紹介
ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る名探偵、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不可解だけれど目が離せない人……そんな人たちを通して、ミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激してくれる、ミステリファン垂涎、読まず嫌いの小説ファンには目からウロコのエッセイ集。
ホームズ、ルパン、エラリー、金田一耕助という直球もあれば、明智小五郎の妻・文代といった変化球も織り交ぜつつ、本格ミステリの古典とされる『グリーン家殺人事件』やジョン・ディクスン・カーの密室モノ、ハードボイルドではロス・マクドナルド、ミステリの日本三大奇書とされる『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』まで目配りをきかせた人選は、格好のミステリ国へのパスポートになっている。
本書の最大の魅力は、古今東西の名編に、「有栖川有栖」がどのような読書体験を得られたかという個人的な経験が色濃く反映されていること。当然そこには作家だからこそ影響を受けた人物造形やトリックといった"栄養分"も含まれており、著者のファンはもとよりミステリファンにはたまらないエピソードばかりである。エッセイ集とはいえ1話読み切りスタイルでは必ずしもなく、取り上げたそれぞれの作品と登場人物が相互に響き合う連関性を保ち、読み進めていくうちにいつの間にか読者は、作品や登場人物を離れた「ミステリ国」そのものの奥深さに引き込まれていくだろう。作家ならではの読みが冴える待望のミステリガイド!
Posted by ブクログ 2017年09月10日
全く、作品も探偵も作家も知らないのがあったのが収穫〜
(41)ロバート・ファン・ヒューリックのディー判事。なんと、唐代の判事で、中国の公案小説を、オランダの外交官が仕立て直したシリーズだそう。長編14冊と短編集2冊。最近すべてポケミスに入ったらしい。やったー。
ジーヴズシリーズを「ミステリではない」...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年09月26日
エッセイ仕立てになっているミステリ・ガイドブック。
日本経済新聞に連載されていた為に、ミステリファン以外の読者にも理解して貰える様な掘り下げ方になっていて、ミステリ好きの当方としては「そこまで説明するのか」という歯痒さもあったが、有栖川さんファンなので書かれた物は全部認めたい。亜愛一郎シリーズの隠れ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年07月30日
全部が分かる訳ではないが、ほとんどが昔読んだものばっかし。懐かしい~ そして、改めて読み直したくなった。切りがなさそう・・・
Posted by ブクログ 2017年07月20日
ミステリ小説の登場人物を取りあげたブックガイド。懐かしい作品、興味はありつつ手を出し損ねていた作品が挙げられていて、読みたい本がまた増える。