有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ店をテーマにした短編集。
普段の生活でも、毎日通る道なのにここは何をやってる店なのか?お客さん入るところ見たことないけど、気になる、という店がある。そもそも店なのかもわからないものも。出かけた先で、入りにくいけど雰囲気にとても惹かれる喫茶店や古書店がある。
本書は、誰にも経験があるそんな気持ちを思い出す。
特に古道具屋、古書店の話は空気の肌触りが伝わってくる気持ちで読んだ。
古書店と理容室の話は殺人ではなく日常的に潜む謎解き的ジャンル。火村シリーズでは初めて読んだ。
理容室の話は、旅先で波の音を聞きながら髭を剃ってもらうシーンが夢のように思い浮かべられた。とても綺麗な空気感のお話。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ宿をテーマにした4つの短編推理小説が収録されている。
火村シリーズは話の中で私であるアリスを通し、丁寧に状況説明がされている印象だったが、こちらの短編はどれも余韻を残す終わり方となっている。
場面展開がぎゅっと凝縮されているので、各話一気に読むことをお勧めする。話についていけるよう、真剣に読むので、物語に一気に入り込める。短編でもこんなに作品の世界観にひたれることができるのだと実感した。
暗い宿
田舎の静かな夜、真っ暗な部屋、静まりかえった部屋にかすかに聞こえて来る、土を掘るような音。情景がありありと浮かんで、ホラー小説を読んでいるのかと錯覚してしまう。自分が体験したかのように引き込まれた -
購入済み
とにかく良い
有栖川有栖先生の火村英生シリーズは面白い。また麻々原絵里依先生の絵がこのシリーズにはとっても会っていると思うのは私だけかな?
とにかく良いです -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生アリスの短編集。
アリスの大学入学から月光ゲームの事件を通し、マリアがEMCに入部して、後藤パズルの事件が始まる直前までの短編集。
「ハードロック・ラバーズ・オンリー」みたいなキレの良い短編も好きなんだけど、やっぱりシリーズの読者としては、「桜川のオフィーリア」や「四分間では短すぎる」みたいな、夏の事件で塞ぎこむ後輩への温かい先輩たちの心配りが見えるものにじんときてしまった。
EMC、ほんとに素敵。
「四分間では短すぎる」は、先輩3人が実に格好良くて、アリスじゃないけど「お見それしました」って感じに脱帽。すごく優しくて、これが一番好きかも。
「除夜を歩く」の中の「あまりにもいろいろなことが -
購入済み
本格派!
主要キャラがみんなキャラ立ちしているし、コミカルな語りなので読みやすい。この長さでもサクサク読める。
分かりやすくて現場も想像しやすい。
それにしても江神さんは会を追うごとに魅力的になっていくなぁ。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ島の見取り図もなく、連続しておらず、見立て殺人でもない、そんな孤島ミステリは新鮮でした。何十羽もの烏が飛び交うのがただひたすらに不気味でおどろおどろしい。招かれざる客である火村とアリスの居た堪れなさも加わってとても嫌な空気。海老原ファンクラブは敵意剥き出しで、本当に居心地が悪い。秘密を守るためなら人ってあんなに攻撃的になるのだなと。内容は面白かったし納得はしたのですが、理解はできないかな、そして気持ちは沈みました。聡明な子供たちが唯一の救い。殺人の動機や経緯などに関しては、ほほうとしか。
「火村先生のおっしゃるとおり。」
「有栖川先生のおっしゃるとおり」
ちょっと面白かったな。
その数ページ -
時代に慣れれば面白く読めます
昭和後期~平成初期らへんの時代感覚です。
携帯電話がありません。ワープロ、ラジカセ、自作のカセットテープ、店探しはタウンページ、買い物はテレフォン・ショッピング。
オフィスの自席で喫煙、40代の登場人物の父親が第二次世界大戦に出兵経験あり、など。
また、作家アリスシリーズの最近の作品を先に読んだ人は、この本の火村先生に違和感を抱くかもしれません。女嫌い設定が前面に出て、煙草のマナーもちょっと…、あと警部や容疑者に横柄というか、それにセリフの語尾もちょくちょく変です。
でも長編本格推理小説としてとても面白いので、もろもろの違和感に目を瞑ってガッと読んでほしいです。
大きく分けて