貫井徳郎のレビュー一覧

  • 罪と祈り

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    元警察官の男が殺害され、その息子と息子の幼馴染で現在警察官の男がその謎を暴いていく。様々な要素が絡まり、意外な真実が。
    現在と過去、交互に物語は進む。心理描写は丁寧だが、少し動機面が粗いか。しかしさすが貫井作品、骨太で面白い。

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    2023年07月28日
  • プリズム

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    結局、事故なのか事件なのか、その両方なのか。読者に委ねてる。プリズムっていうタイトルの意味が結構深かった。

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    2023年07月23日
  • 罪と祈り

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    警察官だった父が川に落ちて亡くなってしまう。死因は溺死のようだが,頭に殴られた跡があるとのこと。父の死に納得がいかない息子の亮輔は,友人で警察官の賢剛とともに,父について調べ始める。どうやら父は過去に秘密があるようで…。息子世代の現代パートと,親世代の過去パートが交互に書かれています。
    私も動機は無理矢理感もあったが、浅草の風景を舞台に、昭和の終わりの頃のばかげたバブルや、大喪の礼の頃の沈んだ雰囲気、その後の関わった人の悲しみなどは読みごたえがありました。

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    2023年07月23日
  • 崩れる 結婚にまつわる八つの風景

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    自註解説にて、収録の全8作とも90年代に書かれたものと知って腑に落ちた。
    時代は令和。舞台は平成初期。
    そのため少しそぐわない要素はあるけれども苦なく読める範囲。

    8作とも全てどことなく気持ち悪さが残る読後感。
    この背筋がゾッとする感覚は、酷暑にはうってつけかもしれない。

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    2023年07月18日
  • 私に似た人

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    2023/06/26
    #私に似た人
    #貫井徳郎

    《感想》
    「私に似た人」っていう題名にあった通り、
    読者側も、小説内の主人公たちも「私に似ているかも」と思う内容。

    テロを、題材にして
    日本では貧困層が社会を変えるべく、
    中間層や富裕層に洗脳され小口テロを起こすという話。(テロの内容はトラックでビルに衝突や通り魔など。)

    日本人は家族や身近な周りの人に対しては親切で、
    想いやりがあるけれど、それよりも距離が離れると無関心になってしまう。

    そして、

    みんな行動が一致して、序列を乱さない律儀系な国と言うけど、それが正しいかどうか考えておらず、思考が停止してる証拠なのかもしれない。

    という

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    2023年06月30日
  • プリズム

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    複数の推理と犯人候補が出てきて、どの推理も説得力があるのが特徴。読者として大いに気になってきたところで真相は明かされず、という点が斬新。

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    2023年06月17日
  • 警官の貌

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    警察小説、読み切り4編アンソロジー。
    警視庁捜査三課という華のある捜査一課に比べると地味な存在だか、魅力的コンビを登場さて読ませる今野敏。
    浅草署の留置係員の初老巡査部長でラストにはこう来るか!と読ませる誉田哲也。
    警視庁通訳センターの通訳捜査官と保安課の二人は独身寮時代は相部屋、現在は官舎の隣同士の縁。二人が合わさるとキレキレの活躍をするというお話の福田和代。
    残忍でショッキングな傷害事件で始まる、近未来的設定の貫井徳郎。
    何れもちょっと眺めの短編なので読見応えありのアンソロジー。

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    2023年06月15日
  • 罪と祈り

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    過去の出来事が、現代の事件の遠因になるというミステリーのひとつのパターンがあるが、本書のその一典型といえる。
    現代とバブル期とを交互に描き、登場人物たちがその関連性を徐々に明らかにしていく。バブル期という「時代に怒る」正義の念から起こした行動が、彼らの意図しない偶然性により不幸な結末を招く。
    「罪」を抱えたままの者たちが、ひとつの嘘により、さらに哀しい事態が引き起こされるというミステリー。
    罪を犯した者は罰を受けるのが必定、祈りはどこにあるのだろう。

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    2023年05月27日
  • 我が心の底の光

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    2023.05.27
    予定調和を吹き飛ばす終盤。
    いろいろ考えて読み進めてきた読者を良い意味で裏切ることができるのは、著者の強みだと改めて思う。

