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Posted by ブクログ
心臓移植を題材にした物語で、フィクションの面白さと医療制度についての学びを同時に味わえる一冊。現実にはどこまで起き得るのだろうと設定を自分なりに推し量りつつ、読み終える頃には制度や倫理への理解が少し深まった気がした。
心臓移植を受けた主人公が、術後に自分でも説明のつかない変化を感じ始めるところから物語が動き出します。ドナーの記憶や仕草が移るという設定は物語ならではだと思いながらも、食の好みや体質の変化なら現実にも起こり得る気がして、フィクションとリアルの距離が少し近づくような不思議な読み心地でした。また、自分の身に起こる変化を不思議に思いながらも、ただ翻弄されるのではなく“救われた命を大切にしよう”と前を向く主人公の姿がとても気持ち良かったです。
さらに、作中では移植医療の制度や術後ケアについて丁寧に触れられていて、物語を追いながら自然と知識が積み上がる構成。脳死判定や臓器提供の流れなど、普段あまり考える機会のない領域に触れることで、倫理観について立ち止まる場面も多かったです。
展開に都合の良さを感じる部分もありましたが、それ以上に「学び」の比重が大きく、読後は満足感が勝ちました。エンタメとして楽しめて制度の理解も深まる、今回は迷わず☆5です。
Posted by ブクログ
心臓にちょっと触りがあって、3ヶ月に一度、循環器内科の検診を受けています。
今日はその検診日で、病院の常として長い待ち時間を予想して、あと三分の一を残すのみとなった「転生」を読み進んでました。
読み終わって3分ほどで診察室に呼ばれた時、「じつは重篤で移植が必要…」と言われるような気になってしまいました。
これって高倉健のヤクザ映画を見終わった人が映画館から肩で風きって出てくるのと同じバージョンですね(汗)。
映画から出てきた人が数分で普通の人に戻ったように、診察室で「良好です。目立った問題はありません」で普通に戻ることができました。
ミステリー風味に書かれているけど、この小説のテーマはなかなか重いです。
Posted by ブクログ
心臓の病を抱えていた大学生の和泉は、ドナーを得て心臓移植手術を受けた。
術後の経過は順調で回復も早かったが、以前にはなかった身体の変化に戸惑う。
これはドナーの記憶や嗜好なのではないか…という疑問を持ち始め、それと同時にドナーへの強い興味を覚える。
しかし、ドナーの名前等は知ることが出来ないことになっている。
もちろんコーディネーターや医師が、それらを教えてくれることもない。
ただ、性別と年齢やどうしてなくなったのかまでは教えてもらえた。
ただ、和泉は奇妙な夢を見たことで、その夢に出てくる女性こそがドナーてはないかと確信し、その遺族を探すことを決意する。
しかし、それは容易いことではなかった。
もし、自分にも同じことが起こったら…?
きっと自分も同じ思いを持つと思う。
その行動力があるかは別として…
医学の発展の良し悪し等、深い題材。
2023.5.7
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