彩瀬まるのレビュー一覧

  • 嵐をこえて会いに行く

    Posted by ブクログ

    青森を舞台に、コロナ禍を経て再び人に会えるようになったエピソードが綴られた短編集。たかだか数年前の話なのに読んでいると今や少し昔のことに思えてしまうのだから時の流れは速い。作家の取材過程を小説化したような『あたたかな地層』が特に良かった。冷麺の描写やコーヒーの描写に著者らしい表現を垣間見る。

    0
    2025年03月08日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

    Posted by ブクログ

    【再読】幼いころから「みっともないことをするな」と母から言われ続けた梨枝が自分を縛る呪いと対面し、少しずつ、本当に少しずつ前に進んでいく物語
    前半の家を出るまでの息苦しさはかなりしんどかった
    母だけでなく、兄や義姉、恋人、職場の人たちやお客さんとの関係を丁寧に描かれている
    誰しも心の弱さや重さと闘ってるんだなと思う
    梨枝が途中三葉くんに母と同じようなことをしていてヒヤッとした
    母からの呪いが梨枝をかたちづくっていたとしても、梨枝はとても優しい
    ラストにかけて救われる気持ちで読み終えた

    0
    2025年02月16日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

    Posted by ブクログ

    女子に刺さりそうな小説で探してて、ずいぶん前からチェックしてたやつ。女手1人で厳しく育ててきた母親の呪縛!って感じ。みっともない女になるなという教え。恥ずかしい、ちゃんとしなきゃ、という感覚。母親はかわいそうなのか。主人公のモノローグが上手く言葉にできない感情をぐるぐるぐるぐる表現してる。自分が親だったら、と考えながら読んだ。

    0
    2025年02月13日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    スカイツリーを見上げる 下町の片隅に、ひっそりと 息づく商店街『 明日町こんぺいとう商店街』。シリーズの4作目です。金平糖の角は24個。24軒のお店が集まっていて、今回はその中から7軒のお店のハートフルなエピソードが収められています。
    お店ごとに作家が交代するのがこのアンソロジーの特徴で、私は前川ほまれさんの描いた 5軒目の『インドカレー ママレード』が心に残りました。
    2軒目の蛭田亜紗子さんの『ツルマキ履物店』の回はちょっとテイストが違い「あら?」と思いましたが、色々な作家さんを読めるのがこのシリーズの良さなので、こんなテイストもありだな、と思いました。

    0
    2025年02月10日
  • 嵐をこえて会いに行く

    Posted by ブクログ

    古い友人。遠くの恋人。業界を去った恩人。
    すれ違う家族。途切れかけたつながりを、どうしたら
    取り戻せるのか。大切な誰かの存在に気づかせてくれる
    5つの物語を収録。

    0
    2025年03月29日
  • くちなし

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」は独特な世界観ではなくて読みやすくて好き
    その他はファンタジー要素強めでグロテスクな内容も多く少し苦手意識をもってしまった

    0
    2025年02月07日
  • 神様のケーキを頬ばるまで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    取り壊しが決まっている雑居ビルで働く人々の短編集。
    各章でモチーフとして扱われるウツミマコト監督の映画「深海魚」、それぞれの話の主人公でも賛否両論分かれる作品で、色んな人の感想を聞けて面白い。私は苦手な作品だなあ。

    バンドの作詞作曲をする古本屋のバイトさんの話「龍を見送る」が好き。彼女の作る曲を聴いてみたいな。
    古本屋の店主さんががんで胸を切除した後の縫合の傷に名前をつけて蝶として可愛がる恋人可愛すぎる。一生仲良くしてほしい。

    0
    2025年01月27日
  • 花に埋もれる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    お洒落で綺麗な雰囲気の文章で、読んでいて気持ち良かったです。
    短編の最初の2つがリアルな内容だったから、3作目の「マイ、マイマイ」で急に違うタイプでびっくりしました笑。
    身体から石とか花とか面白かったです。
    「本当にあったら自分は梅か桃を咲かせたて、実をならして食べたい」と考えています。

    一番好きだったのは「なめらかなくぼみ」で、もし特に大きな事件が起こらない人の人生が小説になるのなら、こういう部分が切り取られるのかなと思いました。
    母親との確執を多く語りすぎないところは、この作者の上手な表現方法なのかとも思いますが、この主人公の辛いことを振り返らずに、したいように生きるっていう性格も現して

    0
    2024年12月30日
  • 妖し

    Posted by ブクログ

    読書疲れしていたため久々の短編。朱川先生の短編が一番好き。上品な怖さの作品が多くて良かった。どの作品も長編で読んでみたくなる魅力があった

    0
    2024年12月18日
  • くちなし

    Posted by ブクログ

    ままならない愛を幻想的な世界観で繊細に表現した短編集__これまで読んだ彩瀬さんの作品とは違った印象で、湿度の高い滑まかしい文章に身震いしながらも読み進めてしまった。

