仲野徹のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
序章 仲野ゼミのテーマ
第1章 本番開始!
第2章 最低限のノウハウ1
第3章 最低限のノウハウ2
第4章 実践編 初めての個人論文
第5章 実践編 改善した個人論文
第6章 実践編 グループで作る論文
第7章 授業終了
<内容>
おなじみ大阪大学仲野教授が大学で実践した、大学入門ゼミを文字化したもの。大阪大学の1回生が受けている「学問の扉」という入門ゼミを担当した仲野先生が、2020年度、コロナ禍でZoomを使っておこなったこのゼミの模様を、実況中継した様子が綴られる。先生は医学部の教授ですが、入門ゼミなので他学部の学生ばかり。2回の実践をおこなっているが、 -
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大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。
あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。
まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。 -
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微生物病の研究を経た大阪大病理学の教授が著者。
前作同様、豆知識だったり有益な無駄話がふんだんに盛り込まれてて飽きない文章の構成になってる。
こういう本を読んでると、幼き頃に夢描いてた医学の道を歩まなかったことの後悔がでなくもない。こういう先生に出逢いたかったものだ。
著者も幾度となく言ってるが、本書のタイトルに対する明確な答えを提示していない。
その理由としては、経歴にも書いた通り本書は微生物、病理、人の身体のつくりを研究してた方が書いているので、その対処法もそこの分野(原理的なこと)に関連した内容になってるから。
個人的には3章と4章が面白かった。
3章がゲノム、将来どのようなことが医 -
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Posted by ブクログ
核を持った細胞は真核細胞。原核生物は核がない、単細胞。
細胞が死ぬ=低酸素。脳や心筋は弱い。
壊死=梗塞の後は固くなる。柔らかくなるのは融解壊死=脳軟化の意味。
一酸化炭素はヘモグロビンと結びつきやすい。薄いピンク色になる。酸素が結合できなくなるため酸素が無くなって窒息する。
酸素は活性酸素を生む=体内の3%が活性酸素になる。
指は細胞のアポトーシスでできる。
過形成=乳腺が増えておっぱいが大きくなる。
いぼも過形成。筋肉は細胞の数が変わらないので筋肥大。
入れ墨はマクロファージに食べられた異物の色がそのまま残る性質。
幹細胞=テロメアがないので無限に増殖可能。IPS細胞やes細胞 -
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いわゆる科学を一般向けに書いたような本。
生理学を学んでいたので、内容に驚きは少なかった。
けれど、生理学の基礎知識があまりない人には是非読んでほしい一冊。
なぜなら、分かりやすく面白い上に、考えさせられる部分があったからだ。
ゲノムのこと、癌のこと、風邪のことなど身近だけど知らない故にあまり考えないテーマが多いのではないだろうか?
どんどんと進歩が進む医療分野のことは知っておいて損はないと思う。
例えば、自分の遺伝子解析をしたいか?
結果を知っても対処はできないかもしれないけどそれでも良いか?
出生前診断すべきか?
などと言った問いだ。
日本の研究分野はどうなるのかなとも思った1冊。