貫井徳郎のレビュー一覧

  • 誘拐症候群 <新装版>

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     症候群シリーズ第2弾。シリーズものではあるが、前作とは雰囲気を異にしている。前作の失踪症候群は、何らかの理由で新しい自分として生きていきたいと願う失踪希望者を利用した犯罪だったが、今回はそういったものを利用するのではなく、犯人が初めから存在し、誘拐を行うという一般的な犯罪形式となっている。
     2パターンの誘拐事件が同時に起こり、それぞれが分離展開していくという構図なので「あっちはどうなった?」「こっちはどこまで進んだ?」といった感じで、どんどんとページを進めてしまう面白さがある。
     どちらの誘拐でも、人間のエゴのようなものがにじみ出ており、最後まで目を離せない展開が続き、読みごたえがあった。

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    2021年01月07日
  • 新装版 修羅の終わり(下)

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    3人がどうつながり、結末がどうなるのか気になって一気読みしたが、スッキリしない部分が多い。
    読解力がないのか?特に鷲尾のオチ。ドキドキがガッカリに変わる。

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    2020年12月29日
  • 壁の男

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    最初に提示されるちょっと不思議な現象。なにそれ?そんなことある?いったいどうしてなの?と感じる読者。そして、その読者を納得させるためだけにあの手この手で延々と語られる物語。如何に読者を納得させられるか、に挑戦した小説。
    そんな印象。
    貫井さんの巧みな語り口は素晴らしく、なんていうか、するすると読めてしまう。いつの間にか引き込まれ、感情移入してしまっている。今回もまんまと術中にはまってしまった。
    流れに身を任せて読むのが良い。素直に感情移入するのが良い。そして行き着く先で、心に灯をともそう。

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    2020年11月12日
  • 我が心の底の光

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    タイトルにある光って、どこ?どこにあんねん?底にもないわ!って思ってしまう。
    こんな酷い幼少期を過せば、普通の人と違った考え方、価値観が発生する可能性はあるんやろうけど。
    その価値観で、主人公が動くので、こちらの予想を裏切られまくり…(ーー;)
    (貫井さんマジックにかかるとも言う)
    自身の生涯をかけての復讐劇。そんな復讐とかしても何にもならんよ!とは言えないしね。
    で、最後にまた、裏切られる予想…_| ̄|○

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    2020年10月31日
  • 宿命と真実の炎

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    貫井徳郎『宿命と真実の炎』幻冬舎文庫。

    山本周五郎賞受賞作『後悔と真実の色』の続編。最後まで予測不能の異色の長編警察小説。

    まさかの事実と様々な複線、驚きのトリックと真相によくぞ思い切ったなと感心。間違いなく前作より面白いが、犯人の動機と犯行のバランスに多少の違和感。

    幼き日に警察に運命を狂わせられた渕上誠也とレイは証拠を残さずに次々と警察官を殺害する。女性刑事の高城理那はセクハラおやじの上司と共に、この難解な事件を捜査する。前作で警察を辞めた西條を事件捜査に巻き込み、警察官連続殺害事件の真相に近付く理那……

    本体価格930円
    ★★★★

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    2020年10月13日
  • 壁の男

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    ネタバレ

    最後まで読まないとわからないが、最後まで読むと面白い。

    現実でこういう人がいるのか!ってくらいの優しい人。
    こういう人になれるのは、素晴らしいことだと思った。

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    2020年10月02日
  • 壁の男

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    ネタバレ

    第4章まで読み終えた段階では、貫井氏の作品としては、やや物足りなさを感じていた。しかし、第5章を読み終え、伏線の回収の見事さにも感心したが、それ以上に、伊苅の生き方に強い感動を覚えた。一体、どれだけの人が伊苅のような生き方ができるだろうか。

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    2020年09月30日
  • 崩れる 結婚にまつわる八つの風景

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    貫井さんの本を読むのは前回が何だったか思い出せないほど久しぶり。すごく面白かった。旅先で読める気軽な1冊。飲みながら飲むのにもいいかも。

    結婚にまつわる8つの物語。どれもこれも怖い。現実的な心理描写と紙一重での非現実的な展開のバランスが癖になる。

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    2020年09月21日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    最初は続々と登場人物が出てくるので、今一つ名前が頭にはいってこなかったけれど、誰が環のチームかわかってからは、どんどん読み進めていけた。無駄のない洗練された文章。
    若者たちの失踪の黒幕が意外にチンケな理由だったり、親子のすれちがいだったり、やけにリアルでした。

