仲野徹のレビュー一覧

  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    研究者が美しい論文や人生を変えた論文を語るアンソロジー。時にそれは高い壁であり励ます存在でもあるのだと感じた。論文を「作品」と表現した箇所があり納得。理学系に馴染みがない方にはやや読みにくいかもしれないが、研究者の人生、論文への愛を感じられる稀有な一冊だ。

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    2025年11月28日
  • 博士が愛した論文 研究者19人が語る“偏愛論文”アンソロジー

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    今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
    大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて

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    2025年11月24日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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    生物学に対する根源的な知的好奇心がこれでもかというほど満たされて震えるほど面白かった。
    遺伝は、生命現象の神秘さと自らを形作る最小単位という身近さを併せ持っている。本書は、遺伝の解明の歴史書であるが、単なる科学史ではなく人類が自分の起源を語ろうとする壮大な物語である。遺伝の解明は科学の発展とともに、人間とは何かという自己の追求であり高揚感が抑えられなかった。
    メンデルやダーウィンから始まり、ゴールトンやモーガンやワトソンやクリック、フランクリン、サンガーなどの科学的な偉業だけでなく、背景や野心、失敗、迷いなど人間的な面も余さず書かれていて良かった。
    遺伝学の発展は、病気の解明や治療など多大な恩

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    2025年11月14日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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    『遺伝子 親愛なる人類史』感想文

    本書『遺伝子 親愛なる人類史』は、遺伝子をテーマに、人類の過去・現在・未来を縦断的に見通す壮大な一冊でした。前半で語られるダーウィンやメンデルの話は、これまでどこかで聞いたことのある内容で、新鮮味には欠けましたが、遺伝子研究の原点を再確認するという意味では意義深いものでした。

    その後に展開される優生学の話は、重く、心がざわつくような内容でした。人間が「よりよい子ども」を望むという欲求の先に、歴史的には数多くの悲劇があったことを改めて思い知らされます。特に、現代においてもその欲求は形を変えて存在し続けており、技術の進歩によってそれが実現可能になりつつあるとい

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    2025年04月14日
  • (あまり)病気をしない暮らし

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    専門知識に少し嫌気がさすが、読みやすい。
    興味があるのは、風邪・がん・ダイエット。
    あと精神疾患があれば申し分ない。

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    2025年03月28日
  • 闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

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    岡田斗司夫のYouTubeでおすすめされていたので読んでみた。

    非常に面白かった。

    脳に電気を流すことで、精神疾患を治療することができる。

    それらの技術は、軍事転用よっては恐怖心を感じないロボット兵士を作れる可能性もあるらしく、アメリカの国防関連のシンクタンクも研究費を大幅にとっているのだとか。


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    2025年01月30日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    楽しく病気について学ぶことができた。主題は病理学というよりかは、病気(特に、ガンについて)のあれこれといった感じの本だと感じた。専門ではない私にとっても、分かりやすくサラッと読めた。

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    2024年12月22日
  • エピジェネティクス 新しい生命像をえがく

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    レベル感としてはほぼ分子生物学の教科書と同じで,エピジェネティクスという現象の基本(生物学的な見方)を知るだけなら本書で十分理解できる。

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    2024年09月10日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    (2016/10/15)
    中高生に、とあるが、我々大人が読んでも十分学べる内容。
    物事の考え方を、平易なことばでみごとに説明してくれている。

    小田嶋さんの成功者村上龍への食いつきは面白い。「会社員」という仕事がないと。
    村上龍は成功しているから会社員をはずしていると。
    確かに、13歳のハローワークに上がっている仕事で食っていける人はごくわずか。
    みな「会社員」として何とか生きている。

    白井さんの「意味」には際限はない、というのはなるほど。
    本能的欲求は限度があるが、誰も持っていないものを持つ、という欲求には切りがない。
    そこにはまったら最後だな。

    戦争中における「国」とは、国民でなく国体

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    2024年05月28日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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    本書を一読することで、遺伝学の歴史は人類の叡智による燦然たる科学の歩みであるとともに、人類史上とてつもなく大きな惨禍を伴ったものであることを理解することができる。そして、この科学の歩みは、既に私たちの仕様書の解読を終え、近い未来にアップデートさえしようとするところまで手が届いてることも理解することができる。そこには、遺伝学という科学的な問題だけでなく、深遠な哲学的かつ倫理学的な問いが突きつけられている。もし、自分の仕様書が解読できるなら、私はそれを望むのだろうか。子供がいたとして、子供の仕様書を解読するだろうか。解読したとしてその結果を子供に伝えるだろうか・・・。本書は、単なる遺伝学の歴史の概

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    2024年05月06日
  • エピジェネティクス 新しい生命像をえがく

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    エピジェネティクスと云う言葉をはじめて知りました。
    エピというのは、ギリシャ語で、後で、上に、という意味の接頭辞だそうです。
    遺伝子の後で、上に、という意味だそうです。
    遺伝子を本に例えると、ここの部分は大事だから読むようにとか、ここの部分はとばして、のように付箋の働きをする今年や、一部の文章をの上に不透明のテープを貼って伏せ字にするようなことらしいです。
    遺伝子は同じなのに、食べ物などの影響で女王蜂になったり、働きバチになったりするのもエピジェネティクスの仕業ということです。
    DNAの分子配列だけでは生命は決まらないということですが、生命って奥深いと思いました。

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    2024年04月26日
  • (あまり)病気をしない暮らし

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    軽妙な語り口でちょっと気になる病気の話を易しく説明。遺伝子の説明から異常の発生は必然でガンになるのは運次第、運の引き寄せかたの注意や、病原体とのたたかいの歴史など興味深い蘊蓄が披露されます。参考文献も山ほど紹介されているので、さらに深い知識を得ることもできます。面白おかしく健康について考えさせられました。

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    2024年02月25日
  • 闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

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    くそおもろ
    天才っているんだ
    快感と苦痛は紙一重
    どちらもスイッチひとつで生み出せる
    人間をどんな用途のための道具に造りかえることも可能だし、感情や倫理観はどうにでも変えられる
    形成外科▶︎美容整形
    神経外科▶︎脳深部刺激
    倫理警察うっせーわ
    ロバート・ガルブレイス・ヒース

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    2023年12月10日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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    ネタバレ

    「遺伝子」なかなか難しい題材だが、科学的な部分と人類史との関わり合いの部分ととても分かりやすくてスムーズに読むことが出来た。科学的な部分では遺伝子・DNA・RNA・ゲノムなど、聞いたことはあるけど・・・な言葉もなんとなくイメージできどうそれが進歩してきたのかも興味深かった。また人類史との関わりについては遺伝子の研究が断種という考えからヒトラーにつながっていくところが衝撃的だったし科学者を理性的にさせるほど研究が恐ろしい結果につながりかねないということを知った。
    遺伝情報の発現は必要性のためではなく、スイッチを何かが推すことによって起こる。多様性はバグではなく必要な進化の過程だと思えた。
    下巻が

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    2023年09月12日
  • 考える、書く、伝える 生きぬくための科学的思考法

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    科学的な考え方を持って、適切なデータを集めて論文という形まで書き上げたゼミを紹介した書籍。擬似体験的に学ぶくとができる。科学的思考を学ぶために選ばれたテーマも興味深いもので、読みもとしても楽しめる一冊でした。

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    2023年05月15日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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    人間が遺伝子を見つけ、遺伝子を解析して、遺伝子を創造するまでの物語。非常に面白く、職業柄プログラミングとの接点もあり楽しく読めた。

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    2023年05月13日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日