貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「プリズム」
…ガラスなど透明体の三角柱で、光を屈折・分散させるもの。光の方向を変えるプリズムには種々な形のものもある。
推理小説に求める快楽って、正解を知ることだと思う。
これだけ長い文章の中で、自分流に推測を立てて「え?こいつか?いや…こっちも…」
なんて考え続けた結果、最後に導き出される正解に悦に浸る。
それが推理小説の醍醐味、そう思っている。
本作「プリズム」は、まずタイトルの秀逸さを感じる。
推理小説の手法は確かにプリズム的だ。
いろんな登場人物の主観的な目線から、被害者への思い、まだ見えぬ加害者への思いにバイアスがかかって、思考を分散させられる。
どの光を辿れば、本筋に辿 -
Posted by ブクログ
まったく希望のない、バッドエンド中のバッドエンド。
骨太なミステリー(サスペンス?)だった。
93年の作品らしい。
ちょくちょく難しい単語が出てくるものの、文体に古さは無く、
犯人の視点と警察側の視点を数ページごとに反復横跳びする構成になっているためテンポが良く、
非常に読みやすい。
なんかめちゃくちゃ嫌なことが起こりそうだなぁと思っていたら、案の定。
あらすじやレビューには触れずに、前情報無しで読み始めることをオススメします。
ミステリー系を好んで読んできたこれまでの読書体験の中で初めて、完璧に自分の推理が当たっていた。これは嬉しい!
同作者の他の作品にも手を出してみようと思わせてく