貫井徳郎のレビュー一覧

  • 邯鄲の島遥かなり(下)(新潮文庫)

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    明治維新から150年で数世代降ると、先祖のことなんて、誰も知らない。それでも、痣で明らかな通り、確かに先祖がいたから、数々の人生が生まれた。壮大な目線で見れば、自分の未来にも希望が持てる気がする。

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    2025年03月03日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    やー、しんど。きついって…
    事故は言ってしまえば全て運命の歯車が狂った結果のものだよな…。あと1分、遅く家を出ていたら、忘れ物を取りになんて行かなければ、この道を通らなければ、あの人と話していなければ、雨なんて降っていなければ、、、みたいな。
    本著の事故も、言ってしまえば最悪の偶然。ただただ、不運。でも少しずつ本当に嫌な人たち…
    自分は悪くないと思い込み、罪の意識から逃れることができる人は強か。そうはなりたくないけれど…
    被害者には謝らなかったけど、罪の意識に苛まれて生きていくであろう車乗り捨て女はまだ救いがある人間かな…。
    終わり方、夫婦の今後に少しだけ希望が見えてよかった。


    そういえば

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    2025年02月24日
  • ひとつの祖国

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    賛否両論あるかもしれないが、私は面白かったと思う
    闘争本能の是非は簡単には判断できないし、怒りを失うことはただの思考停止と同じだろう
    作者が答えを提示するのではなく、事勿れ主義の日本人に対する問題提起の小説だと感じました

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    2025年02月10日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    症候群シリーズの第一弾で1995年とかなり前の作品。失踪する若者の共通点とは何だろうと読み始めたけど、なかなか面白い展開だった。
    事件が起きると集まる4人のキャラクターのその後にも興味があるので誘拐、殺人の他のシリーズも読んでみようとおもう。

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    2025年02月02日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    【乱反射】とは
    表面が滑らかでない物体に光線が当たって、いろいろな方向へ反射すること。(コトバンクより)

    ダ・ヴィンチ11月号で俳優の赤楚衛二さんが紹介していたのをキッカケに読み始めました。

    *****

    2歳の子どもが不運な事故でなくなります。新聞記者である父親が原因を探っていくと、さまざまな人たちの"些細な自分勝手"が乱反射するように色々な方向へ影響しあって、息子が死に追いやられたことに気づいていくのです。

    違法とまでは言えない"些細な自分勝手"。息子の死の遠因となった人々は自分は悪くないと主張し謝ろうとはしません。

    しかし、主人公は自分にも

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    2025年01月29日
  • 悪の芽

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    とても考えさせられて読書中はつらいけれど読んでよかったと思える作品だった。
    悪の芽は誰の中にもある。物心ついたときから誰かに悪意を向けて、向けられたことは誰しもがきっと経験がある。だから登場人物の何かしらの言動に共感ができる。と同時に、私はあの時あの人を傷つけてしまったんだろうなという言葉を思い出して胸が締め付けられたり、あんなことされたら嫌だってわかってるのにやってしまったなと自分で自分に指差すような罪悪感が湧き出てくる。

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    2025年01月25日
  • 女が死んでいる

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    「憎悪」と「母性という名の狂気」が面白かったし、騙されました。
    オチがでたとき読み返したのもこの二作品でした。
    「レッツゴー」はどんでん返しというほど大仰なものではないけど微笑ましい話で最後の話としてとても良かったと思います

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    2025年01月24日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    そうそうたる著者たちのどんでん返し短編集。
    40-50ページの中で、ストーリーを展開しつつ、ミステリーとしてどんでん返しもあり、満足感がある一冊でした。

    綾辻行人さんの短編はホラーミステリー。
    世にも奇妙な物語で出てきそうなオチでした。

    貫井徳郎さんの短編は、解答編に移るまで、物語の「キー」に気づけませんでした。確かにヒントは散りばめられていました。

    東川篤哉さんの短編は、毎度お馴染み「烏賊川市シリーズ」。ミイラ取りがミイラになる展開はオチとして、最高でした。

    この三作品が特に好きでした。

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    2025年01月19日
  • 悪の芽

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    誰もが自分の周りのことしか、自分のことしかわからない。わかろうとしない。それを責めることはできないし、自分も全てのことに人に想像力を持って寄り添ったりなんかできない。だからせめて周りの人たちを大切にしたいし、誰にも大切に思う相手がいるってことを忘れずにいたい。
    完全に悪も、完全な善もないんだと思う。それでも孤独や絶望を感じる人が少しでも減りますように。一線越える前に立ち止まらせてくれる存在がありますように。
    後悔するのは人間にしかできない辛いけれど大切なことだと思う。

