あらすじ
“悪”を秘めた女は駆除する――。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?
男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
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文庫なのにかなりの厚みだが一気読み。
通報により最寄り交番の大崎が殺人事件の第一発見者になる。警視庁捜査一課9係のエリート、西條警部補とコンビを組むことに。
登場人物がなかなか多く誰だっけ?と思うがそれぞれの特徴を付け加えてあったので付いていけた。警察の内部事情が読みながら想像できるよう描かれ、大変さを改めて思う。
2006年から連載されたものらしいので、その後20年経った今はもっともっと大変だろうと思う。誰でもネットを使える社会になり、足だけで稼げる時代では無いし。ステキな西條がどんどん落ちていく様子は辛く悲しい。それより真実のほうが辛いかも。
小説を読んだ満足感が味わえるいい作品。続編がおるようなので早速読みたい。
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「慟哭」の衝撃的な読み応えが印象的な貫井徳郎ですが、本作も非常に読み応え抜群で、一気に読み終えました!
警察内の人間関係や心理模様が巧みに描写されており、映画を観ているような感覚で楽しめました。
これは「慟哭」とともに貫井徳郎を代表する一冊だと思います。
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面白かった。先に、宿命と~、の本を読んで、西條さんが優秀なのになんでクビになったのかしら?と思い真実の~を読み始めた。
家庭内不破で、浮気し、発覚→退職ね。
妻にも問題あるはあると思うが、結婚したんだから責任は同じ、しかも西條さんから口説いてる?よほどいい女だったのね。
今回の犯人は、警察官。ありがちな話だけど、面白かった。ミステリーだけでなく、途中のサスペンス要素も大事です!!
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面白かった。
犯人やトリックや動機等々全てはずれた。まさか、、
各章事に複数の刑事が主人公になるが、すべて性格も風体も年齢も違うのに私には全て同一人物に思えて頭の中で整理するのがむずかしかった。
だって全て嫌な奴なんだもん。
特に主人公最悪!
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*"悪"を秘めた女は駆除する――。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮 地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作*
個人的趣向としては山本周五郎受賞作はいつもアタリなのですが、今作も例に違わず、かなり面白くて一気読み。
各々の屈折した心境だけでなく、西條の不倫に至るやるせない心境の描写まで、緻密で複雑な人間の内部を表すのが本当に巧い。
欲を言えば、西條に対してはもう少し救いがあって欲しかったけど、続編があるようなので期待したい。
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評価は5.
内容(BOOKデーターベースより)
“悪”を秘めた女は駆除する―。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
長い・・・西條の煮え切らない態度にイライラ。出来る男なら最後までハードボイルドに決めて欲しかったが。
しかし、犯人はこいつだったのが・・・とんだ変態野郎だ!
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これはミステリーそのものより重厚な読み物として、大変面白かった。主人公のカリスマ性、それを起因とする物語の進行。人間活劇だね。久しぶりにお腹の大満足の小説でした。
しかし、救いはないね。。。
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刑事もののストーリーは、癖はあるが優秀な刑事が難事件を解決することが多いという印象があった。
が、
癖どころか非常に泥臭い日常の生活を背負った刑事たちばかりが出てくる
ミステリーとしても面白かったが、群像劇としても非常に面白かった
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かなりの長編ながら一気読み!
切れ者の西條刑事の生活が途中からどん底に落ちるのがびっくりした。
主人公の刑事がホームレスになるとは。。
薄気味悪い連続殺人事件だったけれど、ネットの書き込み等小細工がきいててなかなか面白かった。
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現代の人の繋がりの希薄さや倫理観の低下を描出し、西條の少しの掛け違いから生まれた状況が絡み合い、加速度的に読むスピードが上がってしまう。そんな本。
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これまでに読んだ貫井氏の作品の中で1番面白かったです。
若い女性ばかりを狙い、指を切断し、持ち帰るという連続殺人が発生。
捜査にあたる警視庁捜査一課の「名探偵」西條は、その優秀さと、コミュニケーション力の欠如さ、外見の良さから、やや孤立した存在だった。
殺人が重ねられる度、大きくなる捜査本部を嘲笑うかのような犯人の行動。
そして同時に西條に対する個人的な嫌がらせが始まり-。
単なる推理小説ではなく、様々な警察官の心情、人生が描かれており、罪に問われる事ではないが他人に話すのは憚られる、嫉妬、嫌悪。
