有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作に引き続き、犯人を当てるために検討する材料は決して多くない。そのわずかな材料から、とんでもない一点へと収束していく様はお見事なんだけど、若干納得感が薄い気も?
江神さんが真相に辿り着く終盤の演出は最高。カッコ良すぎ。映画のようだった。
実際にパズルが随所に現れる本作の、孤島パズルというタイトルも秀逸で、各章題にも毎回パズルと付けられていてなかなか洒落ている。
マリアとの海のシーンはドキドキさせられてしまった。こういった青春描写があるのも、学生アリスシリーズの魅力?
と、良いところ盛りだくさんなのだが。
ネットの情報を見る限り、学生アリスシリーズの本丸はどうやら次作らしい。
楽しみでしょう -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集……というか、短編+中編くらいの感じかな?
4作収録
以下抜粋して雑感
『あるYの悲劇』
とてもシンプルな「Y」というダイイングメッセージに解をつけて、それをちゃんと納得できるものにするのすごいなー
一方言葉の方のダイイングメッセージ「やまもと」、これについては検索してもそれらしいものが出てこないのだけど、本当に存在するのかしら?
「山崎 やまもと 読み方」あたりで調べてもいっこうに見つからないぞ!(笑
『スイス時計の謎』
作中やあとがきでも書かれているように、たったこれだけの条件で犯人当てが成立するなんて!という感動すら覚える
推理を知ったうえで思い返してみると「そりゃそうなるよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ宿に関する、ちょっと長めの短編4本。短編は物足りなく感じることが多いけど、今回はどれもそこそこ分量があり話がまとまってたのですごくよかった!
全部それぞれに趣向が違って面白かったのだけど、特に印象に残ったのは「ホテル・ラフレシア」かな。
自分の事業の失敗を妻に隠し、何も言わないまま心中しようとする夫はすごく愚かだったけど、結局は妻を残して一人で死んでしまう。
妻の視点だったらどっちが幸せだっかを考えてしまって、自分だったら前者の形で、何も知らず幸せなまま夫と一緒に死ねた方が良かったかも、と思った。
突然残された妻は、きっと火村とアリスから真相を聞かされるのかなとか、これからどんな思いで過ごして -
Posted by ブクログ
バラエティに富んだ短編集。
ファンタジー系や短編集は
サラッと読むことが多いけど
展開が気になるものは程よく引っ張られ
疾走感あるものはリズミカルで
どの物語も緩急がよく、楽しく読めた( ´∀`)
結末はあっさり?と感じることが多かったけど
答えがなかったり、続きを想像させられたり
するような終わり方よかった。
不思議な世界に入り込めたので楽しかった。
特に好きな物語は
タイトルの「こうして誰もいなくなった」もとても面白かったんだけど、意外にも
「線路の国のアリス」がお気に入り。
世界観と屁理屈、最高。
↓
この電車はどこに行くの?
ドコカへ行けるよ。
ドコカはあっち?
そっちもドコカだけ