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    2025年01月05日
  • 後悔と真実の色

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    ネタバレ

    今の闇バイトの姿を予見した作品であるとともに、人が描かれていることが何もよりも作品の重厚さを作り上げていると言える!

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    2024年12月12日
  • 悪の芽

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    傍観者として読み始めるが後半は当事者になる
    弱肉強食、自己責任、努力、格差、
    他人を見下すことが皆無であると私は到底言えない
    ラストに僅かながら希望が見えてようやくまともに呼吸ができた気がする

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    2024年12月10日
  • 乱反射

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    乱反射という題名がぴったりくるストーリーでした。
    犯罪とは言えない軽微な罪が積み重なると
    とんでも無いことになるという恐ろしい話でした。

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    2024年12月10日
  • 邯鄲の島遥かなり(下)(新潮文庫)

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    全部を通して凄く良かった。
    野球に興味がないから、試合の描写が細かすぎてしんどかったけど。
    次のイチマツを出してほしかったな。今の時代にどうやって福をもたらすのか見せて欲しかった。

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    2024年12月07日
  • 微笑む人

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    怖い
    「わからない」「理解が及ばない」ことが一番怖いということを実感できるミステリー。
    終わり方も唐突で「わからない」
    犯人とされる仁藤さんの不可解な動機については少し解るような気もするけど。
    「犯人とされる」と書いてしまう時点で、このミステリーに絡めとられている。やっぱり「怖い」

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    2024年11月22日
  • 後悔と真実の色

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    刑事もののストーリーは、癖はあるが優秀な刑事が難事件を解決することが多いという印象があった。
    が、
    癖どころか非常に泥臭い日常の生活を背負った刑事たちばかりが出てくる
    ミステリーとしても面白かったが、群像劇としても非常に面白かった

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    2024年11月15日
  • 誘拐症候群 <新装版>

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    表沙汰にならない小口の誘拐を繰り返す知能犯という設定が面白く、どう事件が展開するかワクワクする。一方で武藤さんはまた毛色の違う誘拐事件に巻き込まれ悪戦苦闘し、こちらも意外な顛末。
    色々な視点から徐々に真実へ迫る展開が丁寧かつスピーディーで、次々にほどよく謎が提示されるので面白く読める。
    結末はなかなかに力技でエレガントさに欠けるが、環さんはこういうことも平気でやるのだという次への布石…と思っとこう。

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    2024年11月12日
  • 邯鄲の島遥かなり(上)(新潮文庫)

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    不思議な血脈の理由とか成り立ちとかが語られていくのか、と思ってたら、不思議な血脈はただそれぞれの短編の共通点なだけだった。
    でも一つ一つがすごく良い。ちょっとユーモアがあって。
    この先にまたイチマツは現れるのかな?
    続きが楽しみ。

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    2024年11月06日
  • 女が死んでいる

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    『乱反射』が面白かったので、全8話のサスペンス短編集を。

     どの話もうぁぁってうなる感じ。うまい。
    トリックというか、読者側の勝手な思い込みをうまく利用してるような、うまく誘導されてるような。面白かった。

     『母性という名の恐怖』が一番好み。

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    2024年11月02日
  • ひとつの祖国

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    初めはなんとなく青少年向けの可愛い革命ごっこかと思いながら読み始めたけど、格差社会と自由獲得の努力と権利、革命とテロ。巻き込まれた主人公はノンポリだったけど、自らの自由を勝ち取る過酷な道を選んだ。生きてる間に現実になってほしくはないね。

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    2024年10月31日
  • 悪の芽

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    少しづつみんなが善の芽を育てることを信じられれば、今日よりも明日の方が優しくなれる。
    絶望のきっかけは些細なことから始まる。決して自助努力では語れない部分。

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    2024年10月30日