貫井徳郎のレビュー一覧

  • 慟哭

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    ネタバレ

    「彼」パートの人は犯人かな→いや被害者の親?→やっぱり犯人なのかな、と読者を惑わせつつまさかのこの人!という結果に、十角館の殺人の一行のように驚いて声が出た
    彼のパートを読み直すと、色んな人との別れや孤独があったことを知った分、より「心の穴」や絶望感が分かる気がした

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    2026年08月22日
  • 我が心の底の光

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    簡単に言ってしまえば復讐劇の話である。ただ、読み進めていくうちに「?」というか何か違和感のようなものを感じ、読み終わって腑に落ちるという、ちょっと変わった作品で面白かった。

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    2026年08月21日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    『乱反射』を読んだ。

    「面白かった」と言うと、2歳の子どもが亡くなる話なので少し適切ではない気もする。ただ、どんどん先を読みたくなるし、読み終わった後にも考えさせられる。展開そのものの面白さも含めて、とてもいい作品だった。

    特に面白かったのが章立て。マイナスの数字から始まり、物語が進むにつれて数字がゼロに近づいていき、中間で「0」になり、そこからは1、2、3……とプラスになっていく。

    その中で、同じ地域に暮らすさまざまな人物のエピソードが描かれる。

    犬の糞を片付けない定年退職した男性。夜間診療が空いていると知り、ただの風邪でも毎回そこを利用する学生。責任を取りたがらない医師や市役所の職員。自己満足のような反対運動をする人。

    違法とまでは言えないものも多いけれど、ちょっとしたモラル違反や無責任さを抱えた人たちが大勢登場する。それぞれは本当に些細なことなのに、それらが徐々に絡み合っていく。

    「これがどうつながっていくんだろう」という感覚があって、その展開がすごく面白かった。読む手が止まらなかった。

    そして、案の定、その小さな行動や不運が積み重なって事故が起き、2歳の子どもが大怪我をする。

    ただ、そこで終わらない。

    事故までの段階でもいくつもの出来事が重なっているけれど、その後、まだ回収されていなかった別の出来事までさらに重なっていく。もしかしたら助かる可能性があったかもしれないのに、結局その子どもは亡くなってしまう。

    後半には何か大きなどんでん返しがあるのかなとも思ったが、そういう小説ではなかった。

    事故の原因になった一人ひとりからすれば、自分のしたことが子どもの死につながるなんて想像できない。

    例えば、犬の糞を放置した本人からすれば、それ自体は悪いことだけれど、まさかそれによって子どもが死ぬなんて考えもしない。当然、その人一人の責任でもない。

    だから、亡くなった子どもの父親が一人ひとりを訪ねて、「責任の一部を感じてほしい」「事実を知りたい」「謝ってほしい」と求めても、相手からすれば言いがかりのように感じる。

    確かに、因果関係をそこまで広げていけば、誰だって誰かの不幸に関わっていることになってしまう。

    それでも、この作品では、モラルに反することや無責任な行動をした人たちが、それぞれ相応のものを背負うことになる。

    一番刺さったのは、犬の糞を放置した男性に、妻が「晩節を汚しましたね」と言う場面だった。

    「晩節を汚す」という言葉自体を自分は知らなかった。

    調べてみると、それまで長い人生で積み重ねてきた評価や実績を、人生の終わり際の行動によって台無しにしてしまう、というような意味だった。

    これは怖いなと思った。

    本人が「自分はそこまで悪くない」と思ったとしても、一度起きてしまえば、一生拭えないものになるかもしれない。

    本当に些細なモラル違反が、それまで積み上げてきた人生そのものに影を落とすことがある。

    「終わり良ければすべて良し」という言葉があるけれど、逆に最後が悪ければ、それまでどれだけ満足した人生を送ってきても、「悲しい人生だった」と感じてしまうこともあるのかもしれない。

