有栖川有栖のレビュー一覧

  • マレー鉄道の謎

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    第6弾
    アリスと火村が友人の大龍に会うためにマレーシアへ。 数週間前に起こった鉄道事故。その事故で仲間を亡くした会社社長の関係者がことされる事件。2人が絡むことになるが、そうでなくても大龍と接点があり、ゆくゆく絡んでいただろう事件。厄介者が死んだだけではなく、自殺か他殺か?思いの外どんどん殺人が起こるし、途中本当に大龍が犯人なのではと不安になる。 謎解きは、不意に始まり、どきどきしたまま最後まで駆け抜ける。密室のトリックはまさか過ぎるし、終わったと思ってからの引き返しがすごくて飽きずに読みきった。

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    2022年10月09日
  • スイス時計の謎

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    第7弾
    「あるYの悲劇」こんなことあるのか、と思うほど偶然の怖さを痛感する。犯人には同情の仕様がない。Yの血文字に被害者の執念を感じる。 「女彫刻家の首」描写が恐ろしいけど、首のない事情と動機が救えない。死んで償うは出来ないけど、天罰が下るにしても死は逃げ。 「シャイロックの密室」動機に同情はできるけど、トリックとかその後がひどい。火村先生も楽ちんだったのでは。 「スイス時計の謎」短編なのにそうは思えない濃密さ。追い詰め方が論理的過ぎて、周りが悔しそうでいたたまれなかった。読み応え満載。

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    2022年10月09日
  • 江神二郎の洞察

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    第5弾
    「瑠璃荘事件」アリスとEMCとの出会い。江神の推理を目の当たりにする。 「ハードロック・ラバーズ・オンリー」 「やけた線路の上の死体」 「桜川のオフィーリア」 「四分間では短すぎる」謎のまま。しかし、こういうことを大真面目に話せる人がいて羨ましいな。 「開かずの間の怪」 「二十世紀的誘拐」好き。 「除夜を歩く」江神とふたり。謎は解けない 「蕩尽に関する一考察」探偵は未然に防げる。でも、思い知らせたい。短編もサクッとしていて好きだけど、ごつっとした長編もまた読みたい。

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    2022年10月09日
  • モロッコ水晶の謎

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    第8弾
    短編集というには長い話集。 「助教授の身代金」あとがきで筆者も書いていたけれど、火村が誘拐されるのかと思った。 犯人はもちろん悪いのだけど、被害者も“共犯者”もダメダメで、読んでいて気が滅入った。 「ABCキラー」事件がどうとかよりも、アリスにつきまとう記者が好きになれない。やはりクイーンは読破すべきか… 「推理合戦」朝井先生、好きなので出てきてくれて嬉しい。ぎゅっと短くて面白い。 「モロッコ水晶の謎」何とも言えない話。動機が繊細すぎる。あまり現実味がない。信じるってときどき、とても怖い。

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    2022年10月09日
  • 女王国の城 上

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    第4弾
    今度は江神がいなくなった。なのに、どこに行ったかはわかりやすく、友人への依頼は明かされず、あっさりと再会はできた。そして起こる殺人、軟禁されるメンバー 当たり前に来ない警察、犯人はわかるのか、そう決めようとしているのか…2日後には何があるのか…江神は何のためにここに来たのか、江神は卒業したらどうなるのか、今どうしているのか、とかこれってどういう世界観なのかとか、いろいろ気になる上巻。

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    2022年10月09日
  • 女王国の城 下

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    第4弾 後編
    久々にゾッとした。わかったことなんてないけど、本当に真相がわからなくて、もう望月を笑えない位わからなかった。またはぐれて、再会してはぐれて…教会の隠し事が見えないし、11年前の事件とか、絡みが多すぎて混乱しかけたけど、そこは名探偵江神。ちゃんとわかるように話してくれるのでじわじわ犯人が見えてきた時は自分が追い詰められているかのようにどきどきした。11年前の殺人、行方不明、小火に悲恋、そして今回の隠し事と殺人。 最後に全部スッキリするところはさすが。信じられる友だちがいいな。

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    2022年10月09日
  • ダリの繭

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    何度読んでも悲しくなる。 その動機も、結末も、明かされる弟たちも恋人も、明かす火村もアリスも、何だか全てが悲しい。 ダリに魅せられ、でもダリにはなれなかった被害者。 繭のカプセルがどうしても怖い。 殺人が起きて、解決までの道のりに大小謎が多すぎるのも、色んな人が疑われて、関係ない秘密も暴露される。事件て色んな人を傷つける。解決して謎という面ではスッキリするのに、悲しさのせいでもやもやしたまま。 でも、きっとまた読むと思う。

