にあるので、新幹線に乗っての帰省には少し憧れる。初恋の人と久しぶりに会って握手するっていいなぁ。

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    2024年04月10日
  • 花に埋もれる

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    「花に眩む」

    一緒にいたい、一人になりたい、一つになりたい。

    矛盾をいつも、抱えている。
    けれど、どれも私のほんものの気持ちで、どれも大事に抱いていたい。私たちはいつだって本当はひとりで、溶け合える日は決して来ない。だからこそ、不意に触れ合う温度に心が踊る。

    その刹那を夢見て、今日もひとり、矛盾を慈しみ、生きていく。

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    2024年03月27日
  • 妖し

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    全編シンプルに怖い。どろどろしているわけじゃなくて、上品な怖さだけど、それ故に怖い…!作家さんたちがみんな巧みなんだな…

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    2024年03月19日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    蜘蛛は、「なんとなく嫌な状況」の象徴と捉えて読み進めた。潰すか逃がすか、そのまま放っておくか、人それぞれで面白い。

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    2024年03月15日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

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    昔帯に椎名林檎さんがコメントを寄せていて、気になってはいたが、最近ようやく手に取って読んだ。

    読んで改めて考えたこと。「みっともない」とか「かわいそう」ってのは多分、力関係に基づいた感情だ。贈与は暴力になり得る。
    「人の目がこわい」というのはそうした感情に絡め取られた結果であって、自分は実感としてよく分かった。

    身につまされる話が多くあり好きなのだが、彩瀬先生の「大人観」が出ている気がした。先生は周りの物事に依存せず自立することが大人になることであって、それを経て初めて他者とのパートナーシップを築き得るということなのかなと自分は読んだ。
    子供と大人の間には時を重ねただけでは乗り越えられない

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    2024年03月03日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    彩瀬さんの本読みつくしキャンペーン中(自分)につき読んだ本。ジャケ借り+タイトル借りだったけど、読みやすい短編集でした。全ての短編が少しずつ繋がっている(今回はひとりの映画監督)系のお話好きだなぁ。世界はどこかで知らない誰かと気付かないうちに繋がっている、と思うとなんか嬉しい。

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    2024年03月01日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    6つの短編。心の機微の描写が細かくて、自分の身近な人の物語みたいに近しく親しく感じます。あたたかい誰かの手作りの食事を食べたくなりました。どれも素敵ですがコーンポタージュの海が1番好みかなあ。

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    2024年02月25日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    食べ物にまつわる短編集。
    「食べることは生きること、つくることは生かすこと」って感じ。
    誰かのために自分を大切にするだけじゃなくて、自分のために自分を大切にできるようになりたいなぁと読み終わってぼんやりと思っていた。

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    2024年02月08日
  • 花に埋もれる

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    短編集。嫌らしくない官能小説、だけどちゃんと艶かしくて惹かれる、描写が好き。あと、人の弱さとか脆さとか愚かさの表現が好き。ちゃんとして見える人も一皮剥ければそんな聖人みたいな人はいなくて人間でしかないのだなあと思う。「マグノリアの夫」がとくにうつくしくて好きでした。切なくて残酷で。

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    2024年01月27日
  • やがて海へと届く

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    「なにが、なにか困ったことはある?だ。あんな電話、しなくてよかったのに。職場のことなど考えず,迷惑をまき散らしながら逃げて逃げて、どこかの温泉にでも浸かってくれていた方がよかったのに。そうしたら、きっと探しに行ったのに。
    本当だろうか、と熱いコーヒーを口に含んで自問する。死んだ人間相手だからと、非現実的な絵空事のやさしさを掻き集めていないか。実際にそれをやられたら,私はそれまで尊敬していた楢原店長をすぐさま見下すようになったはずだ。私も同じような目に遭ったことがあるけれどこんな風にはならなかった、なんて弱い人だろうと、さっきのように自分のたった一度の体験を引き合いに出して、わかる部分だけ切り刻

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    2024年01月30日
  • 不在

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    主人公があまり良い奴じゃないんだけど、だからこそ、彼女と関わる人達の人の良さに苦しくなったり、上手に彼らの手をとれない所がすごくよく分かるから。彼女の中で膨れ上がっていく感情を同じように醜いと思った。
    自分の間違えを子どもに、ごっこ遊びに置き換えて話している描写が的を得ていてグッときた。
    冒頭のセリフも彼が言ったんだと思う。そこを明らかにしないのも良かった。
    表紙も好き。

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    2024年01月11日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

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    彩瀬まる作品の中では、メタファー少なめでスピーディーなストーリー展開、社会派の題材。心理描写の切なさや温度の低さみたいなものが、厚みとして感じられる。

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    2024年01月07日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

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    食は人が生きていく上で欠かせないもの。食べられることができるのなら人は死なない。食への祈りと希望みたいなものを感じました。料理がどれもおいしそうで食欲がそそられる。「ひと匙のはばたき」「大きな鍋の歌」が好きでした。

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    2024年01月07日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

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    錦糸町の雑居ビルにテナントをかまえる人たちの物語。
    読んだことあるやつだった…。

    どの話も少し胸がキュッとなる感じで好き。

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    2024年01月05日
  • 骨を彩る

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    指のさきが引っかかったり引っかからなかったり、それでも前に進んでいく。
    ろっ骨の間からじんわりしみてくるような、最後にぱっとイチョウ色が目の裏に浮かぶようないい本だったな。

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    2024年01月02日