有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お恥ずかしながら、有栖川有栖の怪談を読んだことがない。
もっぱらミステリーの側からばかり拝読していたので「探偵」というタイトルにとんでもない事件が起こる予感を抱いていたが、そういうお話ではなかった。
とても穏やかな話が多い、と思った。
それは残忍な殺人が行われるミステリーばかりを読んでいたからそう感じてしまうわけではなく、探偵が、とても穏やかなのだ。
私はこの探偵がとても好きだ。
ひとつずつの話が短くて読みやすいのもあり、サクサク進んであっという間に読んでしまった。
ミステリーもしくは怪談、あるいはその両方に苦手意識のある方でも読みやすいのではないだろうか。
続編も読むのが楽しみである。 -
Posted by ブクログ
旅行記のように様々な県の地名や歴史が詳しく書かれて、検索しながら読んでおりました。それだけで面白い&わくわくする。
いつもながらにトリックは何一つわからず。エピローグ、加えて我孫子さんの解説まで読むと、どれだけ練られた構想なんだと驚嘆する。終わり方は切ない気がしますが、全ての伏線が綺麗に回収され脳みそにグッとくる作品でした。
蛇足ですが、歴史や地名、行事、神仏のことなどが楽しく書かれたこういう本、この令和の世ではもっと読まれてほしいなぁと思いました。遠敷(絶対読めん)、須弥壇、お水取りエトセトラ。恥ずかしながら平成生まれも検索しながら読みました。そう言う意味でも脳みそにグッとくる。生き -
購入済み
最後は少し泣いてしまった…
犯人はだれだだれだと話しが進み、ようやく犯人が明かされたときは少しだけ泣いてしまいました。
被害者?側の話はダリだとか繭だとかで重いので、火村先生のアリスさんに対する愛ある毒舌が話を陽の方に傾けている気がします。 -
Posted by ブクログ
今年最後に誰の話を読もうかなぁなんて思っていたら自然と火村シリーズに手が伸びてしまった。
やっぱり私の中で火村とアリスのコンビが活躍するのを眺めるのは実家に戻ってきたかのような安心感があるみたい。
今回は「お店」に纏わるミステリー話。
少し前に「宿」に纏わる短編集があったから何か趣向が似てるなぁと思ったんですけど作者さんもそう思ってたみたいですね。
この中なら「潮騒理髪店」が一番好きだったなぁ……ほぼほぼ毎回何かしらの殺人事件を解決してばかりの火村にもこういう時があってもいいと思う。
思考ゲームみたいな話ではあるのだけど、私は火村の考えた結論が本当だったらいいなと思いましたね、たまにはこう -
Posted by ブクログ
最近は少し長編を読み続けていた感が自分の中であったので、久々に短編を読みたいなぁと本棚を見てたら自然と手が伸びました。
ほぼほぼミステリーしか読まない私ですが、やはり火村とアリスのコンビが漫才みたいな会話を繰り返しつつ事件を解決するのを見ているのが一番好きな時間かもしれません。
今回の4つの作品、全て「若さ」がモチーフになっていたんですね(作者さんもあとがきで言っていたので間違いないかと)。
それとは別に今回の事件は誰かの思い出も絡んでいたような気がするなぁ。
私はこの作品テレビドラマ版を先に観ているのもあって、原作だと火村の大学生時代の話はアリスが聞かせてもらうパターンだったんだ!?に一番 -
Posted by ブクログ
ネタバレ有栖川有栖が小説の題材として泊まったペンションの隣には通称「スウェーデン館」と呼ばれる建物があり、その持ち主である絵本作家と美人な妻、彼らの友人と知り合うが、そこで殺人事件が起きてしまう、という内容。
前半はその場にいるのが有栖川有栖だけなのでかなりもどかしい部分が多かったけど、有栖川有栖というキャラクターを考えるとあれくらいうだうだと考え込んでしまうのも納得、という感じ。後半で火村英生が来た途端の勢いが気持ちよく、一気に読んでしまった。
友人の言葉にすぐ駆けつけてくれる火村先生がいいですね……。殺人事件に巻き込まれた友人の「嫌な予感がする」をここまで信じてくれる人いないんじゃないかな。あと沼