正義感が強い故に同時に生まれる罪悪感、自責の念。
肩書きを奪われて初めて知る、己の弱さ。
そういった心理を巧みに組み込みながら、読み手に推理を楽しませる技巧が際立つ一冊。
西條が自身の不倫を「ふたりで分かち合う罪。決して誰にも言えない、だが胸を張って誰彼ともなく自慢したい震え」と表現していたのが、個人的には心に残りました。
2014年40冊目。
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二回目のワクチンの副反応にやられながらも、ただ横になっているのも落ち着かない。
あれやこれや考えて眠れないので、分厚いこの本を読んで過ごすことにした。
若い女性ばかりを狙い、殺害後に人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。
捜査一課のエース西條は、遺体の第一発見者となった交番勤務の若い警官大崎と事件を追うことになる。
男同士の腹の探りあい、何度も振り出しに戻る捜査、そのうちにまた新たな被害者が出た。
鼻につくタイプの西條に恨みを持つ人間は沢山いたとしても、あまりに理不尽なやり方で失脚させる綿引。刑事ものは結構読むが、多忙過ぎて家庭を省みず最悪な夫婦仲になっているパターンの内容が多過ぎると思う。
が、実際に知り合いの刑事はバツイチだからあながち間違いではないらしい。
本をベッドから落としたまま眠ってしまったり、腕の痛みで読み進めるのに時間がかかってしまった。
西條のその後が気になっていたが続編もあるらしいので、読んでみたい。
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連続女性殺人事件に挑む刑事、西條。周辺に起こる出来事に捜査本部を追われ、ついには辞職する。ミステリー好きな読者であれば、犯人は早い段階からわかるものの、トリックや謎解きの面白さはあった。全体的に良く考えて構成された作品であり、貫井徳郎で読んだ本の中では一番面白かった。最後まで浮かばれない主人公に同情。679ページの大作。
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刑事たちの執念と嫉妬の物語。
若い女性ばかりを狙った連続殺人事件を担当する刑事たち。
被害者は惨殺された上に指を切り取られていた。
最初に出動となった捜査一課九係。
不倫を隠す合理主義・西條、頭脳派・三井、世渡り上手・村越や、所轄新人制服警官・大崎など、様々な想いや背景を抱えながらホシを追う。
ある者は警察を去り、ある者は苦難を背負い、それぞれが事件の真相へ近づくが、意外な結末に。
悲惨な事件は解決に向かうのか?
なんとなく犯人が分かってしまったところが-1ですね。
でも細やかな人物描写は好きです。
続編みたいなのがあるので読んでみます。
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連続殺人犯を追う警視庁捜査一課の群像劇。
巧妙な伏線や、複雑な人間模様、登場人物たちの描き分け、たっぷりのボリュームで読み応えもあって、やっぱり貫井さんの警察小説はオモロい。
主人公西條がクールでカッコ良いなぁ、後半とあることをきっかけに低迷没落していくのだが、その落ちっぷりもカッコ良い。目的のためなら人に嫌われようが気にしない男という設定については、読んでいる限り、そうそう嫌われるタイプでもないように思う。部下や後輩をむやみに使うことやショバを超えて捜査の手を伸ばすところが嫌われる要素っぽいが、むしろ上層部や政治家に媚びたり、情報をリークしたり、そういうヤツらこそ、嫌われると思うのだが?
エルロイLA3部作っぽく、個性豊かな警察官それぞれの活躍が綿密に描写されているのもいい。正義一辺倒でもなく汚い手で仕事をするやつもいるが、基本的には「犯罪をゆるさない」という底辺が一致しているところもよい。西條を突出させずに、もっと主人公を乱立させた群像劇っぽさを際立てても面白かったかも。
「64」他名だたる警察小説の傑作に比べたら、荒っぽさはあるものの。十分読み応えのある小説だった。
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文庫本689ページの分厚さがそのまま
犯人検挙までの途方もない困難さを表しているようでした。
ページを進むたびに、少しずつ少しずつ
犯人に近づいていると感じるスリル。
読み進めるうちに頭に描いた犯人像は
遂に逮捕された犯人とほぼ同じ・・・
それなのに最後まで犯人がわからなかった私が感じたのは
まんまとしてやられたにも関わらず満足感でした。
読んだ直後にもう一度最初から読み直したくなる
最上級の警察小説です。
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社会を震撼させる、連蔵殺人事件。ネットでの殺人予告、実況を大胆不敵にも行う謎の犯人”指収集家”。若い女性を襲い、死体から人差し指を切り取る殺人鬼。 殺された女性の共通が、犯人へたどり着く唯一の鍵。捜査一課のエース西條と挑発する犯人の熾烈な攻防は驚愕の結末へ。。息詰まる上質のサスペンスと圧倒的な密度でヒューマンドラマを内面からえぐる筆致。さすがの周五郎作品ですよー。
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本当に仕事ができる人は周りのことは気にしない、その通り。
感情という代物は人を傷つけるガラスの破片のようなもの。
人間はあらゆる面で自分より優れた者と出会った時、どのように感じるものなのだろうか。
敗北感に打ちのめされるのか、純粋に格の違いを認めて白旗を揚げるのか、相手を己の理想とし、近づくために努力を重ねていくのか。それとも、、、醜い嫉妬か。
インターネットの普及にて検挙率激減
西條の言葉『損得なんて考えた事はないんだよ』
自分の仕事以外にも口を出し、言われた方は不愉快になり嫌われるかもしれないのに。
役職を自分の力と勘違いするものがいる?
