有栖川有栖のレビュー一覧

  • カナダ金貨の謎

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    ネタバレ

    分厚い長編『双頭の悪魔』(学生アリス・江神二郎シリーズ)を読んだ後での、短編集(火村シリーズ)。
    なんだかファンタジーと悲壮感漂う江神シリーズと比べるに、火村と作家アリスのこの本は、適度に俗世であり、大人である。
    次々と運ばれてくるフルコース料理のような長編に比べると、主菜副菜、野菜、箸休めなどがバランスよく詰められたお弁当のような本。
    メインの「カナダ金貨の謎」が、やはり、う〜んとうなる出来だった。
    工作しようとしたけど出来なかったとか、それは未遂だったけれど思いつきはよかったのに、とか、追い詰める側と追い詰められる側の描写が交互にあり、楽しめた。

    『船長が死んだ夜』
    近くで殺人事件があったから行ってみる?みたいな二人が・・・(苦笑)
    勘違いが元の殺人なのか否か

    『エア・キャット』
    偶然が重なった?いや、報いが来たのか。
    「三四郎」という単語、卵が先か鶏が先か。

    『カナダ金貨の謎』
    トリック未遂で崩される。
    このカナダ金貨は、もしかしてそういうアイテムなのか?というオカルト要素も残す。

    『あるトリックの蹉跌』
    アリスと火村の出会い。

    『トロッコの行方』
    「トロッコ問題」は聞いたことがあるような、無いような・・・
    究極の選択の一つである。
    自分的には、そもそもポイントの近くに居たく無い。
    いきなり横から違う回答をしてきた、的な結末が!!!
    でも、あるかもしれないですね。

    0
    2022年05月27日
  • 絶叫城殺人事件

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    6編の短編集。

    黒鳥亭殺人事件では、二人の大学時代の友人とその子供が登場。
    娘さんが可愛くて、アリスとの会話では癒された。
    だけど事件の真相には何とも残酷な現実が…
    彼らはあの後どうしたのか気になる。

    表題の絶叫城殺人事件も面白かった。
    ゲームをモチーフにした連続殺人事件はなかなか手がかりも少なくどうやって犯人を見つけ出すのかと思っていたら…
    あんなヒントとも言えない事実から犯人を見つけ出したのは驚き。
    ただ、あの結末には虚しい気持ちも。
    世間の評論家への皮肉がきいた終わり方だった。

    0
    2022年05月21日
  • 暗い宿

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    宿にまつわる4編の小説。
    それぞれに違う不気味さが漂ってくる。

    特にホテル・ラフレシアは後味悪くて…
    でもホテルのミステリーツアーに参加するアリスが結構有能に謎解きしてるのが可愛くて好き。
    201号室の厄災では火村先生の有能さがまた明らかに。
    何でもできる人なのに、高級ホテルで事件に巻き込まれるとか、全くついてないので可哀想。

    0
    2022年05月14日
  • 朱色の研究

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    初っ端から火村先生&アリスに挑戦状を叩きつけるような事件。
    そんな始まりのわりに事件は地味だなぁと思っていたら、思ってたよりも大胆な犯人だった。
    流石に過去の事件は解決するにも手がかりが…な状態から、突然の閃きと推理。
    最後はあっという間に全ての事件を解き明かしちゃう火村先生、流石でした!

    今回はアリスの推理小説に対する考え。
    それに『海のある奈良の死す』での火村先生が見る悪夢の内容を知ることが出来たので、ミステリだけでなくキャラクターへの興味も満たせて良かった。

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    2022年05月08日
  • こうして誰もいなくなった

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    帯の「物語を読む楽しみが全部ここにある!」のとおり、いろいろな味わいの作品が並び、贅沢な時間を過ごせた。
    楽しめたー!
    ラストの「こうして誰もいなくなった」。驚きはないけど、面白かった。

    0
    2022年05月05日
  • 海のある奈良に死す

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    ビデオテープという懐かしい単語が出てきて年代を感じたけれども、充分楽しめた!