    逆に、最後が幸せで充実していれば、それまでの苦労さえ「必要なことだった」と思えることもある。

    だから、自分も気をつけようと思った。

    ただ、人間は弱いので、単に「気をつけよう」だけでは難しいとも思う。状況が揃ってしまえば、自分だって何かやってしまうかもしれない。

    そして、この作品を読んでいてもう一つ思った。

    悪いことの小さな積み重ねが大きな悲劇につながるなら、逆もあるんじゃないか。

    小さな善い行動を積み重ねていけば、それが回り回って、大きな成果や誰かへの貢献につながることもあるはずだ。

    だから、「マナー違反をしないようにしよう」だけで終わるのではなく、些細なことでもプラスを積み重ねていきたい。

    困っている人がいたら少し手を差し伸べる。ゴミが落ちていたら、見て見ぬふりをせず拾う。

    そういうことなのだと思う。

    ただ、どれだけ善いことをしていても、不運は降りかかる。

    自分は悪くない。相手が悪い。

    そう言いたくなることはあるけれど、自分が悪くなくても理不尽なことが起きるのが世の中だと思う。

    誰が悪いのかを考えること自体が無意味というわけではないけれど、それだけを言い続けても生きやすくなるわけではない。

    そういう世界で、自分はこれからどうするのか。

    どう成長して、どう生きて、どういう価値観を持って過ごすのか。

    結局はそこなのかなと思った。

    ただ、これは自分が第三者だから言えることでもある。

    もし自分の子どもが亡くなったら、と考えてみたけれど、まったく想像できなかった。

    考えようとしても、脳が自然に拒否しているような感じがする。

    「想像を絶する」と言うけれど、その言葉すらよく分からないくらい、本当に考えられない。

    小説だから、興味深い作品として読める。

    でも実際に自分の子どもが亡くなったら、誰が悪いとか、これからどう生きるとか、そんな冷静なことを考えられるのかは分からない。

    総括すると、いくつもの小さな出来事が徐々につながり、伏線が回収されていくような構成がとても面白かった。続きが気になって、どんどん読み進めてしまった。

    そして読み終わった後にも余韻が残り、自分の行動や価値観について考え直すきっかけにもなった。

    とてもいい作品だった。


    、、、、以下AIコメント、、、、

    要約

    感想を読んでいて、特に面白いと思ったのは、単に「些細なマナー違反も怖いね」で終わらず、そこから 「責任とは何か」「理不尽な世界で自分はどう生きるか」 まで考えが進んでいるところです。

    『乱反射』自体も、実は普通の「犯人は誰か」というミステリーではなく、原因は分かっているのに、責任の所在だけが決められないミステリーとして読むとかなり面白い作品だと思います。

    本文

    1. 「-44 → 0 → +」は、単なる洒落た章立てではない

    ここはかなり巧い構造です。

    前半は「0」に向かってカウントダウンしていく。読者は早い段階で「0で何か重大なことが起こる」と分かっている。だから、

    この犬の糞がどう関係する?
    この夜間診療の学生がどこにつながる?
    この市役所職員は何をやらかす?

    という読み方になる。

    ところが0で事故が起こった後、今度は数字が増えていく。

    つまり作品そのものが、

    前半:結果に向かって因果関係を組み立てる
    ↓
    0:事故
    ↓
    後半:起きてしまった結果から責任をさかのぼる

    という形になっている。

    だから、ユーザーが感じた「伏線が回収されていく快感」はかなり本質的です。

    しかも興味深いことに、選考委員だった北村薫はこの作品について、社会派小説のように見えて実は「本格ミステリ」の構造を持っている、という趣旨で高く評価しています。『乱反射』は実際、第63回日本推理作家協会賞を受賞しています。

    つまりこれは、

    「誰が殺した?」ではなく、「どうやってこの死が作られた?」を解く本格ミステリー

    とも言えるんですよね。

    ⸻

    2. 作者が書きたかったものも、かなり感想と一致している

    貫井徳郎自身が後のインタビューで、『乱反射』について、

    一人ひとりのわがままが積み重なっていく

    作品だったと説明し、さらに「自己主張のぶつかり合い」を描いたと語っています。

    ここは「悪人が集まって悲劇が起きた」のとは全然違う。

    むしろ登場人物のほとんどが、

    「まあ、そのくらいなら自分もやるかもしれない」

    というレベルなんですよね。

    だから怖い。

    殺意を持った人間が一人いれば、「こいつが悪い」で話は終わる。

    でも『乱反射』では、

    * 面倒だから犬の糞を拾わない
    * 夜間診療の方が便利だから利用する
    * 責任を負いたくない
    * 自分の主張を通したい
    * 波風を立てたくない

