あらすじ
ベストセラー作家はなぜ筆を折ったのか?
突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。その理由は、一人の男との煉獄のような恋愛関係だった。甘く残酷で痛ましい恋愛物語。
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元々読書が好きなタイプではなかったが、これを読んでから読書っていいかもと思えるようになった、そんな本。
人間の醜い心理が上手く現れていて、恐ろしさすら感じる。それが面白かった。
どんどん次が読みたくなって止まらなかったので、短い話ではないがおすすめ。
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恋愛小説というのはもっと上手くいくものではなかったか。もっと安心して読めるものではなかったか。読みながらそんなことが頭をよぎった。容姿に自信のない女性が恋を経て、整形をし華やかな美貌を手に入れ、持て余し、翻弄される…。どこか既視感があったような気もしたが、そんなものは一瞬にして吹き飛んでしまった。理屈に反するような行動ばかりする主人公。しかし、その狂気や陶酔、諦め、迷いといった心理描写が、読者にその理詰めでは説明しようのない人間の感情を、直に分からせてくれる。必死に生きる主人公に、心から共感できる作品。
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ベストセラー作家はなぜ筆を折ったのか?
突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。その理由は、一人の男との煉獄のような恋愛関係だった。甘く残酷で痛ましい恋愛物語。
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他人から見えてる自分てほんのほんの一部でしかないな。
理解し難い経歴も、人生を辿れば見えてくる何かがある。
こう生きるしかなかった和子の気持ちにとても共感した。
貫井徳郎ならではの小説家がえがく小説家。
貫井さんてこうやって小説書いてるんや〜(違うか)ってワクワクした。
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『乱反射』のような多人数視点とは対極で一人の女性の生を丹念に描いたメロドラマ的作品。個人的には、こういう人の持つ資本や価値に引っ張られてしまう感覚は自分にも身に覚えがある(大して資本や価値がないだけに)。実際、その相手と価値が釣り合うかどうかは恋愛の大きな要素の一つであるし生殖本能として人類にプリセットされたものであろう。その虚飾をも剥がした部分を認めてくれる人がいるとなれば一層どハマりしちゃうんでしょうな。大河ドラマ的な入れ子になっており最後の数ページで時が経ち、怜花が和子であった頃の重ね合わせには響くものがありました。
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ある美人作家が引退した理由。
そこには誰にも言えずにいた過去とある一人の男性への強い想いがあった。
それは幸せと言いながらも辛く寂しい恋愛だった。
圧倒的な世界観に、震えた。
女性の深い深い部分であるはずのものを、男性作家がここまで書くのか…と思わずにいられない。
2021.7.13
Posted by ブクログ
すごく良かった、鬼気迫る感触。男性作家が女性の心理描写に挑むってすごく勇気がいると思うのやけど、改めて見事だった。蛇口の話もすごく凄みがある。小説家として何かを表現することが蛇口だと、そして自分は情念の蛇口になるのだ、と。
貫井徳郎は慟哭とプリズム以来だと思うが、ほぼ一人称で心理描写していく、こういう描き方もできるのかと新鮮。引き込まれて夢中で読んだ。ミステリーとホラーな感覚もある。
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いつ殺人事件が起こるかとワクワクしながら読み進めていったがコレは恋愛小説だったようだ。
貫井徳郎氏は恋愛小説も書くのか…
しかし主人公は頭の良さとスタイルの良さを得てるのに(歯を矯正していないので歯並びも良かったはずだ)なぜそんなに卑屈な性格なんだろう。
大学まで出してもらい、父のコネで一流企業に勤めたのにすぐに辞め、多額の美容整形費を出させ、
本当に両親が気の毒だ。
恋人や男友達がいないのはともかく
同性の友達がいないのは(ひとりいたが)
やはり当人のせいだろう。
なんでもかんでも顔のせいにするのはみっともない。
心が貧しい上に短気で
不倫してるくせに悲劇のヒロイン。
こんなに主人公に嫌な気分になったのは初めてかも。
やはりPGFよ!(わかる人にしかわからない…)
Posted by ブクログ
最後の一文を読んで、小さな貿易会社で働くようになって、社長の木之内と交際するようになった頃が、後藤和子にとっては、一人の女性として一番幸せな頃だったように思いました。木之内の存在を原動力に、咲良怜花として名声を手にしますが、その頃程の幸せは訪れなかったのではないかと感じました。
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貫井徳郎は微笑む人に続き2冊目。整形をしてそれまでの人生を捨て、女流作家になっていく主人公。執筆に掛ける作者の気持ちを代弁している感じ。ボリュームがあり、読み応えはあった。一人称で進んでいくので、これだけの量を読むと主人公と同化していく。結末はほの悲しく、主人公への共感が増して幕が閉じます。
普段使わない漢字を多用するので、アプリで読み方を調べる回数が今までで一番多かった本です(笑)
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2017.5.15-44
女性に対して不誠実である木之内の為に小説を書きまた筆を折る怜花の半生。ミステリーとは違う方向性であり重みもあるが一気読み。
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【内容紹介】
美貌と壮絶な作品世界で一世を風靡した作家、咲良怜花。だが彼女は突如として筆を折った。なぜ彼女は執筆をやめたのか。彼女が隠し続けてきた秘密とは何か。沈黙を破り、彼女は語り始める―目立たない娘だった彼女を変貌させた、ある男との恋の顛末を。恋愛の陶酔と地獄を活写し、読む者の呼吸を奪う大作。
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タイトルに惹かれた。新月の物語とは一体どんな話なのだろう。あらすじを見ると女性作家が筆を折り、書くことをやめたとある。本当は貫井徳郎のバリバリなミステリーを読みたかったのだが、まぁ、よしとしよう。そんな思いで本作を読み始めたが、中々のものだった。あまり容姿のよくない女性がコンプレックスを持っている中、好きな男性との付き合いと作家業をこなしていく様が、絶妙に描かれていたと思う。もう、木之内を諦めて、違う人にしたら!と何度も思ったよ。
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面白くて一気読み。
ただ、若き編集者が作家宅を訪問し、作家が顔を見て驚いたところで、理由がわかってしまったので、ラスト近くの驚きが半減してしまった。
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久しぶりに読み応えのある小説に出会えた。
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美貌と壮絶な作品世界で一世を風靡した作家、咲良怜花。だが彼女は突如として筆を折った。なぜ彼女は執筆をやめたのか。彼女が隠し続けてきた秘密とは何か。沈黙を破り、彼女は語り始めるーー目立たない娘だった彼女を変貌させた、ある男との恋の顛末を。恋愛の陶酔と地獄を活写し、読む者の呼吸を奪う大作。
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『空白の叫び』に続き、貫井作品十二作目。とにかく疲れた、の一言。和子が作家になるまでとても長く感じたが、作家になってからはあっという間でした!女性にとって恋愛とは毒にも薬にもなるのだな、と。まさかあんな終わり方をするとは・・。後藤和子という一人の女性の人生を描いた傑作。
Posted by ブクログ
ところどころ、ん…という箇所あり。
特に小説家としての生まれ変わった理由。
んー、わからなくもないが、実感が伴わない。
女性なら分かるのだろうか?
