貫井徳郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
5人の幼なじみ。別荘で旧交を温めた夜、一人の女が一人の女を撲殺し、その罪を告白する。後日弁護士が残された2名の男と1名の女に真相を知るためインタビューする、その書き起こしという体裁のミステリー。
3名とも加害者は5人の中で最も殺人を起こすような人物ではないと語り、幼なじみ同士恋愛関係はないと語るがしかし…。
てっきり当夜何が起きたのかを検討して事件の真相を明らかにする展開になるのかと思ったら、始終グループ内の相関関係が二転三転明らかにされていくという展開だった。タイトル通り、5人相互の不当辺な距離感の関係が描かれてました。
ところで犯人の女性は父権主義など旧弊な価値観を嫌っていて、昔な -
Posted by ブクログ
複数の人物からのアプローチ、無関係と思われる人物らの以外な接点、点が徐々に繋がり線になっていく展開は著者の得意とする手法であり、本作でも持ち味が発揮されている。
だが、部分的な繋がりを見せるが全てが完璧に絡まり合う事はなく、少しモヤモヤする章が多い。また似たようなエピソードがあり、必要性に疑問を持ってしまう章もあり後半で失速気味。
また、終盤で物語の肝である「最初のトベ」が明かされるが、違和感を覚える章があり多くの読者を途中で気づくはず。
消化不良の部分も多いが、テロを起こすレジスタントの行動心理には現代日本が抱える問題が数多く内包されており、フィクションと思えないほど真に迫った内容だっ -
Posted by ブクログ
ネタバレオチが綺麗すぎて、微妙だった。「時系列がずれている、主人公が犯人」というのは、なんとなく予想がついてしまったし、現実離れしすぎていてミステリーとしては無理があると思ってしまった。同列の時系列に見せるためのミスリードが荒く感じてしまった。「娘を殺された元警視課長が現警視課長の娘を狙う」というのが特にしんどすぎるなと。しかも単純に話に展開があまりなく、終始冗長に感じてしまった。謎が最初から最後まで、「犯人は誰か」のみだったため、物語に推進力がなかったのだと思う。自分の地元がこき下ろされていたのは面白かった。愛人の負けん気の強さと繊細さが魅力的だった。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ(上)(中)(下)まとめて。
氏の著作はこれまで少なくない数読んでいるが、おそらく大方が抱かれる感想と同じく、「これがあの貫井徳郎が書いた小説か…?」というのがまず、最初に感じたこと。
それほどまでに趣を異にする長編大河小説である。
なんだか登場人物の弁明を読んでいると、京極夏彦氏が書く文体を想起してしまった、それほどまでに。
もちろん叙述トリックの出番はない(笑)。
そして全編を通じ、そこはかとなくユーモラスというか微かではありながらも絶対的な陽気さのような空気が漂っていることもまた、これまでの氏の作品群とは一線を画す。
と言っても、その明るさは上巻が顕著、中巻以降はやや薄れていき、相対的に -
Posted by ブクログ
ネタバレ(上)(中)(下)まとめて。
氏の著作はこれまで少なくない数読んでいるが、おそらく大方が抱かれる感想と同じく、「これがあの貫井徳郎が書いた小説か…?」というのがまず、最初に感じたこと。
それほどまでに趣を異にする長編大河小説である。
なんだか登場人物の弁明を読んでいると、京極夏彦氏が書く文体を想起してしまった、それほどまでに。
もちろん叙述トリックの出番はない(笑)。
そして全編を通じ、そこはかとなくユーモラスというか微かではありながらも絶対的な陽気さのような空気が漂っていることもまた、これまでの氏の作品群とは一線を画す。
と言っても、その明るさは上巻が顕著、中巻以降はやや薄れていき、相対的に -
Posted by ブクログ
ネタバレ(上)(中)(下)まとめて。
氏の著作はこれまで少なくない数読んでいるが、おそらく大方が抱かれる感想と同じく、「これがあの貫井徳郎が書いた小説か…?」というのがまず、最初に感じたこと。
それほどまでに趣を異にする長編大河小説である。
なんだか登場人物の弁明を読んでいると、京極夏彦氏が書く文体を想起してしまった、それほどまでに。
もちろん叙述トリックの出番はない(笑)。
そして全編を通じ、そこはかとなくユーモラスというか微かではありながらも絶対的な陽気さのような空気が漂っていることもまた、これまでの氏の作品群とは一線を画す。
と言っても、その明るさは上巻が顕著、中巻以降はやや薄れていき、相対的に -
Posted by ブクログ
最近、時代の早さについていけないと感じる。
気づけばネット上で人を判断、評価してありもしない憶測や正義感で人を傷つける様を嫌でも見るようになった。
なんて愚かなんだろうかと、思う。
私は、心無い言葉や、人の気持ちを阻害する人間の気持ちが心底分からないし気持ち悪いと思う。
「私は人間だ」と高尚な生き物みたいに言葉を並べて物を語ってはいるが、やっていることは人間のしていることとは思えない。
本作「悪の芽」に出てくる斉木の言葉を借りるのであれば、弱肉強食の理屈の間違った使い方をしていると思う。
この作品は、アニメのイベントで無差別大量殺傷事件を犯し、自殺した犯人と犯人の人生を壊した人間、