    という、かなり普通の人間心理から悲劇が作られている。

    出版社自身も作品を「法では裁けない『罪』の連鎖」「人災の連鎖」と説明しています。

    ⸻

    3. そして、一番重要なのが「原因」と「責任」は同じではないこと

    ここは感想の中で一番深い論点だと思いました。

    そんなに幅を広げたら、誰でも殺人に絡んでるようになっちゃう

    まさにそうなんです。

    例えば犬の糞を放置したことが、事実として事故までの因果鎖に入っていたとしても、

    「原因の一つだった」=「子どもの死について責任を負う」

    とは単純には言えません。

    法律や倫理では、本来かなり分けて考えます。

    たとえば、

    * その結果を予見できたか
    * 危険を避ける義務があったか
    * 結果との距離がどれくらい近いか
    * その人が違う行動をしていれば結果を避けられたか
    * 他の要因がどれだけ介在しているか

    によって責任の重さは変わる。

    だから、犬の糞を放置した男性が、

    「確かに糞を放置した。それは悪かった。しかし私があなたの息子を殺したわけではない」

    と言ったとすれば、その理屈自体はかなり合理的です。

    一方、父親が、

    「それでもあなたの行動がなければ息子は死ななかった」

    と言うのも事実。

    両方ともある程度正しい。

    だから決着しない。

    ここがこの小説の嫌なところであり、面白いところだと思います。

    ⸻

    4. 「晩節を汚しましたね」が強烈なのも、そこに関係している

    この言葉が刺さったというのも分かります。

    妻は夫に、

    「あなたは殺人犯です」

    と言っているわけではない。

    むしろ、

    「あなたは長い人生の最後に、自分がどういう人間なのかを自分で傷つけてしまった」

    と言っている。

    ここが非常に重い。

    法律上の責任ではなく、自己像に対する判決なんですよね。

    自分はまともに生きてきた。家族もあり、仕事も勤め上げた。

    ところが最後になって、

    「犬の糞くらい別にいいだろう」

    という些細な自己中心性が、自分の人生を見る目そのものを変えてしまう。

    だから「晩節を汚す」という言葉が効く。

    これは子どもの死についてどこまで責任があるかとは、実は別問題です。

    子どもを死なせた責任があるかどうかにかかわらず、犬の糞を意図的に放置していたという自分自身の行為は消えない。

    そこを妻に突かれている。

    ⸻

    5. 「悪い連鎖があるなら、善い連鎖もある」という読みは、作品から一歩先に出ている

    ここは、原作が直接強く提示している主題というより、読後に自分で導き出した考えだと思います。

    そして結構面白い方向への拡張です。

    『乱反射』は基本的には、

    小さなエゴ
    ↓
    小さな不利益
    ↓
    別の人の行動に影響
    ↓
    さらに別の問題
    ↓
    誰も意図しなかった大きな悲劇

    という負の連鎖を描く。

    それを反転させれば、

    小さな親切
    ↓
    誰かの負担が少し減る
    ↓
    その人が別の人に余裕を持って接する
    ↓
    また別の行動につながる

    という可能性も当然あります。

    ただし、「ゴミを拾えば巡り巡って必ず大きな幸運になる」という因果応報の話ではない。

    そこは『乱反射』と同じで、

    結果なんて本人には分からない。

    でも、それでも自分が連鎖のどちら側に小さな入力を加えるかは選べる。

    この考え方ならかなり筋が通っています。

    ⸻

    6. 一方で、「誰が悪いかより、これからどうするか」には少し別の論点もある

    ここだけは、少し切り分けた方がいいと思いました。

    自分が悪くなくても不運は降りかかる。
    相手が悪いと言い続けても人生が良くなるわけではない。
    それなら自分がどう生きるか。

    これは人生観としてかなり実用的です。

    ただ、『乱反射』が突きつけている問題とは少し違う。

    社会全体で考えるなら、

    「誰が悪いか」「どこに責任があったか」を検証することには意味があります。

    なぜなら、それをしないと再発防止できないから。

    例えば夜間救急の運用に制度上の欠陥があったなら、個人としては「起きたことは仕方ない、これからどう生きるか」で前に進めても、社会としては原因究明しなければまた同じことが起こる。

