貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
症候群シリーズ第1弾。今回は、相次ぐ若者の失踪に関わる事件を探るというもの。徐々に真相に迫っていく感じがなかなか面白いが、事件解決への内容よりも失踪する意味合いのほうが強く印象に残る。何らかの柵(親であったり友人であったり、故郷であったりなど)から逃れたいという思いから誰にも告げず行方を晦ますということはあるのかもしれない。場合によっては顔を変えたり名前を変えてまで生きていこうとする。つまり、全くの別人として残りの人生を歩むということだ。確かにそういった物理的なものからは逃れられるかもしれないが、逃げるという選択をした自分自身の気持ちからは逃れられない。結局はそんな自分とどう向き合っていくのかということなのだろうか。
なんとも考えさせられる作品。 -
Posted by ブクログ
分厚い本なので読む前から気持ちが折れそうだったけど、読み始めたら信じられないくらいスルスル読めた。登場する刑事の数が多く、しかもメインどころとなる人物が多かったので、頭の中でそれぞれのイメージを掴んで整理するのに苦労はしたけど。
犯人はまったくもって意外だった。
動機にはもちろん納得できないが、トリックはなるほどと感心した。しかし注意深く読んだ人ならば、きっと途中で犯人に気づいたかもしれない。その匙加減が絶妙に巧いと思う。
西條という刑事のことは最後の最後まで好きになれなかった。
結婚したときの話、その後の家庭不和のこと、そして冷え切った家庭から逃げるために作った愛人、見どころがあると称して利用し続けた部下たち。
西條自身はそれらのことを自分が悪いと思っていて、だからこういう状況になっても自業自得だと受け入れているけど、それに巻き込まれた奥さんや愛人や後輩の刑事たちはたまったもんじゃないなと思う。
・・・と、こんなところが気になるのは、わたしが女ゆえだからだろうか。
とにかくとても面白い話だった。
こんなに長い話でありながら、中だるみもせず、余分な部分もなく、不可解で無理矢理なミスリードもなく、
ただただ真実へとたどり着くのを導かれているような、そんな小説でした。