貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
貫井さんは既読4作ほどだが、貫井さんらしい嫌な後味の中編4編だった。特に最初の『長く孤独な誘拐』は、子どもが小さい同じような家庭環境だと他人事と思えず、余計に辛い。『儚い羊たちの祝宴』でも自分の子どもで想像してしまい、最悪の気分になったので、出産前に読みたかった。
表題作は久しぶりの叙述トリックで楽しめたが、ラストは救われない。主人公が子どもの誕生日プレゼント資金を競馬でスったくせに、妻のヒステリーにはウンザリとかボヤいてて殺意を覚えたので、読後感は重くはなかった。最後の話もあっさり展開が読めてしまうので、ファンの方以外には勧めない作品かな。 -