    なので、

    個人の人生論としては「誰が悪いかに執着しすぎない」
    社会の制度論としては「誰にどんな責任があったかを分析する」

    この二つは両立すると思います。

    ⸻

    7. そして最後に「でも自分の子どもだったら」と戻ったのが重要だと思う

    ここで感想がきれいな人生訓に着地しなかったのが、むしろこの作品に合っています。

    理屈では、

    理不尽は起こる。
    責任追及だけでは前に進めない。
    自分がこれからどう生きるかだ。

    と言える。

    でも、

    「じゃあ自分の子どもが死んだら?」

    と考えた瞬間、それまでの理屈が全部止まる。

    これは矛盾ではないと思います。

    第三者として理解できることと、当事者として耐えられることは別だからです。

    そしておそらく、『乱反射』が父親をあそこまで執拗に原因追及させるのもそこでしょう。

    彼は単純に「真犯人を捕まえたい」のではなく、

    こんな理不尽な死に、何らかの意味や責任の形を与えたい。

    でも調べれば調べるほど、

    「この人が殺した」

    という相手は出てこない。

    出てくるのは、少しずつ悪かった普通の人たちだけ。

    それが救いにならない。

    ⸻

    個人的には、この作品の一番嫌で優れているところは、読者に「自分は被害者側だ」とだけ思わせてくれないことだと思います。

    普通の小説なら、「幼い子を失った父親」に感情移入して読める。でも『乱反射』では、読者は同時に犬の糞を放置する側、面倒なことを避ける側、少しだけ自分の都合を優先する側でもあり得る。

    だから読後に「かわいそうだった」で終わらず、自分の日常に話が戻ってくる。

    そこまで戻ってきたからこそ、今回かなり強く残る作品になったのだと思います。

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    2026年08月21日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    面白かった。久しぶりにミステリーを読んだが、本書で良かった。見事に騙された。
    佐伯=松本ではないかとは途中疑っていたが、佐伯と松本の心理戦が繰り広げられているようにミスリードされた結果だった。
    時系列がズレているのか。なるほど。
    娘を持つ親の気持ち、佐伯の人間的な不器用さに感情移入してしまう。妻からの佐伯への追及が辛かった。
    著者は良い文章を書き、難しい日本語を使うが、文章から純文学的な文章を読んで心が晴れる心地よさは感じられなかったため、星5をつけられなかった。
    ただ読みやすかった。

    0
    2026年08月12日
  • 乱反射

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    物事の因果関係というものの恐ろしさをフィクションながらも華麗にそれぞれの登場人物の視点で描いた良作。
    交通事故の被害も、たとえば忘れ物を家に取りに帰っていなかったら、防げたかもしれない…。などのように偶然が重なって起きてしまう、誰も責められないが、誰もが無意識に小さな責任を負っている。面白い作品だった。

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    2026年08月08日
  • 慟哭

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    この本よりも後に刊行された某ミステリと同じ構造になっており、そちらを先に読んでいたために途中からそうじゃないかな、と思っていたらやはりそうだった。ただしこちらの話の方が暗く重いテーマなので、嫌な予感が的中してしまったという感じではあった。
    物語の中心となる某団体の某支部がどう見ても自分が以前住んでいた場所にある建物で(小綺麗なオフィスビルとなっていたが実際そこにはマンションがある)、ちょっと個人的にちょっと面白かった。

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    2026年08月06日
  • 罪と祈り

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    過去と現在が交互に語られます。
    ラストまでは主に過去編がドラマチックなんですが、昭和から平成に遷移するという時代背景を色濃く描写した内容です。そういったファクター(バブル経済期)があるために、その経験の無い私は過去編の登場人物の心情、(例えば義憤から誘拐に至るまで)に完全には同調する事ができません。他にはバブル関係ないのですが下町育ちの連帯感みたいなものも、わたしは馴染みがなく理解し難いものがあります。
    それでも尚、最初から最後まで飽きる事なく一気に読み終えました。
    というのはやはり、著者が凄いという事なのでしょうね。流石です。
    面白かったです!

