仲野徹のレビュー一覧

  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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    ヒトゲノム計画の完了を経て、遺伝子診断や遺伝子治療など現在に至る現況。科学的な解説のみならず社会科学的な観点からも大きな紙幅を割いて論じている。文庫版解説では社会的大問題となっている新型コロナウィルスとPCR検査、ワクチンといったタイムリーな話題の解説もあります。

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    2021年03月11日
  • 遺伝子‐親密なる人類史‐ 上

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    まだ遺伝子という概念が存在していなかったダーウィンの時代から、1900年代後半に至るまでの遺伝学の通史。メンデルのエンドウの研究やワトソン・クリックのDNA二重らせんモデルなど、これまでポツンポツンと理解していたエピソードが、線として繋がり語られていく。上質な講義を聴いているかのようだった。

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    2021年03月10日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    コロナ後の世界を想定しているため、コロナに対する寄稿が大半を占めるが、むしろbeforeコロナにあった問題が断絶せず続いていると感じた。
    内田樹さんのベーシック・インカムについての話はブルシットジョブ(くそな仕事)から人を解放する方法の1つだと感じた。

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    2021年02月27日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
    コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
    に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
    指針というかメッセージ集です。
    前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
    心に残る内容です。
    20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
    昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
    変わってきているコロナの状態ですが。
    やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
    思います。
    たしかに、自分の息子も含めて、若い人

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    2021年01月24日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    細胞を構成する物質や、たんぱく質、DNA・RNAの関係性、がんの成り立ちなどを著者が分かりやすく説明してくれる。
    とはいえ十分理解できたかといえば自信が持てず、それは病理学そのものが奥深くかつ複雑なシステムで構成されており理解するのが難しいが故であろう。
    それをここまで平易な文章で記したのは素晴らしい。

    少なくとも私は読後、病理学に興味を持ち、DNAなどYoutubeで勉強するようになり、関心のきっかけになったのも事実。医療という身近でありながらとっつきにくいテーマに、一歩近づくことができるのでお勧め。

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    2020年12月25日
  • 闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

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    忘れられた天災、ロバート・ヒース。
    今でいう脳深部刺激療法を50年前に独自に開発して統合失調症を治療していた。

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    2020年12月03日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    病理学の入門書として,非専門の人々が読める範囲を意識した感じの本。ブルーバックス的な。入門と言っても,あくまで医学系の中の導入であって次読むなら標準の教科書へ,くらいには難しい。

    内容の半分はがんに関するもので,総論から各論まで幅広く,一通りの知識は本書でさらうことができる。

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    2020年10月28日
  • 闇の脳科学 「完全な人間」をつくる

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    ネタバレ

    精神症状における脳深部刺激術の歴史と、その中で消された存在となったヒースの半生をまとめたルポです。題名から胡散臭そうな印象を与えてしまいようですが、真っ当な内容です。脳深部刺激術はパーキンソン病などの治療で現在普通に行われる手術ですが、精神症状の治療のために1950年代から試行錯誤されていて、その歴史が忘れられたものであるは驚きでした。精神症状が脳から生じるという共通認識がない時代にはタブーであったのでしょうか?それぞれの時代の治療を後から批判するのは簡単でしょうが、多くの研究者はその時のベストを尽くしていたと信じています。

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    2020年11月06日
  • みんなに話したくなる感染症のはなし 14歳からのウイルス・細菌・免疫入門

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    ネタバレ

    <目次>
    序論  いろいろな病気~まずは病気のガイロンから
     第1章  病気ってなんだろう
     第2章  病気を種類で分けてみよう
     第3章  いろいろな病気について学んでみよう
    本論  感染症のずべてがわかる~ウイルス・細菌・免疫の仕組み
     第1章  ウイルス~極小の病原体
     第2章  免疫~外敵からからだを守る
     第3章  細菌~生きる大敵

    <内容>
    河出書房新社の「14歳の世渡り術」シリーズの1冊。わかりやすい説明で定評の、仲野先生の本。今はやりのコロナ19のみでなく、細菌やウイルス全般に、またそれに対抗する「免疫」の話もちゃんと載る。病気の世界を理解できます。

