貫井徳郎のレビュー一覧

  • 誘拐症候群 <新装版>

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    症候群シリーズ二作目。

    非現実的な設定ながらも、当時の世相を反映させた、社会派ミステリ的な内容を巧みに融合させることで、エンターテインメント性をを高める手法が見事だと思います。

    今でこそ、インターネットを利用した犯罪は、枚挙にいとまがありませんが、その黎明期における利用者の心境など、リアリティを演出する着眼点の鋭さを感じさせる作品でした。

    シリーズ最終作である、『殺人症候群』」も楽しみです。

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    2024年12月31日
  • 悪の芽

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    ネタバレ

    幼少期から勉強も出来、人生“勝ち組”街道のエリート銀行員・安達周(41)。ある日、ニュースで見た無差別大量殺傷事件の犯人が、小学生時代の同級生と知る。それもただの同級生ではなく、安達が何気なく口にした一言からいじめられることになったあの同級生だったのだ。世間を震撼させるほどの大事件を引き起こした犯人の悪の芽は、あの時安達が作り出したのか…?

    子供の頃のいじめって本当に残酷。集団対1人の構図が一度でも出来ちゃうと、なかなか元通りの関係には戻れない。
    だからっていじめられた方が無差別テロを起こしていいはずはないけど、いじめた側に何のお咎めもなく後の人生“勝ち組”街道っていうのがめちゃくちゃ後味悪

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    2024年11月11日
  • 崩れる 結婚にまつわる八つの風景

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    短編集である。
    ただどの作品も不思議な錯覚を起こしたり妄想を掻き立てるような展開が散りばめられている。
    日常的にあるようなシチュエーションは恐怖を感じる部分もありドンドンと引き込まれた。

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    2024年11月08日
  • 邯鄲の島遥かなり(中)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上中下巻の中。昭和の初めから昭和20年の終戦まで。前回同様今回も一ノ屋の血をひく者たちの物語。男子普通選挙や戦争などの日本全体に関わる事や、一橋家の隠し子問題や「千里眼」を語る親子の話。この物語は一体どこへ向かっているのか?正直な感想としては、著者のファンでないとなかなか読み進める事は難しいのでは?と感じてしまう。次巻は3部作の最後としてどういう結末を迎えるのか気になるので、次巻も当然読むつもり。

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    2024年11月05日
  • 宿命と真実の炎

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    連続事件が起きる→男女刑事コンビが追う→手がかりが見つかり始める→動機の解明、犯人が捕まる という良くあるミステリものなんだけど関係者だと思ったら人違いで行き詰まったり犯人の過去が明かされたり、読者の意表を突く「真相」が最後の最後まで何回か出て来て面白かった。この長さで人物もたくさん出てくるけど混乱せずにひと息にススッと読めるのはさすが。

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    2024年10月22日
  • 龍の墓

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    初めのうちは、ヴァーチャル内の殺人事件と現実の殺人事件がリンクしていて「どうなるの?」とわくわく感があったが、最後はうーんて感じ。ヴァーチャル設定必要だったかなって少し思ってしまった。
    でもヴァーチャルの世界と現実の世界、2つの世界が楽しめたかな~

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    2024年10月08日
  • サイドストーリーズ

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    鯨と煙の冒険(『百瀬、こっちを向いて』番外編/中田栄一)
    一服広場の謎(『防犯探偵・榎本径』シリーズ番外編/貴志祐介)
    皇帝の宿(『校閲ガール』番外編/宮木あや子)
    街で立ち止まる時(『ススキノ探偵』シリーズ番外編/東直己)
    同窓会(『君たちに明日はない』シリーズ番外編/垣根涼介)
    心の距離なんて実際の距離にくらべれば、(『遠くでずっとそばにいる』番外編/狗飼恭子)
    平和と希望と(『さよならドビュッシー』番外編/中山七里)
    ゴロさんのテラス(『春を背負って』番外編/笹本稜平)
    雁首仲間(『天地明察』番外編/冲方丁)
    落としの玲子(『姫川玲子』シリーズ番外編/誉田哲也)
    オレンジの水面(『北天の

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    2024年10月06日
  • 後悔と真実の色

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    2010年第23回山本周五郎賞

    若い女性を襲う連続殺人事件
    警視庁捜査一課のエース西條も捜査に加わる
    彼は事件解決を最優先するあまり
    警察組織から 排除されていく

    ミステリーとは知らず
    警察小説とも知らず
    貫井さん初読み

    事件は4件、そして元エースも狙われる
    ラストまで読むと 事件の構成は巧いなと思わせるのだけど、犯人は、早い段階で察しがつく
    それに気づいた上で楽しめば良いのかと思う

    ミステリー部分も楽しめるのですが
    700ページほどの長編
    今野さんなら350ページくらいで解決しそう
    組織の中の男同士の嫉妬
    ここがかなりの部分を占めます
    ナイルパーチの女子会で女子同士の怖さを読みました

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    2024年10月04日
  • ひとつの祖国

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    戦争後にドイツのように2つの国に分かれた後に統一されるも経済格差や諸問題を抱えた架空の日本を舞台にしながらも現代の現実とリンクしたような描写もあり、ミステリではなく社会派ディストピア小説とでも言おうか

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    2024年10月03日
  • 微笑む人

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    ネタバレ

    YouTubeで紹介があって知った本です。
    「本を置く場所に困って妻子を殺めた」という信じがたい?殺人。それが冒頭にきます。本人も逮捕されている。みんな半信半疑ながら、逮捕されている。本を置く場所に困って妻子を殺したことを認めている。この話、まだ先長そうなのにどう進むんだろう、と思っていたら…


