貫井徳郎のレビュー一覧
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家庭崩壊、不倫、DV、育児ノイローゼなどなど、結婚と現代社会の闇をビッカビカに描き上げたミステリ(イヤミス?)短編集!
貫井徳郎さんは長編しか読んだことなくて、なっっっっがいストーリーのハラハラ感とか会話のテンポの面白さとかがほんとに魅力的で~( ˇωˇ )とか勝手に思ってたら短編集も鬼ほど面白かったです!本当に描写が丁寧で濃密でそれが短いから余計ギュッとされてて…みたいな。
最後に作者本人が「蛇足とは思うものの…」とか言って全編を解説してくれているという豪華さなのですが、内容に関してというか「こんな過程で書きました!短編の書き方掴んだ!」「これ発表当時はストーカーなんて言葉一般的じゃなくて… -
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綾辻行人、有栖川有栖、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、東川篤哉『自薦 THE どんでん返し』双葉文庫。
6人の作家による6編収録のミステリー・アンソロジー。このアンソロジーが刊行された時に6人の作家のうち貫井徳郎以外の5人は余り読まない作家だったので、敢えて購入しなかったということを覚えている。古本屋の100円本ならと手に取ってみた。
綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎の短編がまあまあ面白かった。
綾辻行人『再生』。ホラー短編。微かに記憶があると思ったら『眼球綺譚』に収録されていた1編。首の無い状態で揺り椅子に座る若い女性を目の前にして、ひたすらあることが起きるのを待ち続ける主人公。そうい -
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貫井氏、29歳の刊行。裏表紙の写真が若さを感じる。
だが、内容充実、その後次々とだされた長編の力に通じる何かを感じさせる。
8つの短編が納められ、見出しが面白い。
日本語の「その意」から醸し出されるニュアンスをじわ~っと予測させ・・起きる起きる何かの恐怖感すら。
イヤミスというのだろうか、ホラー?サスペンス?その何れにも合っているようで 読み進むにつれ、苦しくなっていき最後の4作辺りは 作業合間に読み切った。
テーマは「結婚」・・男の目、女の目を通すとかくも不可思議なテイストを醸し出すのか!?
最後に炸裂したモノ、修羅になったモノ・・以外にもハッピー気分に向かって・・実はその後G更に怖い感 -
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ネタバレ真相はわからずに終わる、という前情報を得てから読み始めていたので、最後に解決しないということに対するモヤモヤは少なかった。ひとつの事件について4人の関係者それぞれの目線での推理が語られるという形式。学生時代に授業で読んだ『藪の中』を思い出した。
生徒、同僚、元恋人、不倫相手のそれぞれから語られる美津子という人物。まるでプリズムのように全く違った一面をそれぞれの章で読者は見せつけられていく。
今世SNS等で無数の人々がそれぞれの意見を発信できる世の中で、ただその内容を盲信してはならず、真実は己の目で見極めていくことが必要である。そのような事も考えさせられた。 -
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地方都市で探偵業を営む男が、あるひとつの事件をきっかけに次々と新たな事件に関わっていき、友人の警察署長と一緒に真相を探っていく話。
私の思っていた貫井徳郎の小説のシリアスで真面目な感じが一変される、終始ふざけた語り口にいまいち入り込めず。あまり面白くもないギャグ調はかえって邪魔になるのでは、普通の方が読みやすい。
ドミノ倒しのように次から次へと事件が出てきて「え?これどうなるの?」と思ったら、まさかのラスト。伏線や登場人物もなるほど!見事に回収。
沙英との過去、必要?とか面白くないギャグ調はかなり気になりつつも話としては面白い。ラストは…これどうなるんだろう?署長はどこ行っちゃった? -
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700ページ近い大部。
でもグイグイ惹かれて一気に読んで寝不足。
最後の方は、ここまで引っ張ってどんな結末を用意しているのだろうか?と。つくづく自分の敵は己だという事や、人間は欲望とインセンティブの奴隷だという事を認識させられる物語だった。
作品紹介・あらすじ
"悪"を秘めた女は駆除する-。若い女性を殺し、人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。捜査一課のエース西條輝司は、捜査に没頭するあまり一線を越え、窮地に立たされる。これは罠なのか?男たちの嫉妬と裏切りが、殺人鬼を駆り立てる。挑発する犯人と刑事の執念。熾烈な攻防は驚愕の結末へ。第23回山本周五郎賞受賞作 -
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中学2年生の息子「優馬」が、ある日突然、何の前触れもなく自殺してしまう。原因に心当たりがない父親の「青木」は、悲しみに暮れながらも、理由を知るため動き始める。
初っ端から優馬が自殺してしまうのが衝撃。少しいつもと様子が違うだけだったのに、まさか自殺してしまうなんて。ムニエルどうするのよ。親としては、考えたくもないできごと。本当の理由を知りたいという動機がなかったら、青木もずっと動けなくなったんじゃないだろうか。
自殺は優馬だけで終わらず、続いてしまう。同じくらいの子がいるので、読んでいて気が滅入ってしまった。途中、なかなか読み進められなかったくらい。
最後に判明する真相には驚かされた。そ -
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ネタバレ貫井徳郎初の短編集。
「結婚」をテーマに8つのストーリーがおさめられていました。
短編なので、それぞれはサクッと読み終えるのですが、内容はしっかりと詰まっています。
そしてそれぞれのストーリーで明かされる謎。
お見事でした。
説明
内容紹介
崩れる女、怯える男、誘われる女……ストーカー、DV、公園デビュー、家族崩壊など、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた、8つの傑作ミステリ短編。
内容(「BOOK」データベースより)
仕事もしない無責任な夫と身勝手な息子にストレスを抱えていた芳恵。ついに我慢の限界に達し、取った行動は…(「崩れる」)。30代独身を貫いて -
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初めての貫井作品『天使の屍』にて、ぶっ飛んでる認定させていただいた貫井さんの作品。
本屋行ったときに気が付いたら探しているくらいハマった作者さん。
さてさて、今回はどんな貫井スパイスを効かせてくるのでしょうかね。
…と思いきや、貫井さんらしからぬポップな文調で、コメディー感が強め。
なるほど、こういうパターンもあるのか。
いつも以上に読みやすく、グイグイ進む。
ストーリーやラストについては、やはり貫井さんらしさが出てましたね。
『プリズム』を思い出しましたよ。
でも貫井慣れしてきた人には若干物足りないかな?
有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ
そろそ