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    2020年09月17日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
    以下、印象に残ったフレーズを。

    「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)

    「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつ

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    2020年05月14日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    時節柄、新型コロナウイルスのPCR検査に関して、感染しているが陰性結果が出る人についての危険性が指摘されている.p321-323に検査の感度と特異性について的確な説明がされており、医学に携わる人にとっては常識なんだろう.闇雲に検査を、検査をの声が出ているが、このような説明が一般の人には理解できないのだろうか.3章、4章のがんの説明はテクニカルタームが頻出の割に理解しやすい記述だった.随所に脱線の記載があり、楽しみながら読めたのが良い.数々の医学者の実績を引用しているのも良かった.最後に出てくる分子標的薬、期待が持てそうです.

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    2020年05月06日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    印象に残った言葉。「知らないことを学ぶときに大事なことが二つあります。ひとつは、大きな流れ - ものごとの原理とか大枠といってもいいかもしれません - をきちんととらえること。・・・細かいことは、後から必要に応じて、原理の幹とでもいったものに枝や葉としてくっつけて覚えていけばよいのです。・・・もう一つは、言葉の意味をきちんと理解しておくことです。・・・幹となる事柄や大事な用語はそれほど多くありませんので、きちんと理解して覚えてくださいね」。この言葉そのものを、病理学にあてはめるとどうなるかを示してくれた本。細胞の6割が赤血球というのはちょっとびっくりだった。

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    2020年03月22日
  • エピジェネティクス 新しい生命像をえがく

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    簡単な言葉で説明できない、だけど、わかると非常に面白い生命現象。難しい内容から逃げずに、正面きって解説してくれる。「研究内容を正しく一般の人に広く伝える」著者の姿勢に恐れ入る。
    恥ずかしながら、私が数十年前に習った遺伝子関連の知識では、その後の最先端の学術情報には次第についていけなくなっていた。大きな声で言えないけど、そうか、こういうことだったのかと理解したたところが少なくない。

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    2020年03月20日
  • からだと病気のしくみ講義

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    健康の本、医学の本はたくさんある。
    仲野先生は大阪の人、この本の文章はまさに大阪弁で、やんわりと書かれている。
    NHK出版の”学びのきほん”シリーズにあった手軽さで、体のことを知ることができ、
    自分が気になったなぁと思う部分を他の本で深めていこうと思えるきっかけ本になるはずだ。
    私は血が苦手なので(笑)、呼吸器や消化器が気になるかな。

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    2020年02月29日
  • からだと病気のしくみ講義

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    平易に血液系、消化器系、呼吸器系、循環器系のはたらきと、相互の関係を解き明かすもの。怪しげな情報に惑わされず、医学リテラシーを向上させようとするメッセージを受け取りました。

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    2020年01月04日
  • こわいもの知らずの病理学講義

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    大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃん・おばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした病理学講義。雑談を交えながら、病気のしくみを笑いとともに解説する。

    面白いんだけど,眠くなってなかなか読み進みませんでしたが,読み終えてやっぱり面白かった(笑)。

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    2019年12月30日
  • (あまり)病気をしない暮らし

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    平易な言葉で患者さんに説明できるように使うために研修医の先生に読んでもらうのも良いかもしんない。そろそろ外来研修はじまるし。

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    2019年11月04日
  • (あまり)病気をしない暮らし

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    タイトルに反し病気にならない方法なんかはあまり教えてもらえずむしろこの方法は意味がないとかこの病気はこの程度しか防げないとか
    そんなところがとても良い

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    2019年09月21日
  • (あまり)病気をしない暮らし

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    生まれてからずっと同じからだで生きていても、自分のからだの出すシグナルがどのような仕組みなのか、知らずに過ごしてきていることのなんと多いことか。特に中毒や依存症についての考え方は勉強になった。

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    2019年08月16日
  • 街場の平成論

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    ☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆


    内田樹を編者として、稀代の論客が「平成」をテーマに持論を展開する。共感できるところもあれば、できないところもある。

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    2019年08月11日