有栖川有栖のレビュー一覧
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前回まで読んでいた榎本シリーズがとにかく怖すぎたんで「これは久々に私の大好きな火村シリーズに癒してもらうしかないな!」と思って読み始めたんですけどビックリするくらいこっちも最後の方が怖くて「やっぱり人間が一番怖いんだ……」と思い知らされた。
そろそろ全部読み切ってしまいそうなんで少しずつ読んでる火村シリーズですが、今回の話は何と言うかちょっと火村シリーズっぽくない話でしたね。
勿論ある事件が起きて火村がその謎を追求していくっていう流れは変わらないんですけど、今回の話は「あるホテルで人が死んだ。自殺か他殺か分からないから結論を出して欲しい」みたいな依頼から始まるんですよね。普通探偵ものって殺 -
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ネタバレ臨床犯罪学者・火村英生 シリーズ
「若さ」をモチーフにした短編四篇
「若さ」に対して、いろいろな切り口があり、短編の軽さの中にも、火村の推理は被害者や犯人の人柄に迫っており、面白かった。
少年法への憤り。若さ故の軽率さ。切なさ。歳を取ることへの捉え方。それぞれの話でちょっと考えさせられました。
火村と有栖川有栖の距離感が程よく、二人の掛け合いが読んでいて楽しかったです。
『未熟な少年が殺人などの重大事件を起こすと、大人たちは驚いたり恐れたりしますけど、それもおかしな話ですね。成人して、より分別がついた人間が殺人を犯す方が驚きや恐怖の対象になるはずなのに』
『彼はまたもや「しょう -
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有栖川有栖の長篇ミステリ作品『ダリの繭』を読みました。
有栖川有栖の作品は昨年3月に読んだ『英国庭園の謎』以来ですね。
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幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人-サルバドール・ダリ。
宝飾デザインも手掛けた、この天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。
現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。
そして他にも多くの不可解な点が…。
事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なダイイングメッセージに挑む。
ミステリー界の旗手