    今回はアリスの同業者が殺されたということで、黙ってられずに首を突っ込んでいく。
    タイトルからして土地の蘊蓄があって色々な伝承が知れた。
    だけど海のある奈良、か…
    初っ端からこっそりとトリックを仕込まれていて、アリスたちと一緒に右往左往した。
    まさかこんな真相だったとは…
    また、彼らの関係にも衝撃だった。
    最後は何となく物悲しい余韻がある。

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    2022年05月04日
  • ペルシャ猫の謎

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     昨年5月にケーブルTVで録画した『臨床犯罪学者 火村英生の推理 another story』#1〜3の#1が『探偵、青の時代』で、#2&3が『切り裂きジャックを待ちながら』だった。原作を読んでから視ようと決めていたので、#1だけ視聴し、長らく録画を残しておいた。
     ようやく『切り裂きジャック〜』所収短編集を見つけたので真っ先に読む。そして視る。関西の小劇団の設定が、ドラマ版だと華やかで内実ドロドロな地下アイドルの話にされている。原作では抽象的な殺害動機も解りやすくなっている。その原作で、現場に火村が現れる場面はまさに「名探偵登場」。大向うから「火村屋!」と声がかかりそうだ。
     他の短編。『わらう月』、「(前略)うんと欠けた三日月なんて大好きだよ。あの真っ黒い部分はなくなってしまったんじゃなくて、地球の影が落ちているんだ(後略)」に引っかかった。月の満ち欠けと月蝕を混同している。月の影が地球だとすると、半月の時に地球は四角いのか。
     『暗号を撒く男』のトリックは解った。
     火村&アリスが出てこない『赤い帽子』は読み応えがあった。マンション住民のマナーを嘆く森下刑事の述懐に、以前どこかで接したように思うのだが、大阪府警の機関誌を読めるはずがない。森下を主役にすえたスピンオフが別にあるのだろうか。
     表題作のトリックは反則気味で面白かった。

    0
    2022年05月01日
  • 火村英生に捧げる犯罪

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    ネタバレ

    面白かった!本格ミステリのショートショートっていいね…!
    鸚鵡返し
    火村先生の語り口調可愛い、、

    あるいは四風荘殺人事件
    謎が好きだった

    火村不在のアリス可愛いし、
    アリス不在の時に警察に「あの人の推理が当たったことあったか?」って言われてるアリス可愛い、、
    それなのに優しくしてくれる警察たち優しい(笑)

    火村英夫に捧げる犯罪
    表題作だし、先生の名前入ってるし、どんな長編なんだ?!って思ってたら、
    中編だし、結局アリスが出てこないように火村先生に脅迫状を送ってたとか、、いいなぁ(笑)
    まさかのアリスが現場に行ったら一瞬で解決するという(笑)

    雷雨の庭
    犯人の早瀬さんが地味に好きかもしれない。
    飄々としてるところが。
    たしかに、最初のセリフが「凶器は見つかりましたか?」はあかん気がする

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    2022年04月30日
  • 狩人の悪夢

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    最後の犯人を前にした火村さんはまさしく狩人。動機設定がまさしくミステリー。知りたい本当のことは謎のまま。
    火村さんとアリスがいい塩梅でコンビのバランス最高でした。

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    2022年04月27日
  • 英国庭園の謎

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    長編で面白いものは数知れず。ミステリで短編となると難しのではないか。しかし有栖川有栖先生はやってくれる。短編どれもが面白く、しかも時間もそれほどかからずスラスラ読めてしまう。謎解きまで時間をかけるのもいいが、テンポよく謎が解けるのも心地よいもの。

    0
    2022年04月23日
  • 論理仕掛けの奇談 有栖川有栖解説集

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    有栖川氏の独断と偏見による(ちょっと言い方キツイけど悪く言ってるわけじゃないです)この本いいよ!
    な、ミステリのブックガイド。
    読みたい本が増えてしまったじゃないか、なんて事をしてくださったんだ!(笑)

    0
    2022年04月14日
  • 新装版 マジックミラー

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    ようやく有栖川有栖作品を読むことができました。

    ダイアローグが大きな鍵。
    物語の途中で何度か読み返して、
    読み終わった後にまたダイアローグへ戻ると
    さらに唸ってしまいます。

    登場人物である推理作家が行う「アリバイ講義」も
    面白かった!

