貫井徳郎のレビュー一覧
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解説の冒頭に『読者の中に自分はいじめとは完全に無関係だったと言い切れる人、子供の頃に誰かを傷つけた経験は無かったと断言できる人はいるだろうか?』…そんな問題提起がされる。
主人公は41歳のサラリーマン。一応順風満帆に社会を渡ってきた。ある日、アニメの大イベントでの無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。その後自らに火を付け動機不明のまま死んでいった犯人…この男が、小学校時代の同級生だったという事実。そして自分は過去に犯人をいじめていたことがある…犯人の動機は過去のイジメに端を発し、社会への憎悪を膨らませたのだとしたら、この事件は自分の「罪」なのか…そんなストーリーだ。
各章では別な人物からの視点…大量殺人をスマホ撮影したSNSがバズり人気者になった大学生、犯人が死んだため、大量殺人の原因になったと思われるいじめの加害者の主人公を尾行する、犯人に焼き殺された娘の母親。この事件をまた別の角度から語るのもちょっと面白かったな。
犯人のこれまでの半生を辿ってみると、病弱な子供を抱えるシングルマザーを支えていたということがわかり、さらに苦悩する主人公。もちろん大量殺人の罪は消えないが、どこで絶望して行為に及んだのか…真相は闇だ。
『悪の芽』というタイトルは、すべての人は犯罪の要因に加担してしまう可能性がある、その芽に知らず知らず水をやってしまうかもしれない…そんな恐ろしさを持っているということ。そんなことを思い、改めて姿勢を正した。 -
Posted by ブクログ
作家デビュー30年×実業之日本社創業125周年
貫井徳郎文庫作品 連続刊行プロジェクト 第2弾
600ページを一気読み!!!どんでん返しは何回あるのか!?
終戦直後と現代が複雑に絡み合う驚愕と感動のミステリ巨編!
話が四転五転六転する!?絶望の泥沼からの脱出!
事故で妻を喪い、失意のどん底にいた大学講師・松嶋は、自殺した作家の未発表手記を入手。離れ離れになった娘と一緒に暮らすために、作家の自殺の真相を究明し、名を上げようとするが……。複雑に絡み合った謎の果てに辿り着いた真実とは?
旧字旧仮名づかいの作中作が現代語となり圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった、圧巻のミステリ巨編!
解説/野地嘉文