有栖川有栖のレビュー一覧
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ネタバレ雪に閉ざされたペンションでの密室殺人となると、いかにも新本格モノが好きそうなテーマだが、 本作の場合はとにかく文体が飄々としているためか、あまり凄惨な事件だという気がしない。 そもそもこういったテーマが新本格モノでよく使われるのは、 雪に閉ざされてしまうクローズドサークルの中で次々と殺人が起こってしまうというモチーフがいかにも謎解きに向いているからだ。
ところが本書の場合は、主人公たちも含めて自由に外に出かけることが出来るので、まず緊迫感というものがほとんどない。何せ探偵役である火村からして、有栖川に呼ばれて福島県まで来るという設定なので、出入り云々は問題にすらならないのだ。
またこういった作品では連続殺人が起こるというのは一つの定石のようなものなのだが、本作の場合は被害者が実質的には1名(もう1名は未遂)ということで、どちらかというとテレビの2時間ドラマものっぽい雰囲気が溢れている。
ただし本作の場合は、謎解きについてはフェアかつ本格的なもので、そこに関しては流石に有栖川有栖というところだろう。「離れで人が殺されたが、足跡は残っておらず実質的な密室殺人だった」という古典的なテーマに対して、ちゃんと独創的な解を提示している。(ネタバレになってしまうが) 作者がちゃんと綿密にこの謎を計算しているのは、 登場人物の外見や特徴ということを考慮に入れると、犯人は論理的に一人に絞られるというところからも明らかだ。
同期となる部分に関してはやや弱いというか、もう少し違う書き方があったのではないかという気もするのだが、そこも含めて飄々としたミステリーであるという評価を得るものだとすれば、全体として統一感がある書き方であったと思う。 -
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江神シリーズあるいは学生アリスシリーズもしくはEMCの初めての短編集。
予定ではあと長編1冊と短編集1冊で終わるらしいこのシリーズ。
学生アリスたち読んでると火村とアリスの学生時代も気になってくるな。江神さんたちよりは平和な学生時代送ってそう。
「瑠璃荘事件」
アリス、江神さんと出会う。
私も高校生のときに『虚無への供物』読んだな。
学生らしいノート盗難事件。
「ハードロック・ラバーズ・オンリー」
登場人物みんな優しい掌編。
「やけた線路の上の死体」
有栖川有栖のデビュー短編。
振り子特急の出始めだったんだな。昭和末期という感じのトリック。
望月の実家にみんなでいく話。仲良し。
「桜川のオフィーリア」
EMC創設者の石黒が登場。
『女王国の城』にも係わってくる話。
わりとしんみりな内容。
「四分間では短すぎる」
みんなでアリスを励ます回。もしくは江神さんの握ったおにぎりを食べる回。
江神シリーズは事件のたびにみんなちゃんと傷ついてるのいいよね。あんまり本格ミステリで見ない。
「開かずの間の怪」
幽霊屋敷で一晩過ごす回。
お約束って感じでいい。学生時代を満喫してる感じもいい。
「二十世紀的誘拐」
教授の家から盗まれた絵画の話。
みんなで京都タワーに登る。
「除夜を歩く」
江神さんと年越しする話。
京都の大晦日の雰囲気がよい。
望月の書いたミステリを読むことになるとは。
江神さんの言うミステリのジレンマは色々読んでると思うことあるよね。
昭和生まれだけど、昭和最後の頃の空気は記憶にないが、元号当てに勤しむ推理研見てると水ダウ思いだしちゃう。改元となると毎回あるんだな。元号当て。
「蕩尽に関する一考察」
マリアが入部することになるきっかけの話。
部長が名探偵してる。
マリアとアリスは可愛いなあ。
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単行本未収録作品を集めた短編集だという事だが、古いものがある。
「海より深い川」と「砂男」がそれ。
