貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「プリズム」
…ガラスなど透明体の三角柱で、光を屈折・分散させるもの。光の方向を変えるプリズムには種々な形のものもある。
推理小説に求める快楽って、正解を知ることだと思う。
これだけ長い文章の中で、自分流に推測を立てて「え?こいつか?いや…こっちも…」
なんて考え続けた結果、最後に導き出される正解に悦に浸る。
それが推理小説の醍醐味、そう思っている。
本作「プリズム」は、まずタイトルの秀逸さを感じる。
推理小説の手法は確かにプリズム的だ。
いろんな登場人物の主観的な目線から、被害者への思い、まだ見えぬ加害者への思いにバイアスがかかって、思考を分散させられる。
どの光を辿れば、本筋に辿 -
Posted by ブクログ
幼い子供がある事故で命を落とす。
おおくの多くの人のモラルのない行動が積み重なり、連鎖した結果引き起こされた悲劇であった。
自分の小さな過ちが直接的に大きな事故に繋がるは少ない。
しかし、偶然が重なれば取り返しのつかない事態になる可能性がある。
それを事前に予想するのは非常に難しい。
だからこそ自分の行動を振り返ってみて、「誰かに迷惑をかけていないか」、「不快な思いをさせていないか」といったことを考えることも必要だと思う。
モラルの欠如により、誰かの不幸に繋がるかもしれないからだ。
本書のような振る舞いを自分も無意識にやってしまっていることがあると気付かされた。
もちろん、罪に問われるよ -
Posted by ブクログ
とにかく設定が面白い。今の日本のディストピア感というか、不満の吹き溜まり感が、暴発を招くという設定に、説得力を与えるアイデアが素晴らしい。
冒頭から一気に引き込まれてしまって、ワクワクしたのだけれど…。
組織の中身がいろいろと明らかになるにつれ、荒唐無稽感が増していき、失速したように思う。自衛官との関わりももっと膨らませられたような気もする。
問題提起は鋭いだけに、もったいない。
余談だが、この手の小説にありがちな表現がここでも。
・なぜか男性は苗字、女性は名前で話が進む(自衛官の彼女は珍しく苗字だったが、男性扱いということか)
・なぜかとても強い女性はとても美人
男性エンタメ小説家に目新し -
Posted by ブクログ
ネタバレエリート銀行員が妻子を殺害する。動機は「本が増えて家が手狭になった」という理由で…。誰に聞いても「いい人」と評される男だが、過去に遡ると不審死を遂げた人物が周辺に何人もいることがわかる…
何人もの証言から、主人公が『死』に対して障害物を排除するように実行してきたのかという疑念が生じるが、殺人を自白したりする場面はなく、最後まで真相はわからずにモヤモヤ感が残る。(ネットには多くの考察があるよう)
2019年に松坂桃李主演でドラマ化され、見た記憶がある。U-NEXTで見返してみたが、小説のダイジェストのような内容だったなあ。
小説には無い雑誌記者の役柄で尾野真千子が登場し、最後に浮気した夫をア