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    2020年09月29日
  • 壁の男

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    北関東に家々の壁に原色で描かれた稚拙で奇妙な絵で話題となり注目を集める小さな街があった。描いているのはすべて、ひとりの男だという。ライターの「私」が周囲に取材を重ねるうちに真実と男の孤独な半生が明らかになってくる。時系列を遡っていきパズルがはまってくる。子供の部分には感動してしまった、久々の貫井さんだがさすが。★5に近い4

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    2020年09月19日
  • 私に似た人

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    大きなものではないけれど、頻発する小口テロ。
    小口テロに関わる10人の目線から描かれている。
    人に無関心、でも関係のない人までを巻き込むテロ。
    貧富の差や日本人や国の変化。
    何か深い…ちょっと、考え込んでしまう…

    2020.9.16

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    2020年09月16日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    タイトルだけ見て猟奇殺人を連想しましたが、犯罪遺族の復讐を買って出る職業殺人の話。復讐じゃ幸せは戻ってこないのだな、と思うけど、自分が遺族だったら犯人を殺したい気持ちも出てくる気もする…。

    そしてこれが◯◯症候群シリーズ三部作の最終作だったことを解説を読んで知りました。これから読んでも十分楽しめます。他シリーズも読んでみたいです。

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    2020年08月12日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    犯罪を犯した未成年者が死んでいる
    おそらく誰かが手を下していると考えた環は原田、武藤、倉持を集めるが、倉持は仕事を断る

    ドラマで見ていたので話の流れはわかっていました。
    小説ならではの見せ方だなぁと
    小説では苗字と名前と書き分けると別人のようにみえるってところがいいですよね
    ドラマだとその点は難しくなる
    犯沢さんみたいにはしにくいし

    ドラマはドラマでよかったけれど、小説もよかった
    。だだ話の内容とか重さがわかっているだけに読むのが大変だった

    最初の2件の事件が起きた時点で、やりきれなくなりページをめくる手が止まってしまいました
    大切な人を理不尽に奪われるのは辛すぎる
    刑法39条なんてもの

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    2020年08月05日
  • 後悔と真実の色

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    連続女性殺人事件に挑む刑事、西條。周辺に起こる出来事に捜査本部を追われ、ついには辞職する。ミステリー好きな読者であれば、犯人は早い段階からわかるものの、トリックや謎解きの面白さはあった。全体的に良く考えて構成された作品であり、貫井徳郎で読んだ本の中では一番面白かった。最後まで浮かばれない主人公に同情。679ページの大作。

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    2020年07月11日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    人物描写が的確かつ鮮明に描かれているので、登場人物が増えてもこれは誰?となることは全くなかったです。発表当時から何年経っていても色鮮やかに感じられるストーリーで、最後まで一気に読み進められました。
    個人的に、それまでがかなり丁寧に描かれていたのに完結までの流れがバタバタしてしまい、もう少しボリュームをとって書いていただきたかったと感じました。

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    2020年05月01日
  • 新月譚

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    読みやすかったので、一気読みしました。
    サスペンスではないかな?
    大恋愛の話なような。。
    恋愛話は好きではないけど、よかったです

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    2020年04月09日
  • 女が死んでいる

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    どんでん返し8連発に惹かれて作者の作品、初。ミステリーとして面白かったのは断然「殺意のかたち」だ。逆にうーん?って思ったのは、二重露出。調子良すぎ?「母性という名の狂気」はありそうで怖かった。レッツゴーは可愛い話で、こういう姉妹って良いなあと憧れてた。ミステリーとはちょっと違うけど。

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    2020年03月20日
  • ドミノ倒し

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    貫井徳郎さんの作品は、読み始めた後と読み終えた後の印象が全然違う。
    これが貫井徳郎さんの作品の面白さ、病みつきになってしまう理由。

    結末を知った上で、もう一度読みたくなってしまう作品です。

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    2020年02月12日
  • 警官の貌

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    警察小説の短編集4作。
    はじめて読む方もいたけどどのお話も面白い!
    今野敏、誉田哲也は裏切りませんな。

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    2019年10月09日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    【ネタバレ】失踪症候群を読んだあと2冊目をとばしてこの作品を読んでしまったため、なぜ環と武藤の関係が少しギクシャクしているのか分からなかったのだが、さらに、少し好感をもっていた倉持の行動に困惑させられた。
    今までにも少年法と私刑を扱う小説をいくつか読んだが、中でもこの作品はかなり過激な表現も多く、読者に課題を突きつける内容となっている。
    被害者の私刑(復讐)に対する様々な考え方が示されており、結末も私にとっては複雑に苦いものであった。

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    2019年10月06日