人が生きていくのに大事なのは知識でも、地位でもない。それができないといつか全てを失う。逆にそれさえできていれば、どんなに窮地に立っても手を差し伸べてくれる人がいる。
『天網恢々疎にして漏らさず』
大勢の人の中に紛れていれば、自分が抱える空虚から目を逸らしていられるように思える。
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久しぶりに約700ページ読破。
始まりもっと簡潔に!面白くない。中盤から興味津々。
後半は止まらなくなる!途中、何となく犯人がわかるが、それより西条が気になってしょうがない。読破して後日談はないけど西条のこれからの思い理解できる。
上ズラだけで人を判断してはしっぺ返しを食らいます。
私は常にそんな事を考えて…あっ!!笑
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猟奇的連続殺人事件がテーマの推理小説かと思っていたら、警視庁9係の刑事が次々と登場。
刑事の性格付けが丁寧に描かれており、警察小説の趣き。
やがて、その中の一人の刑事が主役となり、不倫や夫婦問題の果て、過酷な運命の変転をたどり、男の転落を描いた人間ドラマの様相に。
一筋縄ではいかない話の展開に、文庫本679頁もたちまち読み終え、小説の楽しみを堪能した。
解説に「本格ミステリと人間ドラマの融合」と書かれてあるが、言いえて妙である。
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2010年第23回山本周五郎賞
若い女性を襲う連続殺人事件
警視庁捜査一課のエース西條も捜査に加わる
彼は事件解決を最優先するあまり
警察組織から 排除されていく
ミステリーとは知らず
警察小説とも知らず
貫井さん初読み
事件は4件、そして元エースも狙われる
ラストまで読むと 事件の構成は巧いなと思わせるのだけど、犯人は、早い段階で察しがつく
それに気づいた上で楽しめば良いのかと思う
ミステリー部分も楽しめるのですが
700ページほどの長編
今野さんなら350ページくらいで解決しそう
組織の中の男同士の嫉妬
ここがかなりの部分を占めます
ナイルパーチの女子会で女子同士の怖さを読みましたけど 男子もなかなか
大人ぶって表面を適当にいなしている分
嫉妬も奥底に澱んでる
大人の男子もそうですか、と多少安心しました
エースから無職への転落
まさか、その当日から奥さんと別れ
ホームレスは無理があるかしら
まあその経験から 過去の自分の言動を
振り返ったりするので必要なのでしょう
続編もあるらしいので、このどん底からの
物語があるのではと 想像しております
Posted by ブクログ
犯人逮捕を掲げ、ひとつにならねばならない警察組織であるのに、それぞれの思惑、嫉妬、焦り、等々が絡み合い、決して一筋縄ではいかない…。そして、中盤から話が動き出す。
登場人物、特に妻の秋穂や美叡の描写は男性目線で描かれている女性像だな、と感じた。
Posted by ブクログ
700ページ近い大部。
でもグイグイ惹かれて一気に読んで寝不足。
最後の方は、ここまで引っ張ってどんな結末を用意しているのだろうか?と。つくづく自分の敵は己だという事や、人間は欲望とインセンティブの奴隷だという事を認識させられる物語だった。
作品紹介・あらすじ
"悪"を秘めた女は駆除する-。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作。
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分厚い本なので読む前から気持ちが折れそうだったけど、読み始めたら信じられないくらいスルスル読めた。登場する刑事の数が多く、しかもメインどころとなる人物が多かったので、頭の中でそれぞれのイメージを掴んで整理するのに苦労はしたけど。
犯人はまったくもって意外だった。
動機にはもちろん納得できないが、トリックはなるほどと感心した。しかし注意深く読んだ人ならば、きっと途中で犯人に気づいたかもしれない。その匙加減が絶妙に巧いと思う。
西條という刑事のことは最後の最後まで好きになれなかった。
結婚したときの話、その後の家庭不和のこと、そして冷え切った家庭から逃げるために作った愛人、見どころがあると称して利用し続けた部下たち。
西條自身はそれらのことを自分が悪いと思っていて、だからこういう状況になっても自業自得だと受け入れているけど、それに巻き込まれた奥さんや愛人や後輩の刑事たちはたまったもんじゃないなと思う。
・・・と、こんなところが気になるのは、わたしが女ゆえだからだろうか。
とにかくとても面白い話だった。
こんなに長い話でありながら、中だるみもせず、余分な部分もなく、不可解で無理矢理なミスリードもなく、
ただただ真実へとたどり着くのを導かれているような、そんな小説でした。
Posted by ブクログ
面白かったです。一気呑み。もとい一気読み。
個性豊かな登場人物達に、視点を移しながらの展開は、「カツオの一本釣り」のカツオのごとくグイグイ引っ張られた。
まるで四コマ漫画を読むようなスピードで、ページを捲る手が止まりませんでした。
相変わらずの重い読後感。「キツイな~」とゆうつぶやきを、焼酎で流し込みつつ、貫井ワールドにひたるのでした。
Posted by ブクログ
“悪”を秘めた女は駆除するー。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。