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    2023年05月27日
  • プリズム

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    小学校の女性教師が自宅で殺された事件を巡って、周りの人たちの視点で真相に迫る。
    Scene1が女子生徒、Scene2が同僚教師、Scene3がかつての恋人、Scene4が現在の不倫相手と。
    各自の推理で次々と疑わしい人間が変わる様が、題名の「プリズム」の所以だろう。

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    2023年05月12日
  • 微笑む人

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    ネタバレ

    果たして、人は相手のことをどこまでわかっているのか。わかった気になっているだけなのか。仁藤の二面性に恐怖を感じた。
    真の動機(いわゆる私たちが安心する結末)は判明しないけれど、このモヤモヤする終わり方が作者の伝えたかった事?なのかな?

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    2023年05月10日
  • 転生

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    心臓の病を抱えていた大学生の和泉は、ドナーを得て心臓移植手術を受けた。
    術後の経過は順調で回復も早かったが、以前にはなかった身体の変化に戸惑う。
    これはドナーの記憶や嗜好なのではないか…という疑問を持ち始め、それと同時にドナーへの強い興味を覚える。
    しかし、ドナーの名前等は知ることが出来ないことになっている。
    もちろんコーディネーターや医師が、それらを教えてくれることもない。
    ただ、性別と年齢やどうしてなくなったのかまでは教えてもらえた。
    ただ、和泉は奇妙な夢を見たことで、その夢に出てくる女性こそがドナーてはないかと確信し、その遺族を探すことを決意する。
    しかし、それは容易いことではなかった。

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    2023年05月07日
  • 罪と祈り

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    地上げ屋にこんなかたちで嫌がらせをされたら自分ならどうするだろう 警察に頼んでも解決されないなら、憤りと恐怖、ストレスで病気に、高い立ち退き料をもらっても人生が崩壊した家族も描かれる。義憤から一矢報いようと立ち上がり完全犯罪は成立するかに思えたが・・・巨大企業相手に犯罪という手立てだ立ち向かうことでむかえる悲劇。現代の七人の侍はつらく哀しい。

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    2023年04月29日
  • 宿命と真実の炎

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    真実と後悔の色の続編、貫井先生ならではの重厚な警察推理小説。犯人視点と警察の視点で描かれていく。前回の登場人物たちがたくさんでてきて個性も豊か。前回主人公だった西條もありがたいことに登場する。何故か村越はムロツヨシ、西條は西島秀俊で頭の中では再現されてしまった。推理小説ならではのトリックもあるが実写にしても面白そう。

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    2023年04月27日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    症候群シリーズらしいですね。最初はよく分からないまま進み、どうなんだろ?と思っていましたが、後半は一気に読みました。ちょっと痛い表現もあったりでしたが、全体としては面白かったです。症候群シリーズの他の作品も読んでみたいです。

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    2023年04月24日
  • 北天の馬たち

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    横浜・馬車道で、母親と喫茶店「ペガサス」を営む毅志は、2階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことになったのだが…。緻密な伏線と感動の結末のサスペンスミステリ。

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    2023年04月20日
  • 我が心の底の光

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    父は殺人を犯し、母は死んだ。5歳で伯父夫婦に引き取られ、中華料理店を手伝いながら、空腹とともに生きた。学校ではいじめに遭った。孤独の晄が向かう先にはいったい何があるのか…。

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    2023年04月20日
  • 壁の男

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    北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた子供の落書きのような奇妙な絵。決して上手ではないが、鮮やかで力強い絵を描き続ける寡黙な男の生き方。

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    2023年04月20日
  • 壁の男

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    男は何故、上手くもない稚拙で奇抜な絵を家々の壁に描いたのか?紐解かれていく男の悲しい過去が、じっくりと読ませる。伊刈と梨絵子の夫婦に何か違和感を感じてたけど、最終章で そういう事だったのね‥と、驚きと納得。しんみりとした読後感が良かった。

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    2023年04月20日
  • 女が死んでいる

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    以前、ビジュアルブックバージョンで読んだが、角川文庫版の同タイトルを読んでみたら、印象が少し違った。ライセンスの藤原さんが表紙にいる本では読んでいる時に物語の男性にその印象が付くが、ビジュアルの無いもので読むと違う男性像が出来て面白かった。

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    2023年04月16日