貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ文庫なのにかなりの厚みだが一気読み。
通報により最寄り交番の大崎が殺人事件の第一発見者になる。警視庁捜査一課9係のエリート、西條警部補とコンビを組むことに。
登場人物がなかなか多く誰だっけ?と思うがそれぞれの特徴を付け加えてあったので付いていけた。警察の内部事情が読みながら想像できるよう描かれ、大変さを改めて思う。
2006年から連載されたものらしいので、その後20年経った今はもっともっと大変だろうと思う。誰でもネットを使える社会になり、足だけで稼げる時代では無いし。ステキな西條がどんどん落ちていく様子は辛く悲しい。それより真実のほうが辛いかも。
小説を読んだ満足感が味わえるいい作品。続編がお -
Posted by ブクログ
まだまだ積読が読みきれてない貫井さんの作品。
今回もなかなかの分厚さだが、面白いのでどんどん進む。
という割にはあまり時間を使えず、結構かかってしまったが…。
内容はオムニバス形式で、なぜか章番号がマイナスから始まる。
色々な登場人物が色々なシチュエーションで少しずつ連鎖していき、章番号がプラスになったところでその連鎖が不幸を生む。
その後は誰を罪に問えるのか、というフェーズに進むんだが、これがまたやりきれない。
自分は大それたことはしていない、と言いつつも連鎖が連鎖を生んでとんでもないことを生み出している可能性もあるってことに軽い恐怖を覚えた。
そう考えると、パワハラまがいの発言とか -
Posted by ブクログ
人間の想像力のなさ、無関心さ
自分の機嫌は自分で取りましょう。と無神経に過ごし自分の機嫌だけしか取らず、
振り回される人間をコントロール出来ない愚か者だと決めつける。
乏しい想像力。
なんとなく、そんな考えにも結びつけていた。
なんともリアルなものだった。
登場人物が最終的に手を止める、それだけが現実と違うところか。
エピローグの辺りを仕事終わりの電車で読んでいた。割と混み合う電車。
次は〇〇駅です。
私もそうだが、この駅で乗り換える人が多い。
降りるかと思っていたら
「下ろしましょうか?」とハキハキと話す若い男性の声。
ドア付近の少し広くなっている所
上の荷物置きには紙袋
「ありがとう -
Posted by ブクログ
夜間に街路樹が倒れ、たまたま通りかかったベビーカーに乗った2歳児を連れた母子を直撃し、子供が大怪我をする。やっと来た救急車でも病院に受け入れを拒否されたりしているうちに子供は亡くなった…父親が原因と責任がどこにあるか関係者に話を聞くも…死の原因になった事故は、多くの人々の、「この程度のことなら」とあまり考えずに起こした行動が原因だった。
街路樹は伐採される予定だったが、主婦たちの伐採反対運動があった。
また検査をする業者は倒れた木の根元に犬の糞があったため、その木だけ検査を怠った。
犬を連れた老人は糞の始末が面倒だから、いつも倒れた木の根元に糞をさせていた。
救急車は路上に放置された車のため -
Posted by ブクログ
いやはや凄い作品でした。
三冊連続で貫井作品を読んだけど、この作品が一番心に与える衝撃が大きかった。
ビデオ鑑賞済。
エリートサラリーマン家庭であった田向一家惨殺事件から一年経ち、事件は犯人が見つからないまま迷宮入りしていた。
その時、ある記者が、田向夫妻の同僚や同級生、元恋人などに夫妻との思い出や人柄についてインタビューをして回る。すると一見理想的な夫婦と思われていた二人の本性が口述され浮き彫りされてくる。
関係者は、建前としてお悔やみが語られるが、
本音を聞けば亡くなった方への怨嗟と憎悪が出てくるのだ。まあ、関係者たちも愚行を犯していたのに、自分のことは差し置いて、悲惨な口述