    0
    2024年12月11日
  • なんどでも生まれる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    チャボの桜さん、商店街の金物屋の孫である茂さん。桜さんの一人称で話は進む。飼われている鳥の目線って想像したことがなかったので最初は困惑したけれど、鳥がこんなふうにものを考えて行動していたら面白いなと思った。鳥の中でも品種や分類が違えば鳥同士でも知らないことがたくさんあったりして、まるで人間社会のような鳥社会があって楽しかった。現実でもこうだったらいいのにな。
    なんだか温かな陽だまりの中にいるような作品だった。色々な個性をすべて受け入れて包み込むような温もり。太陽の光は誰にでも平等に降り注いでいるように。
    つらい現実も書いているがあくまでも前向きさがあり、タイトルのように何度でも変化の機会があっ

    0
    2024年12月10日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

    Posted by ブクログ

    夫にも息子にも逃げられた母が可哀想だと思ったのは本当なんだろう。だが、母と暮らすことを選んだなら、ふたりで快適に暮らせるよう努力すべきなのに、臆病な彼女は母と戦わず、逃げた。

    不器用なのはいい。でも、幸せになる努力を怠る人間を見るのは歯がゆい。

    梨枝の魅力がボクにはわからないので、三葉くんにもそのうち捨てられるのではとハラハラした。

    二人が幸せになって良かった。だが、この幸せは三葉くんが作ったもので、梨枝は"偶然にも"幸せのお裾分けに授かっだけ。ラッキーでしかないな。2.7≒3

    0
    2024年12月07日
  • 花に埋もれる

    Posted by ブクログ

    ちょっと不思議な感じの短編集。人体の一部が植物や石がになっていくところが、不思議でした。その不思議さがとても印象に残っています。

    0
    2024年12月07日
  • あのひとは蜘蛛を潰せない

    Posted by ブクログ

    ふとタイトルが気になり、最初のページを読んだらタイトルそのままな書き出しで、どんなお話か気になりました。

    母娘関係、恋愛、自立などよくあるトピックが続きますが、ちょっと気になる描写が微妙な違和感をもたらして来て、モゾモゾしてしまい早く読んでしまいました。

    梨枝や雪ちゃん、三葉くんなど脇役の描き方も丁寧で良かったです。柳原さんとバファリン女が結構好きです。

    0
    2024年12月03日
  • 草原のサーカス(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    各自、仕事で成功を収めた姉妹だけどある出来事で躓いてしまいそれに向き合う話だけど、、、
    終始暗くて展開も遅くちょっと読むのしんどかった。
    草原のサーカスていうタイトルに惹かれたけどあまり内容とも関係ないような?

    0
    2024年11月13日
  • なんどでも生まれる

    Posted by ブクログ

    まさかのチャボ小説!

    小学校の時、あの目に恐怖していた自分からすると、愛らしい桜さんの姿にほっこりするとは不思議なもの。こんなに可愛いチャボもいるのだろうか。肩に乗り!寝てる姿は玄米餅!…いや、そんなチャボに出逢ったことなどない。

    穏やかで何も起きないけれどゆっくり時間が流れる小説。どうやらアンソロジー作品集から生まれたそうだが、発想は膨らむものなのだなあ。

    0
    2024年11月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    今回の作品はどれも、手探りながら悩みながらも未来に向かって前に進もうとしている。こんな商店街あれば良いのに。どこかにあって欲しいとしみじみ思う。

    0
    2024年10月29日
  • まだ温かい鍋を抱いておやすみ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    それぞれの登場人物の、食べ物に関しての思いが書かれているお話だけど、全体的にふわっとしててよく分からなかった。「鳥」はあまりにも空想的だし、枝豆パンは家庭で何が起きたのか、どうして従兄弟に恋愛感情をもったのか(彼氏の目線で初恋の男と断定されただけで、真実が本人から明かされるわけでもなく)、もう少し解説がほしい。4話目と5話目は、少し重めの話ではあるけれど、好きかも。生きること=食べることで死とは反対の行為で、別の立場に置かれているけどそれぞれ死と向き合っている人たちから、生きることは何かと考えさせられた

    0
    2024年10月26日
  • なんどでも生まれる

    Posted by ブクログ

    人ではないものの視点から描かれた物語はとてもほんわかと、ただこの人らしく、苦しい何かを抱えた人たちも登場しつつ、みんなが少しずつ再生しながら進んでいく。どっかできいた名前だなとか、なんか既視感あるなぁと思いつつ詠んでたら巻末にその理由を見つけてこれもちょっと嬉しかった。読書熱が夏に比べて下がってきた今読むのにちょうどよかった。

    0
    2024年10月26日
  • 眠れない夜は体を脱いで

    Posted by ブクログ

    なんかリアルとバーチャルの交差点的な短編集。これからこういう交流がふえていくんだろうな。バーチャルの繋がりは、それはそれで違う可能性があって楽しい気が、わたしはします。

    0
    2024年10月19日