    軽くネタバレします




    第二の死体が上がります。



    それでどんどん話が進んでいくわけです。
    犯人とされる人間は、穏やかな人格者。思わず、この人が犯人でなければいいのにと思ってしまいました。それに話につりこまれる。面白い。
    犯人、仁藤のことを本にしようと意気込む小説家は、いろんな人に話を聞いて

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    2024年09月30日
  • ひとつの祖国

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    ネタバレ

    東日本・西日本が分裂→統合した世界の話。
    お話としては、前半のドキドキ感、すごい物語を読めそうな気がする感が大きかった分、後半やや失速したか?という感じ。

    一方で、小説の中の富裕層に富が偏っている状況はちょっと先の未来の日本の話にもみえて、他人事とは思えなかった。
    暴動が起こっていく国民の熱量、それが特に大きな成果もあげずスッと終わっていく感じなどとてもリアル。
    闘争心をなくせばテロも起きずみんな幸せだから強制的になくさせようのMASAKADO vs 闘争心なくて本当にいいの?それが人を人たらしめているものなのでは?の一条、って感じだけど、本当にどっちなんだろう。
    個人的には、闘争心は人とい

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    2024年09月22日
  • 乱反射

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    読むのに時間がかかった
    ページ数も多さと登場人物が多さと
    なにより複数人称で物語が進むので、自分が今誰なのか考えねばならず、疲れる本だった。
    で、
    誰も救われず、嬉しい結幕もなく、やるせない。

    唯一、読み応えはあった。

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    2024年09月18日
  • ドミノ倒し

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     ありゃー、これは何回直木賞にノミネートされても受賞ならずの貫井さんが、奥田さんの「インザプール」の二番煎じを狙ってゆるキャラで攻めようとしたとしか思えない作品ですね。
     しかし、登場人物に伊良部ほどの強烈さはなく、そこかしこに今ではセクハラと疑われかねない言動がちりばめられ、おまけに事件は全く進展せず、ただタイトルのドミノ倒しだけを願って読者を惹きつけるというなんともえげつない駄作に成りはてましたね。一応読み切れたので☆3つつけたけど、2・5あたりですかね。

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    2024年09月17日
  • 龍の墓

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    VR世界、今後本当にこんな未来が来そうだなー。
    思いのほかあっさり終わった感はあるけど、サクサク読めて面白かった。
    もうちょい瀧川の過去の話とリンクするのかなとか思ったけど、今後続編とか出るのかな?南条のキャラも気になるし。

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    2024年09月10日
  • 龍の墓

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    VRゲームの中の事件と現実の事件がリンクするという話。ミステリそのものは面白かったです。最後の方は少しうまく行きすぎた感が否めない。トントンすぎた。でも最後まで一気読みできたくらいテンポよく楽しめました

    いくつか謎な設定が。
    VR主流の筋を通すためにスマホも廃れた時代=近未来?設定。でもこの二点以外はめちゃ現代と変わらない。
    南条の最後の年齢バレ、なんか意味あったのかな?このキャラが他の作品にも出てるとかあるのかな?
    と、なくても良かったんじゃないかな、っていう設定が残念

    2024.8.30
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    2024年08月29日
  • ひとつの祖国

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    うむむむむ。色々考えるきっかけにはなったし、敗戦をきっかけに東西が分かれ、その後統一という設定はなかなかユニークで面白かった。しかも、大阪が実質的な首都になっている(=実質の東京)のが関西人としてはおもしろかったけど、主人公が意図的にテロリストにされ、整形して逃げ回ったのち、最終結末も意外性がなく、うーーんという感じ…関西出身→上京→Uターンで関西にという身の上のわたしとしては、関西弁・標準語を使い分けることは容易だが、それでステータスが決まるのも現実的に考えられやすいもので、生粋の関西人である両親と祖父母に関西弁で喋り!と毎日言われる身としてはかなーりタイムリーな話題で面白かった気もする。

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    2024年07月29日
  • ひとつの祖国

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    2人の幼馴染の視点で物語が進む緊張感ある展開。後半に嫌な予感がしたが的中。真相有耶無耶&海外逃亡の尻切れトンボ。こんなに厚い本なんだから結末書き切ってほしかった。続編あり?

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    2024年07月14日
  • 龍の墓

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    ネタバレ

    警察小説とVRゲームの組み合わせは新鮮でおもしろかったです。VRでなくとも最近のオープンワールド系RPGをやってると、リアルにイメージできて楽しめました。後半にもう一つ二つ、捻りが欲しかったかもなーと思いました。

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    2024年06月26日
  • 天使の屍

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    親目線で読んでて苦しいものがあった
    真相に迫ってくうちに知りたい気持ちとわからないままで良いと思う気持ちで揺らいだ

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    2024年06月26日
  • 微笑む人

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    ネタバレ

    取材によって、新しい事実が浮かび上がるたびに、深まる疑惑。
    主人公と同じ目線で、「真相に近づいているぞ!」という手応えと、もっと情報をと思う欲を感じてしまった。

    それだけに、残りページが少ないことに気づいたとき、まさか…これで終わりなの!?と思わずにはいられない。
    やっぱり、最後はスッキリしたかったなぁというのが本音だけれど
    それこそ、カスミの言っていることそのまんまなんじゃ無いかなとも思う。

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    2024年06月15日