有栖川有栖のレビュー一覧
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購入済み
時代は古いですが面白く読めます
この本(上下2巻組み)は、表紙絵、登場人物紹介絵、挿絵があるバージョンです。絵が無くても構わないなら、同じ角川でも角川文庫のバージョンの方が、1巻完結なので安いです。
ちなみに、挿絵は上巻が7枚、下巻が8枚です。
また、コミカライズされている「シュルレアリスムの午後」ですが、漫画家さんご自身もコメントされているとおり、小説版ではアリスと火村先生の組み合わせではないので、「あの漫画の原作小説を読みたい」と思って読むとビックリするかもしれません。
内容は、書かれた時代が携帯電話が無い平成初期(読んでいると、むしろ昭和な感じすらします)なので、その辺りの違和感を無視できるなら、本格推理 -
購入済み
この絵柄の方が好きです
この本以外の作家アリスシリーズのコミカライズは、表紙と中身で描いた時期がかなり異なります。
個人的には、この漫画家さんの昔の絵は結構クセが強いと感じるので、他のコミカライズも買おうと思っていて絵にこだわりがある方は、表紙買いせず試し読みで当時の絵柄を確認した方が良いかなと思います。
小説のコミカライズは大抵色んな描写を端折っていて、この本もそうなのですが、アリスの一人称での描写をがんばって漫画で再現してくださっています。
漫画で初めて作家アリスシリーズに触れた方は、ぜひ原作の小説も読んでみてください。倍以上楽しめると思います。
英国庭園の謎…
大阪府警なので森下刑事が登場 -
購入済み
色んなパターンの話が入ってます
5作掲載。本格推理あり、火村先生のとある一日的な話もあり、犯人視点で進む話もあり。「店」縛りですが事件の内容や展開はバラエティー豊かで飽きません。
「古物の魔」と「怪しい店」はいつもの(という表現も変ですが)推理小説です。どちらも森下君頑張ってます。
前者は、防犯カメラに映った被害者らしき姿が、被害者本人だとするには不自然で、しかし犯人によるアリバイ工作のための偽装だとすると、その偽装により得をする容疑者がおらず、この映像は一体何なのか、という疑問が面白かったです。
また、推理からは外れますが、古物商による「ゴミとは、古物とは」の議論が興味深かったです。
後者は、自分は犯人 -
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「暗い宿」の姉妹版、と著者あとがきにもあり、まさにそんな雰囲気だった。
「暗い宿」との大きな違いに、警察関係が大阪府警しか出てこないところかな。野上さんファンなので兵庫県警が出てこないとさみしい笑
大阪府警をたっぷり楽しめる一冊。船曳班の面々も大好きなので、じっくり楽しめた。
ということで、大阪府警中心の感想。
「古物の魔」
森下さんの成長ぶりに想いを馳せた。捜査会議の描写といい、船曳班の雰囲気を読者に知らせてくれるような一編。
アリスの抜け駆け、珍しいけれどもなんとなく気持ちがわかった。こういう犯人に対して魅入られたようになってること、たまにあるよね。
「燈火堂の奇禍」
解説にもあった通 -
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ロジックも良かったし、アリスの推理小説論も面白かった。朱色とは夕日のことなのですが、冒頭の夕日の描写も印象的でした。
でも、それをすべて持って行ってしまったのが犯人の動機。人ってそんな感情になることがあるのか…
順を追って感想書いていきます。まずロジックについて。
この話は前半、後半に分けられそうですね。
准教授の火村が自身のゼミの学生から、過去の未解決事件の捜査を依頼されますが、その事件を本格的に追い始めるのは後半から。
前半は火村とアリスが謎の電話に呼び出され、マンションの一室を訪れると、そこに他殺体があります。そして、その部屋に直前までいた容疑者が現れるのですが、そ -
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ネタバレトリックは、全くさっぱり分からなかった。
最後まで隠されてるもうひとつの事件は、なくてもよかったような…
花火と銃声、過去の事件との関わり、城にいる人達の幼いときからのつながり。
犯人視点でその辺を掘り下げたら、もっとドロドロにも切ないかんじにもできそうだけど、あえてしないのだろうな、と思った。
モチさんと信長のもろもろとかもさらっと触れられる程度。もっと知りたい。
江神さんの呪いは解けたのか?それも深くは語られず。
そのかわり、唐突にアリスが性寂説を語る。
人はそもそも「寂しい」。
こういうのが青春っぽい。
アリスとマリアのバランスがいいな、と思う。
あとは、やっぱり作家シリーズではあまり -
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ネタバレ犯人当てゲーム“トロピカル・ミステリー・ナイト”に参加するため、南の島のリゾートホテルを訪れた臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖。ハイビスカスに彩られたロビー。人魚姫のようにさざめく女たち。抜けるように青い空と青い海。バカンス気分で、のんびり過ごしていた二人だったが、訳ありげな夫婦に出会って…(「ホテル・ラフレシア」)。廃業した民宿、冬の温泉旅館、都心の瀟洒な名門ホテルー。様々な“宿”で起こる難事件に火村&有栖川コンビが挑む。傑作ミステリ作品集。
どれもいいけど、「ホテルラフレシア」片桐さんとアリスが好き。読後感は悪いですが。「ホテルカルフォルニア」の歌詞ってそういう意味だったのか -
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ネタバレ“2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だったー。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。
ハードカバーの装丁がとても好きで、実家にあるはずと思っていたのに捨てられていて悲し