貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ都市からやや離れた田舎町。
その町が脚光を浴びることになったのは、家々の壁に描かれた独創的な絵が、SNSによって話題にあがったからだった。
その絵はどちらかといえば下手な絵なのに、不思議と心が掴まれる。
ノンフィクションライターの肩書きを持つ「私」は、この絵の作者である伊苅という男を題材にしようと電車に飛び乗る。
そんな出だしなのに、「私」と伊苅が話をする場面は、あまり登場しない。
多くを語ろうとしない伊苅の代わりに、動きを与える役割を担う人物として「私」がいるということなのかもしれない。
そして、絵によって変化する町を語る第一章の時点で、読んでいる側はふと違和感を覚える。
「このシーンは、クライマックスで語られるものではないのか?」
そんな予感は、第二章以降、伊苅の背景が語られるにつれて、ある意味その通りになっていく。
どうして、この構成にしたんだろう。
読み終わって、率直な疑問だった。
この小説は、章を入れ替えるだけで、きっと読後の印象を変えてしまう。
伊苅自身というより、描きたかった(絵)ものは何か?がテーマになっているように読めた。
脱線するが、伊苅の妻、梨絵子と、伊苅の母という二人の女性が印象的だった。
どちらも「才能を持つ女性」でありながら、そのために不幸を背負ってもいる。
特に梨絵子の、自分では自分を認められず、他者からの評価や好意に縋ってしまうところ。
そのことを「自分が悪い、いなくなればいい」と言うことで、結局は自分でシャッターを下ろしてしまう部分に共感もする。
その意味では、一度下ろされたシャッターを、絵を通して、他者から言葉をかけられていく過程には、伊苅の「通路回復」の意味があったのかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった
最初僕たちはミツコ先生と呼んでいるをツッコミ先生って空見してたからつっこんでくる美人な先生かと思ってた
教え子、同僚、元恋人、不倫相手(最初の教え子の父親)の視点からそれぞれ事件の真相を探るのが面白い
最後まで犯人わからないっていう終わり方で若干拍子抜けしたけどそこまでモヤモヤしなかった
睡眠薬入りチョコレート関連でそのチョコを贈った南条先生ともと付き合ってた同僚の先生がなんで昔睡眠薬を使ったことあるのを知ってるのか謎だった
なので犯人はこの先生と友達が悪戯されどうにか仕返ししたい大人びた山名さんかな?と思ったけど、それだと辻褄が合わないことも多い
名前思い出せないけど、同僚の女教師が天真爛漫すぎて一緒にいると自己嫌悪になることから訃報を聞いた時に少し喜んでしまった罪悪感から犯人探しするためにミツコに、関係のある人に接触しまくるのなんか違和感すごかった
そんな理由で元彼に会ったりしてて事件楽しんでるんじゃ?って感じた
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Posted by ブクログ
ネタバレしがない田舎の私立探偵が元カノの妹から受けた依頼を受け殺人事件の調査を依頼される
しかし調査を続けてるうちに別の殺人事件とぶつかりそれを調べてるとさらに別の殺人事件と繋がり・・・とまさに【ドミノ倒し】のように繋がっていく。追えば追うほど謎が深まるミステリー
名探偵を自称しハードボイルドを気取る主人公のキャラは三枚目な方で、どちらかというと迷探偵な印象。そのため作中の推理が外れているように感じて最後まで真相を読みきれなかった
そして真実が明かされたとき、その内容に背筋が凍った
とても恐ろしくゾワッとなった
読んでいた印象としては『ひぐらしのなく頃に』を思い出した
キチンと言えば違うんだけど、ダム戦争を連想した
無事解決!というようなスッキリとした終わりかたではなかったのが少しモヤっとしたけど、基本的には面白かった -
Posted by ブクログ
二回目のワクチンの副反応にやられながらも、ただ横になっているのも落ち着かない。
あれやこれや考えて眠れないので、分厚いこの本を読んで過ごすことにした。
若い女性ばかりを狙い、殺害後に人差し指を切り取る「指蒐集家」が社会を震撼させていた。
捜査一課のエース西條は、遺体の第一発見者となった交番勤務の若い警官大崎と事件を追うことになる。
男同士の腹の探りあい、何度も振り出しに戻る捜査、そのうちにまた新たな被害者が出た。
鼻につくタイプの西條に恨みを持つ人間は沢山いたとしても、あまりに理不尽なやり方で失脚させる綿引。刑事ものは結構読むが、多忙過ぎて家庭を省みず最悪な夫婦仲になっているパターンの内容が多過ぎると思う。
が、実際に知り合いの刑事はバツイチだからあながち間違いではないらしい。
本をベッドから落としたまま眠ってしまったり、腕の痛みで読み進めるのに時間がかかってしまった。
西條のその後が気になっていたが続編もあるらしいので、読んでみたい。
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Posted by ブクログ
小学校の女性教師が自宅で変死。物語は4つの章で出来ていて、各章ごとに被害者と関わりを持つ者達が主人公となり、それぞれ独自の推理で様々な犯人像を描いていくミステリー。
慟哭に続き貫井徳郎作品連読。
いやはや、率直に面白かった。私の好きなやつだ。
各章の主人公は、女性教師の謎の死をテーマに、別の主人公を犯人と仮定し、推理を持って根拠固めを行っていく。
しかし、次の章の主人公の独白により、その理由がくつがえされ、別の真実が明らかになり、新たな推理が生まれる。と思えば、次の章でその推理は成り立たなくなり…
と、推理の構築と崩壊の無限ループ。
見る角度を変えることで如何様にも変化する。
そう、正に表題通りプリズムだった。
そして結末たるや否や…
賛否が分かれる作品と思われるが、謎解きの過程を楽しむ私のような方にはハマるのではないだろうか。
ちなみに私はミスチルの【Prism】という曲が好きだ。
『転んだ時だけ 気付くコンクリートの固さ』
そうだよな。
痛みだけじゃなくて、固さ、冷たさ、情けなさ、悔しさ。ふとした出来事で、改めて色んなことに気付かされるよな。