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    2022年10月09日
  • インド倶楽部の謎

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    第9弾
    思いもかけない動機に、ちょっとぼんやりなる。火村先生が辿り着いたことがすごいことだし、そこまでそれを想い続ける、というのか、そう行動するに至った犯人の気持ちがすごい。辛い思いをして、しょうがなかったのかも知れないけど、してはいけないことをした両親を、それでも尊敬して、感謝している娘が1番素敵だったな。殺人じゃなかったからだろうけど。でも、犯人のことも心配して、やっぱり嫌いになったりしないところが、その人の質を見れる人間なんだって思う。被害者に同情できないってだけかも知れないけども。

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    2022年10月09日
  • カナダ金貨の謎

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    第10弾
    短編集もいろんなテイストで面白い。 「あるトリックの蹉跌」2人の出会い。他のシリーズとは結局どうなっているのか…アリスが教室で小説を書いていて本当によかった。いつかきちんとした話にして読みたい。 「エアキャット」火村は登場しないのに火村の物語になる。 事件がごっつりしているのに、ふたりの掛け合いが妙に面白くて、本音の友達いいなって毎回思う。朝井先輩は変な空気取り込まないから好き。 表題作よりも、「トロッコの行方」の方がずしんと心にきた。犯人の気持ちわかるし、誰が悪いか、人次第。

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    2022年10月08日
  • 海のある奈良に死す

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    知り合いの作家が殺されるというショックがあり、火村を巻き込んで真相を探ろうとし、更なる事件に巻き込まれてゆく。再読した中でもあまりにも内容の記憶がなかったのは、あまり好みではなかったからかも。犯人の選択肢はあまりなかったので意外性はなかったけども、動機がわからないままだったのと、結局もっと要注意と思っていた女社長と、人魚の伝説と「海のある奈良」がばらばらな感じがしてしまった。朝井先生の失恋もさらっとしてしまって勿体ない気がする。 ここからコンビも事件も濃厚になってきて面白くなって、本当に良かったな。

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    2022年10月08日
  • ペルシャ猫の謎

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    国名シリーズ第五弾だそうだ。もはや私にはなん弾であろうと意味はなさない。
    短編7作品が読める。

    切り裂きジャックを待ちながら→舞台で使われるクリスマスツリーに劇団の看板女優が自体で吊るされる。相当大きなツリーだ。演目が切り裂きジャックの舞台、本作で娼婦を切り裂き内臓を取り出すのか?

    笑う月→月がカギとなる。私はこの作品の主観の女性と同じく、なぜか月には魅力を感じる。アリバイの攻防が面白い作品。

    暗号を撒く男→普通の会社員が自宅で刺殺される。その自宅の不自然な置物が複数あり謎が深まる。犯人探しよりなぜこんなところにこれが置いてあるのかが興味を駆り立てられた。確かに世の中は暗号に満ちている。

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    2022年10月03日
  • 乱鴉の島(新潮文庫)

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    アリスと火村が孤島に閉じ込められる。そこにいるのは高明な詩人と彼を慕うものたち。詩人を囲む懇親会というが、怪しすぎるー。小学生2人はかわいいけど、どうして連れてこられたのか…アリスたちは招かれざる客として島に留まることになる。そして、更なる客。やり手青年実業家は、懇親会参加者のひとりに、自分のクローンを依頼。この男、好きじゃないけど…と思ってたらやっぱり死体が出て、男は犯人扱いされるが、実は見つかった死体よりも先に殺されていた…。殺人が起こって謎を解く、というよりずっと謎が渦巻いてる。殺人よりも悲しい。

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    2022年10月02日
  • 絶叫城殺人事件

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    やるせない話が多かった。どれも事件そのものというよりも、結末が悲しすぎる。素直な子供が気がついたとき、どう思ってしまうのだろうか(黒鳥邸)。 壺中庵は犯人がバカすぎるし、月宮殿は、もういいじゃん、あいつらが罰せられればいいよって思った。雪花楼は、偶然の範囲について考えた。かわいそう、とは言えないかもしれないけども。紅雨荘は、とても悲しい。裏切ったことは悪いのかもしれないけども、それだけが縋るものだったっていうのが、少し同情。表題作はもう、事件がどうこうよりも、結末が悲しい。犯人も、最後の被害者も。

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    2022年10月02日
  • こうして誰もいなくなった