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    2026年08月06日
  • 悪の芽

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    読みごたえがあって、ストーリー展開にも引き込まれた。無差別大量殺傷事件からはじまり、犯人が主人公の同級生だったことから犯行まで要因を探していくストーリー。
    学生時代のいじめ問題から社会的弱者への対応、他者を慮る"想像力の欠如"が冷たい社会を作っているという問題提議のような内容。

    小説としてはキレイにまとまっていて結論も出ているし、良い方向に向かうハッピーエンド。ただ現実はこれ通りキレイにはいかない。

    犯罪者の中にはサイコパスもいるし、原因や因果関係を探っても"ただ人を殺してみたかった"という存在(人ならざる者)もいる。
    安易に手を差し伸べて関係したことにより、事件へと発展する場合もある。出会った一瞬で困ってる相手が善人かサイコパスか判断するのは不可能だなと思う…。

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    2026年08月05日
  • 夜想

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    ネタバレ

    もっと暗くてどん底のような話なのかと思ったが意外とどん底からすこし回復したところに着地してよかった
    嘉子の話は雪籘の話と対比になっていて、相手に自分の望む姿を押し付けたすえに相手を失った嘉子と、その望む姿を押し付けていたことを反省できたからこそ間に合った雪籘ということなのだろうと思っている
    どんどん思想が偏っていく雪籘とただの1人の人間として見て欲しい遙のすれ違いに胸がつまるような感じだったし雪籘が統失のようになっているのはなんとなく想像がついた(被害妄想も)けど実際に明かされるとなんとも苦しい 目線の描写などがあるのも危ない人と言われる嘉子と雪籘は紙一重程度のところにいる、あるいは同程度の状態であるということだろう
    救ってくれと相手に縋り続けるばかりで相手の本質を見ていなかったからこそ雪籘は遙を知らず知らずのうちに自分の都合のいいお人形にしていたんだろうなと(最後だけでなく)
    不幸だからといって他者を踏みにじり善意を使い潰し相手が壊れるまで救いを求めて搾取し続け、人から貰ったものには感謝もせず…… 同じく不幸である嘉子は雪籘の行く末の最悪のパターンを描いていたのだろう
    ただとにかく、収まるべきところに収まって良かったと思っている

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    2026年08月02日
  • 慟哭

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    この本を買ったのは叙述トリックっていうものにすごくはまりだした頃で、その叙述トリックにしっかりはまりたいなという思いを持ちつつも、なかなか読み進められなかった1冊であった。
    読み終わって思うのは、私はこの本を読むまでの間に叙述トリックの本を読みすぎたということだ。色々と展開が見えてしまったり、ラストのパワーにパンチを感じなかったりしたので難しいなと思った。
    最初の頃に読んでればきっとこういう感想にもならなかったんだろうな。
    叙述トリックの本はたまに読むのがいいんだなと思いました。

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    2026年08月02日
  • 慟哭

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     宗教、連続幼女殺人事件。警察側と宗教にのめり込んでいく人間の視点、2つの視点で物語は進められていきます。そして、リンクしていく。ラストについても好きでした。良い作品です。

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    2026年07月20日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    警察側と新興宗教側が短い間隔で進んでいくのが、
    読みづらいと思いながら、読んでました。
    この時点では星1にするつもりでした。

    まさか異なる時間軸の幼児誘拐事件を描いているとは分からなかったです。
    面白かったです。
    今読んでも全然色褪せないので、ぜひおすすめします。

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    2026年07月18日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    全くトリックに気づかなかった
    印鑑で佐伯を使うところも勝手に名前を騙ったのか?でもそうだとすると顔が通るのもあんなに報道されていたのに不自然だ……とか思ったのに
    また、佐伯が妾の子なのも別姓になるのに納得がいくし、あと財施はどこから出してるんだと思ったらそりゃお金はあるわなと思った
    2人の絶望かと思っていたからそれが1人の絶望だと思うとより重みにきつくなった 結局大元は解決はしていないし

