仲野徹のレビュー一覧
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内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た -
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遺伝子はもともと得体のしれない科学であった。進化の研究が進むにつれて、遺伝子の存在が明らかになり、そこから遺伝子を利用した研究へと切り替わっていった。遺伝は父と母から半分ずつ受け取り、それが発現するかはわからない。時たまおきる突然変異が進化へと繋がっていく。遺伝子によってタンパク質が作られる。プラスミドに入れて、他の生物に注入できるようになって、遺伝子を改変することが可能になり、くすりなどかつくられるよになった。
遺伝を明らかにしたのはメンデルなどの細かい実験の賜物であった。遺伝子を完全に操ることは他のどの科学よりも生物の根源に関わってくるのだと感じた。 -
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一度だけ近くでお話を伺う機会がありFacebookでもお友達になって頂いている高名な先生の作品。こういう間違って本人の目に入る可能性があるものについては感想書くのやめようかとも思ったのだが内容が素晴らしかったので…。先生が勤務されている大学で実際に行われた講義を元にまとめられたものでその講義の目的はタイトルにある通り。ある事柄を科学的に捉えて理解し、それを他者に伝える方法を指導するというもの。自分は文学部を出ていて科学的とは程遠いバックグラウンドなのだけど非常に興味深く読んだ。まず何よりも感じたのは大学に入って最初にこういうことを教えてもらえる生徒は幸せだな、ということ。論文の書き方とか思えば
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物凄い本だった。本書タイトルとあらすじは「タブー」と「マッド・サイエンティスト」的な所に思い切りフックのあるものになっていますが、本書を完読するとそういった単純さとはかけ離れた内容に驚嘆してしまいます。しかしタイトル・あらすじは本文の片面として確実に含まれており、その反対側の面(これはユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス」まっしぐらの、人類永遠の課題かもしれません。)を熟慮するためには一冊分の内容が必要であるため、本書はこの引っ張りでこそ正しいのだと思います。
ある人物・ある分野を批判・否定する際に、その否定する理由が主に直感・感情・倫理である場合、完膚なきまでに完全に完璧に100%否定し -
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生きているということ
一部ご紹介します。
・酸素が無ければ生きていけない。が、化学反応性の高い「活性酸素」は、細胞を傷付けてしまう可能性があるため、細胞にとって好ましいものではない。
それ故、細胞の中には、活性酸素を代謝して、無害にするための酵素が存在する。また、ビタミンEやビタミンC、カロテンといった抗酸化物質も、活性酸素を中和する働きを持っている。
・ごく健康に生きているように見えても、我々は、我々の臓器は、我々の細胞は、常に何らかの攻撃を受けている。「人みな骨になるけれど」何とか正常な状態を保とうと、色々なメカニズムを駆使して、やりくりしている、というのが生きているということなのだ。
・知らないことを -
ネタバレ 購入済み
地味な努力の積み重ね
一部ご紹介します。
・ダイエットの極意は、食事制限と、運動によるカロリー消費。英語学習の極意は、単語と構文を覚えることと実地の訓練。どちらも、地味な努力であるため難しい。
・倫理というものは、時代とともに移ろっていくもの。新しい技術がもたらされたとき、その安全性が確認されて、望む人が多くて、メリットが十分にあって、周囲に迷惑をかけることが無ければ、倫理的なことなど吹き飛ぶこともある。体外受精がそうであったように。
・先端技術を受け入れるかどうかを他人事としてではなく、自分の頭で考える。いろいろな角度から考える。それにはまず、正確な知識が必要だ。
・がんになりにくい生活習慣
①感染症検 -
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エピジェネティクな特性とは、"DNAの塩基配列の変化をともなわずに、染色体における変化によって生じる、安定的に受け継がれる表現型である(p21)".この文章を最初に読んだ時、何だこれは! と感じたが、本書を丹念に読んでいくと、分かってきた.さらに "最終的な遺伝子発言機構は、ヒストン修飾やDNAメチル化制御を介しておこなわれる.(p178)"という表現も、何かなじめる感覚を持てるようになった.難しい解説の間に、ほっとするようなエピソードがうまく挿入されており、楽しめた.遺伝子の転写の失敗ががん発生につながるようだが、画期的な治療方法がエピジェネティクスの
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