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    短編・中編集。アンソロに入っていたものも、初めてのものも楽しく読めた。 表題作は、クリスティがベースなのはわかったけど、やっぱり本物読みたいな。真相のところは、ちょっとサクッとしすぎていたかな、でも本物はそれもないらしいから、人気の要素を見つけたい。 未来人Fはやっぱり好きだった。本当に乱歩なのでは、思うくらい。 盗まれた恋文、と本と謎の日々、も好き。 異空間すぎてわからないのもあったけど、あとがきが好きだったし、文庫版の表紙がすごく素敵で大好き。

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    2022年10月01日
  • 狩人の悪夢

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    ベストセラー作家との対談で、彼の家に招かれたアリス。ホラー小説の材料はアシスタントの悪魔だったというが、本人は既に亡くなっていて、ちょうど彼の知り合いが家の片付けに来ていた。翌朝、その知り合いが死体で発見され、アリスは火村を呼ぶ。ふたりの距離感がいい。ベタつきはしないし、自分の生活を優先するけど、何かあったらすぐに駆けつけるし、絶対に信じてる。深追いしないアリスの節度も好き。 犯人は見当がついても、動機がわからないし、前の事件とかストーカーとこごちゃついて惑わされる。天国には悪夢がないといいなと思う。

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    2022年10月01日
  • 火村英生に捧げる犯罪

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    火村シリーズの短編集。 短編だと、ある程度犯人が直感ではわかるのどけど、トラックは全くわからないので、当たりをつけて、そこに向かって火村の話を聞いたり、アリスの珍推理を聞けるので楽しい。 うわ、これは短編でいいの?って入りが、実はおふざけ的なきっかけで解決したり、刑事たちもアリスはおまけって思っていて、でも好かれているのも面白い。 重厚な入りで、2人それぞれがピンチかと思ったら実は、みたいなのも2人のつながりあってこそ解決できたり。顔を合わせなくてもナイスコンビなのは、羨ましい関係。

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    2022年10月01日
  • 怪しい店

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    「古物の魔」「燈火堂の奇禍」 「ショーウィンドウを砕く」 「潮騒理髪店」 「怪しい店」
    それぞれに事件と、悲しかったりしょうもなかったりする動機が詰まっている。正直、被害者が悪いのでは?と思ってしまうこともある。 それでも、火村は加害者を許さないいし、追求の手も止めない。 最後の事件は特に、被害者に同情もできないし、かといって犯人が悪くないわけでもなく、ただ逃げようとする旦那も嫌で、モヤモヤしたまま終わった。 コマチさんが嫌ではないけど、なんか違うと思ってしまう。 5編共ちゃんとテイストが違ってよかった。

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    2022年10月01日
  • ブラジル蝶の謎

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    短編6作品
    ブラジル蝶の謎:被害者はサラ金社長の弟、社長は既に他界している。被害者は瀬戸内海の離島で社会と完全断絶していた。現場の豪邸は社長のコレクションの蝶が無数に貼り付けられていた。なぜ蝶なのか、なざ天井なのかの追求に火村と有栖が臨む。鮮やかな蝶の絵が思い浮かんでしまい方法や機会の推理を妨げられた。謎の解明はスマホ。最後に火村の言葉、人を殺したいと思ったことがあるから・・・

    妄想日記:自分が起こした交通事故でノイローゼになった被害者は地下室で暮らしていた。その被害者の屋敷で火だるまになって死亡した事件。動機と方法は推測がついたと思っていたがチョット違っていた。記号の日記は関係するのだろう

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    2022年09月28日
  • 英国庭園の謎

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    短編6作品。
    雨天決行:題名からすると雨の日の犯罪をどう暴いていくかといったところかと想像を巡らせ読み始める。まさか運動会や遠足ではあるまい。雨天の意味は全く違った。そうだ、有栖川有栖がいるのだった。

    竜胆紅一の疑惑:作家の名前を題名にしているあたり内容を推測しながら読んでしまう癖がある。竜胆という題名から、秋、青紫色の中に目立つ真紅、有名作家の推しといったイメージを持って読み進めた。紅一というと放火だろうか?しかし、予測は少しずつ外れていた。

    三つの日付:火村、有栖、刑事森下からアリバイ証言を求められた有栖、いつものように同席している火村、この3人が喫茶ナスカで会話していく。3年前の事を

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    2022年09月26日
  • 鍵の掛かった男

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    火村シリーズでも最長の長編。密室などのいわゆるミステリの代名詞という謎は出てこないが、自殺か他殺かわからない謎の人物を徐々に調べて明らかにしていく。鍵の掛かっているのは部屋ではなく人自身。新たなミステリの境地であった。

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    2022年09月14日