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    2026年07月17日
  • 慟哭

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    イヤミスが大好きだけど、単に後味の悪い展開が好きなわけではない。大前提として、ミステリーの完成度が高くなければ面白くない。そして、100%悪人を出すのではなく、普通の人間の悪い部分をどうさらけ出すのかが大事。

    その点を含め、貫井徳郎さんの作品は素晴らしいイヤミスだ。

    同作者の『愚行録』を最近読み作品の傾向を知っていたので、犯人はかなり序盤で気付いてしまった。

    それでも最後まで手を止めることなく、夢中で読み進めることができたのは、犯人より犯罪までの過程の方が気になったから。

    巧みな伏線回収、丁寧な心理描写、本当に素敵な作品だった。

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    2026年07月15日
  • 慟哭

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    こうなるんじゃないかと読み進め、こうなってしまったかと読み終わった。
    殺人事件を追う警察と新興宗教にのめり込む男の2つの視点を交互に物語が進んでいき、散りばめられた点と点がどう繋がっていくかワクワクしながら読むことができた。
    最後の一行は種明かしより衝撃を受けさせられた。

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    2026年07月11日
  • 悪の芽

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    犯人が無差別殺傷事件を犯す動機となった絶望感、その深さと救いのなさが悲しかった。私達はこんな世界に生きているんだなあ、いやこんな世界を作っているんだなと思うとやりきれないです。
    ただひとつの希望はそれに気づくことなのかも知れないと感じました。

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    2026年07月06日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    オーディブルにて。

    あっと驚く仕掛け・どんでん返しがあると聞いてて、ある程度ミステリーを読んできたからこそ、ミスリードを誘ってそうだ…時系列問題はもしかして…って思ってたら、犯人まではわからなくても、やはり。
    私が色々読む前に出会えてたらもっと面白かったのかなーとも思う。

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    2026年07月01日
  • 壁の男

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    ネタバレ

    栃木県の片田舎高羅町に、稚拙な絵が描かれた家々が並び一帯がある。町は話題となり観光客も増えている。どうしてそのようなムーブメントが起こったのか、ノンフィクションライターは訝しみながら取材を進める。
    無愛想で一戸建てに一人暮らしをする中年男・伊刈が絵描きの本人。壁には赤い女の子の絵。

    不気味なミステリーと思い読み進めるうちに、伊刈本人の回顧シーンとなる。

    彼の過去がわかっていくうちに見えてくる背景。
    後半に明かされる複数の事実。

    一気に読み進めてしまう物語だった。

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    2026年06月26日
  • 夜想

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    最近忙しくて読めてないという言い訳からですが〜、、

    二重螺旋で進むストーリー。

    1つは人の過去に入り込める女性を、教祖的に宗教化していく人々。

    もう1つは家出した娘をあてもなく探す母。

    両方共日常にありそうなストーリーなので、ちんたら読んでいたら後半にかけて一層嫌な展開に(従って読書スピードアップ)

    初の作者さんでしたが、目の付け所が凄いと感心(安定の上から目線)

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    2026年06月21日
  • 警官の貌

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    4人の作家さんの警察官アンソロジー!
    今野敏、誉田哲也、福田和代、貫井徳郎のビッグフォーが揃った読み応えのある作品ばかり。
    福田和代さんは初読の作家さんですが仲なかの内容で別作品も読んでみたい作家さんです。
    今野敏「常習犯」は刑事と窃盗犯とのこだわりが事件解決に導く。
    誉田哲也「三十九番」は刑務官の歪な性癖のストーリー。
    福田和代「シザーズ」は刑事と通訳捜査官の人間み溢れるストーリー、中国人犯罪者が増えてる現状を反映している内容。
    貫井徳郎「見ざる、書かざる、言わざる、ハーシュソサエティ」は死刑制度に一石を投じる内容。酷い傷害罪でそこまでやるか〜という犯罪物語。
    実におもしろかった。

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    2026年06月17日