Posted by ブクログ
2021年01月06日
症候群シリーズ第1弾。今回は、相次ぐ若者の失踪に関わる事件を探るというもの。徐々に真相に迫っていく感じがなかなか面白いが、事件解決への内容よりも失踪する意味合いのほうが強く印象に残る。何らかの柵(親であったり友人であったり、故郷であったりなど)から逃れたいという思いから誰にも告げず行方を晦ますとい...続きを読むうことはあるのかもしれない。場合によっては顔を変えたり名前を変えてまで生きていこうとする。つまり、全くの別人として残りの人生を歩むということだ。確かにそういった物理的なものからは逃れられるかもしれないが、逃げるという選択をした自分自身の気持ちからは逃れられない。結局はそんな自分とどう向き合っていくのかということなのだろうか。
なんとも考えさせられる作品。