有栖川有栖のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレドアと窓が粘着テープで目張りされたトレーラーハウス。その中に置かれたキャビネットの中に押し込まれた死体。
500頁超えの読み応えのある作品だが、肩肘張らずにスラスラと読める。やはり火村、有栖川のコンビは好きだな。
で、肝心の内容はというと、密室トリック自体は面白いは面白いが、長編一個を支えるには少し心許ない。だが次第に明らかになる、犯罪の思いもよらない全貌に驚愕。
解説にあるようにまさに”玉突き”のように犯罪が起こっていく――けれども、そこには法では裁けない”悪”もある。和やかな雰囲気の物語だが、しっかりと強弱があり、考えさせられることもある。
少し影は薄いが、「ジャック(jack,ジョン -
Posted by ブクログ
猫に深く関わっている物語もあれば、ほんの一部分にかませて描かれているものもありますが、どれも面白かった。
「世界を取り戻す」
最近猫を亡くした身としては、共感できる部分が多々ありました。日常生活の中で描かれる猫と登場人物の絡みが泣ける。。第1弾もあるのかな?ぜひ読んでみたい
「50万の猫と7センチ」
作者の実家でかっているリアル猫のお話。家族として迎え入れるまでの経緯やとある事件にハラハラドキドキしつつ、最後はハッピーエンドというオチがお気に入り。
「双胎の爪」
猫からこんな風に話が転がるものなんだな、と驚きました。悲しい話の中で追い打ちをかけるストーリーが逸脱。
-
Posted by ブクログ
猫小説アンソロジー。猫好き必読。もうどれを読んでも可愛い! 全部可愛い!
ミステリ好きとしては有栖川有栖「女か猫か」、長岡弘樹「双胎の爪」がお気に入りです。だいたいほんわかとした幸せなムードの物語が多い中、ざっくりと残酷さを突き付けられる「双胎の爪」はインパクトがありました。
描かれた猫の魅力に一番のめりこんでしまったのは阿部智里「50万の猫と7センチ」。はらはらどきどき、笑いあり涙ありの一作。だけどそのようにさまざまな感情に振り回される人間たちをよそ目に、猫ときたらもう……! このオチには脱力せざるを得ませんでした。だけど猫ってこういうものだよね。猫の魅力ってこういうところなんだよね……と猫 -
Posted by ブクログ
江神シリーズの短編。
アリスが英都大学に入学してからの一年間がとても色濃く描かれていた。こんなに謎に満ちた生活もなかなか大変そう。第一作の月光ゲームで相当な痛手を負っていたことに改めて心を締め付けられる。
アリスを励まそうとする先輩方の優しさが暖かい。江神さんのおにぎり食べたいなー
EMCのメンバーを今まで以上に身近に感じられて、それぞれへの造詣が深まった。
また月光ゲームから読み直そうと思う。
長編に絡めた設定も面白く、「女王国の城」の神倉が出てきたり、「ハードロック・ラバーズ・オンリー」で投げかけられた謎が「除夜を歩く」で回収される構成など、伏線好きのミステリファンにはたまらない。彼らの -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々の火村シリーズの長編
読み応えあっておもしろかったー!!!
短編集もおもしろいけどいつも物足りなかったんだなあ…。
東南アジアの雰囲気を感じられた。
昔行ったバリを想像しながら読んだ。
有栖川先生の作品はものすごく場所の雰囲気が描写で感じ取れる気がする。
けど、時間感覚が掴めないような気もする…
密室トリックが事件の肝なのかな?
トレーラーハウスなのもちゃんと理由があったんだね。
犯人や動機は結構こじつけというか、火村先生と有栖に都合いいというか、読者にはわからないんじゃないかなこれは…
でも特に犯人当てをしたいわけじゃないので、ものすごく楽しめた。
最後淳子さん登場で、色々切なくな -
Posted by ブクログ
有栖川有栖さんの短編集が文庫化。
聞き覚えのあるタイトルに素敵な装丁と読む前から期待はMAXです。
表題作『こうして誰もいなくなった』はミステリファンであればお馴染みのクリスティ名作を現代風に再解釈ということですが、やはり面白かったです。こちらは中編なので読み応えもありました。
他収録作品もバラエティに飛んでいてどれも味のある作品ばかりですが、個人的には以下2作品が特に面白かったです。
本と謎の日々
未来人F
いずれも作品は面白さはもちろんですが、とても読みやすく有栖川有栖さんの作品の良さをあらためて実感しました。
今年は未読だった火村英生シリーズも読んでみようと思います。