暗い。光を感じるシーンなんてひとつもない。
ネグレクトを受けて餓死する寸前、父親が母親を殴殺する現場を見てしまった子どもの一生は、こんなふうになってもきっと不思議じゃない。彼の復讐相手がしたことを振り返ると、いくぶん逆恨みの要素も入っているように思えます。それでも誰かに復讐せずにはいられない。そこにしか生き甲斐を見いだせないから。
主人公の心の動きについてまったく書かれず淡々としているのに、心を揺さぶられます。貫井さんにはここ数年の何冊かでガッカリさせられましたが、久しぶりに読み応えがありました。映画化希望。