    西村京太郎トラベルミステリーの
    サスペンスドラマが大好きだった私としては
    時刻表を使ったアリバイ崩しにも夢中になりました。

    0
    2022年04月13日
  • 海のある奈良に死す

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    地名がなかなか覚えられなかった。準不動に読んでいるけど、相変わらず面白かった。合間合間のクスっと笑わせてくらる二人の掛け合いのタイミングば抜群。最後まで、えー?!っていう推理で、楽しめた。

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    2022年03月31日
  • ベスト本格ミステリ2018

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    小説が10本、評論が1本のテンコ盛りだが、表題の「ベスト本格ミステリ」の名前にはややそぐわない感じだった.特に面白かったのは『透明人間は密室に潜む』だった.内藤謙介・彩子夫妻を軸に透明人間病の話が展開されるが、川路昌正教授が開発しようとしている非透明になれる薬を阻止する彩子の行動が楽しめた.

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    2022年03月28日
  • 朱色の研究

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    ネタバレ

    夕焼けを題材にしたストーリー。最新作もだけど、有栖川さんは夕焼け空が好きなのかな。
    今回は、作中でアリスがミステリーを書く意味だとか、火村のフィールドワークの理由なんかが描写されてて、派手さはないんだけど満足度の高い一作だった。

    この世には人間しかおらず、あの世は存在しないから、犯罪者は人間の手で裁かれるべきなんです。

    この辺りの台詞が特に好き。

    好きなひとがいるのに、他の女のひとの魅力に傾いてしまった自分が許せなくて他の女のひとを手にかけるって…動機の面は全く意味がわからなかったな…有栖川さんの作品は割と動機がよくわからない。たぶんこのひとの価値観が自分と違うんだろうな…

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    2022年03月27日
  • マレー鉄道の謎

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    ネタバレ

    ドアと窓が粘着テープで目張りされたトレーラーハウス。その中に置かれたキャビネットの中に押し込まれた死体。

    500頁超えの読み応えのある作品だが、肩肘張らずにスラスラと読める。やはり火村、有栖川のコンビは好きだな。
    で、肝心の内容はというと、密室トリック自体は面白いは面白いが、長編一個を支えるには少し心許ない。だが次第に明らかになる、犯罪の思いもよらない全貌に驚愕。
    解説にあるようにまさに”玉突き”のように犯罪が起こっていく――けれども、そこには法では裁けない”悪”もある。和やかな雰囲気の物語だが、しっかりと強弱があり、考えさせられることもある。

    少し影は薄いが、「ジャック(jack,ジョンの愛称)」と「ジョッキ(jack)」の聞き間違いも面白かった。

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    2022年03月22日
  • ダリの繭

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    徐々に明らかになっていく真相。探偵役の火村からではないところもあり斬新だった。ダリの繭というものを用いた犯罪もアイディアを感じた。

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    2022年03月19日
  • ペルシャ猫の謎

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    短編集。
    ちょっと風変わりな話もあったり、火村先生やアリスの登場しない話があったりと飽きない。

    『赤い帽子』では、主役が森下刑事で面白かった。
    今までにもちょくちょく登場していた刑事らしくない刑事。
    今回どうしてブランド物のスーツを着ているのかとかが知れてよかった。

    最後の小話では、火村先生の猫好きが描かれててほんわか和んだ。

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    2022年03月15日
  • 猫はわかっている

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    猫に深く関わっている物語もあれば、ほんの一部分にかませて描かれているものもありますが、どれも面白かった。

    「世界を取り戻す」
    最近猫を亡くした身としては、共感できる部分が多々ありました。日常生活の中で描かれる猫と登場人物の絡みが泣ける。。第1弾もあるのかな?ぜひ読んでみたい

    「50万の猫と7センチ」
    作者の実家でかっているリアル猫のお話。家族として迎え入れるまでの経緯やとある事件にハラハラドキドキしつつ、最後はハッピーエンドというオチがお気に入り。

    「双胎の爪」
    猫からこんな風に話が転がるものなんだな、と驚きました。悲しい話の中で追い打ちをかけるストーリーが逸脱。

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    2022年03月08日
  • 朱色の研究

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    ネタバレ

    派手さはないが、完成度が高い、とても有栖さんらしい作品。
    車の陰という小さな手がかりから犯人を導く手腕もさすがだが、どちらかというと動機に重点が置かれているのだろうか。
    想い続けている人がいる中で、他の女性を好きになってしまう。
    朱色に染まった、なんとも物悲しい物語だ。
    飛鳥部勝則さんの解説も面白かった。

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    2022年03月08日