どちらも、法令や社会情勢が変わったり、発表時期を逸するうち、他の作品にアイデアを流用してしまったもの。
そういう背景をお伝えした上で読んでいただくことにしたということ。
あとがきに作者も「『砂男』は、いかにも有栖川有栖が書きそうな話!」と書いているが、私もそう思う、満足な読後感でした。
【女か猫か】江神二郎シリーズ
有馬麻里亜(ありま まりあ)が持ち込んだ謎。友達のガールズバンド内の、一人の男性をめぐる、あれこれ。
【推理研vsパズル研】江神二郎シリーズ
アンソロジー『神様の罠』で既読。でもいまだに青い目と緑の目のパズルの説明がよく理解できない・・・
【ミステリ作家とその弟子】
・刑部慶之助(おさかべ けいのすけ)59歳、ベテラン作家。最近スランプ気味
・御堂清雅(みどう せいが)25歳。今時珍しい内弟子。1年前に、どうしても、と押しかけてきた。小遣いをもらう程度で、今まで刑部の妻・萌子がやっていた雑用も一手に引き受けた。萌子は楽になり、刑部も重宝しているが・・・
御伽噺の分析が面白かった。
【海より深い川】火村英生、作家アリス
大阪湾で発見された2体の死体を「海より深い川」という言葉が結びつける。
【砂男】火村英生、作家アリス
「砂男」という都市伝説が子供たちの間で広まっている。
眠ったきり目が覚めないというのは、子供心にもとても怖いに違いない。
【小さな謎、解きます】
樋間直人(ひま なおと)28歳。定職につかずブラブラしていたが、祖母が占いの館を引退するにあたり、後の借り手がつかなかったため、何でもいいから商売をしなさい、と物件を託したのだ。
直人はそこに『街角探偵社』を開く。お客が来ないので、「小さな謎、解きます。お気軽にご相談ください」と書き足した。 -
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学生アリスシリーズの第三弾。
あまりの分厚さに驚愕しました。
第一、第二と読み進めてからの第三弾だったので、なぜマリアが傷心なのかも、すんなり理解できました。
この第三弾だけでも読めるのだけど、特に第二の『孤島パズル』を読んでからの方が分かりやすいと思います。
とにかく、タイトルが秀逸と思ったこの内容。
今回は、一人称がアリスだけではなく、マリアと交互に訪れ、殺人事件もそうだし、まさに双頭でした。
名探偵江神先輩の論理的な推理と、アリス達ただのミステリー好きの凡人達が紆余曲折しながらも真実に近付く推理の違いが興味深いです。
そして、やはり最後は再び登場の江神先輩の名推理による鮮やかな幕引きは、全てが氷解する爽快さです。
マリアはね、単に個人的に好きなタイプでは無いので、最初はあまり共感出来なかったんだけど、最後にはやはり推理研を形作るピースの一つなんだなぁと、思うに至りました。
第一弾の『月光ゲーム』の時には、青春してる青臭いアリス達があまり好きではなかったけど、第三弾まで読んで、学生アリスには学生アリスなりの色と味が感じられるようになった気がします。 -
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初めての有栖川有栖さん〜♪
大阪出身だそうで、身近な地名がたくさん出てきて楽しかった〜♪私も四天王寺夕陽ヶ丘あたりに住みたい〜(そうですか)
ここ最近はミステリーはあんまり読んでいなくて、読んでいても叙述もの?なんや、文章で脳みそが騙される系のものばっかりだったので、短編やしちょっと物足りないな〜って最初は思ってたんですけど。そういうのに頼らずに物理(?)の謎解きがあるのが本格ミステリなんやな〜と思うと、短編でお話もおもしろくてそこに謎解き要素も入れるなんて本当にすごいなって。コナン見てるみたいやった。笑 コナン見てても解けへんし。笑
作中にちょいちょいある悪口がツボで。
「胃袋よりも少し下のところの欲望が渦巻く街、曽根崎」とか、仲の良い兄妹を見て「近親相姦してそうなくらいベタベタしてる」など、見つけるたびニヤりとしてしまいました。
あ〜おもしろかった!お風呂入ろ。