貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まったく希望のない、バッドエンド中のバッドエンド。
骨太なミステリー(サスペンス?)だった。
93年の作品らしい。
ちょくちょく難しい単語が出てくるものの、文体に古さは無く、
犯人の視点と警察側の視点を数ページごとに反復横跳びする構成になっているためテンポが良く、
非常に読みやすい。
なんかめちゃくちゃ嫌なことが起こりそうだなぁと思っていたら、案の定。
あらすじやレビューには触れずに、前情報無しで読み始めることをオススメします。
ミステリー系を好んで読んできたこれまでの読書体験の中で初めて、完璧に自分の推理が当たっていた。これは嬉しい!
同作者の他の作品にも手を出してみようと思わせてく -
Posted by ブクログ
幼い子供がある事故で命を落とす。
おおくの多くの人のモラルのない行動が積み重なり、連鎖した結果引き起こされた悲劇であった。
自分の小さな過ちが直接的に大きな事故に繋がるは少ない。
しかし、偶然が重なれば取り返しのつかない事態になる可能性がある。
それを事前に予想するのは非常に難しい。
だからこそ自分の行動を振り返ってみて、「誰かに迷惑をかけていないか」、「不快な思いをさせていないか」といったことを考えることも必要だと思う。
モラルの欠如により、誰かの不幸に繋がるかもしれないからだ。
本書のような振る舞いを自分も無意識にやってしまっていることがあると気付かされた。
もちろん、罪に問われるよ -
Posted by ブクログ
とにかく設定が面白い。今の日本のディストピア感というか、不満の吹き溜まり感が、暴発を招くという設定に、説得力を与えるアイデアが素晴らしい。
冒頭から一気に引き込まれてしまって、ワクワクしたのだけれど…。
組織の中身がいろいろと明らかになるにつれ、荒唐無稽感が増していき、失速したように思う。自衛官との関わりももっと膨らませられたような気もする。
問題提起は鋭いだけに、もったいない。
余談だが、この手の小説にありがちな表現がここでも。
・なぜか男性は苗字、女性は名前で話が進む(自衛官の彼女は珍しく苗字だったが、男性扱いということか)
・なぜかとても強い女性はとても美人
男性エンタメ小説家に目新し -
Posted by ブクログ
ネタバレエリート銀行員が妻子を殺害する。動機は「本が増えて家が手狭になった」という理由で…。誰に聞いても「いい人」と評される男だが、過去に遡ると不審死を遂げた人物が周辺に何人もいることがわかる…
何人もの証言から、主人公が『死』に対して障害物を排除するように実行してきたのかという疑念が生じるが、殺人を自白したりする場面はなく、最後まで真相はわからずにモヤモヤ感が残る。(ネットには多くの考察があるよう)
2019年に松坂桃李主演でドラマ化され、見た記憶がある。U-NEXTで見返してみたが、小説のダイジェストのような内容だったなあ。
小説には無い雑誌記者の役柄で尾野真千子が登場し、最後に浮気した夫をア -
Posted by ブクログ
ネタバレ2つの舞台の時系列が追いついたり追い越したりな感じ?と思いきや…な結末。The推理小説を読んだー!という読後感。
推理小説好きからすると、佐伯=松本説はなんとなく勘づくとは思うけど、
・松本の娘が殺されているという前提を、佐伯章でどう結びつけるのか
・警察官名簿流出のミスリード
・松本が1回目黒いゴミ袋に入れて山奥に埋めたのに、佐伯章ではなぜ見つかったのか
・娘を蘇らせることが目的だった松本が、なぜ急に警察官(の娘)を標的にしたのか
・松本はなぜみんなから見たことがある、と思われたのか
・松本章で司摩が言った「事件が起き始めた時期と合わないし」という発言
などなどの違和感を持たせつつ、ぎりぎ