とはいえ星は4つの読み応え。
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9年前に絶筆した美貌の女流作家、咲良怜花の物語。いや、後藤和子の物語といったほうがいいか。
どんでん返しのミステリが多い貫井作品をこれまで読んできた身からすると、ほぼミステリ色を排したこの恋愛小説は異色作中の異色作に見える。実は恋愛の展開自体は割とオーソドックスで先が読めるし、咲良怜花の心情や行動に同意できない読者も結構多いんじゃないかとも思う。それでも個人的には読んでいて楽しかった。咲良怜花の放つエネルギーがどんどんページを捲らせていたような感覚がある。
貫井さんには、是非またこういう作品を書いていただきたいと思う。
Posted by ブクログ
女性の一生を貫井徳郎が描くなんて。意外だけど、ハマって読んでしまった。☆4.5!
この本はもしかしたら好みが分かれるかもしれない。正直、和子(怜花)の生き方は読んでて辛いところが多い。ただ一人の男性から認めてもらいたいがための整形、執筆。ここで木ノ下を取り巻く女性を憎んで行動に移すのなら、これは面白味のない本になったかもしれない。憎しみも哀しみもすべて内に秘め、誰にも話さず生きていく和子の姿は読んでて辛いものもあるが、ある意味、本望なのかもしれないと思った。
彼女に好意を寄せる男性が時として現れ、頼っちゃえば楽なのに、と何度思ったことか。
最期はあっけない。隠し通してきた彼女の人生を初めて明かして、少しは楽になれたかな。
「薄明の彼方」、読んでみたかったな。
Posted by ブクログ
物語に入り込みすぎて少し疲れてしまった。こんなに夢中になって読んだのは久しぶり。
最後、和子はどういう想いでいたのだろう。亡くなるその日まで、どういう気持ちで生きていたのだろう。それを考えると少し切なくなる。自分の人生を幸せなものだったと思えていたらいいな。
Posted by ブクログ
読めどもなかなか終わりが見えてこず途中、ちょっと中だるみ感はあったが最後まで読み切るといつもより大きな感動があった。
ミステリーではなく恋愛小説。
美人女流作家、咲良怜花。ベストセラー作家である彼女が突然、筆を折る。作家になったきっかけから筆を折るまでの経緯を、新人編集者に咲良怜花は語って聞かせる。
成功の影には男の姿があった。この男にどんな魅力があるのか、恋愛感情など当事者でなければわからいだろうがこの複雑な関係を維持し続けるというのは、女性から見ればスゴイ執念だと思うし、男性からすれば都合のいい女性だったのではないか?
エピローグでは、ある程度予測はしていたが、そうくるかと感心しつつ、物悲しさが余韻として残る作品。
40代の男性作家が20代の女性の心理を描く恋愛小説。女性が読めばどう感じるのだろう?
Posted by ブクログ
貫井徳郎にしては珍しく、ミステリー小説ではなく、波瀾に満ちた一人の女性の半生を描いた長編小説。
美貌の作家、咲良怜花の突然の絶筆を巡り、編集者の渡部敏明が覗いた彼女の過去とは…一人の男性に身を委ね、翻弄され続けた怜花の人生は果たして、幸福だったのか、不幸だったのか。
途中からミステリーの展開に期待したが、それは叶わず。読後は物哀しさと絶望感を感じた。
Posted by ブクログ
難しいなぁ。貫井氏は何を語りたかったのだろう。
何が幸せなのか?というテーマだったのか?
通してみれば、そんなにおもしろい内容ではなかった気がする。でも先が気になって読み進める。
顔を変えて手に入れた数々のものは全て夢だった。
つまり、顔を変えた時に和子は全てのものを喪っていたのか?
難しい。
Posted by ブクログ
201506/ミステリじゃないのに一気読み。主人公に好感を持つ持たないに関係なく、こうも読ませる筆はさすが。私の望むラストではなかったけど、面白かった。