【感想・ネタバレ】我が心の底の光のレビュー

あらすじ

母は死に、父は人殺し、そんな峰岸晄は暗い少年時代を送っていた。孤独の闇の中で、晄が向かう先は――。八〇年代のこの国に生を享けながら、豊かさとは無縁に飢えて育ち、感情を殺して生きる晄の、心の底に差す光は何なのか? 全編を覆う「無温の世界」。身を震わせるラストの衝撃! 胸を撃ち抜く傑作長編!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃ辛かった。
苦しかった。
明かされるまで、一体何が目的の復讐なのか分からなかった。
タイトルにある、心の底の光も、怜菜のことだと思ってた。
子供心に大切にしていたもの。
救って癒してくれたもの。
その復讐のために生きていくというのは、苦しいけれど、生きがいにはなる。生きる目的があるのは強い。
結末は明るくはないと思っていたが、こうも残念とは。でも目的が達成できたから、いいのかな。
慎司への思いも意外だった。
でも、良かった。

子どもを大切にしなきゃと改めて思った。
不幸な子を生み出すのは、とにかく親だ。

颯太、好きだったなあ。

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2021年07月28日

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最後までダークな展開が続きますが、スピード感があってサクサク読み進めることが出来ました。
普通の人生が分からなくなってしまった主人公が生きる指針とするもの、その正体は確かに衝撃的でしたが、一方で納得感もありました。
中弛みせず読める・主人公が暗め・人生について考えさせられる、という作品が好きな人にはオススメです。

個人的には、話の中盤である登場人物が主人公に言った「笑わない人は誰にも助けてもらっていない人」というセリフが印象的でした。それは、まるでこのセリフが自分に言われているような気がしてしまったからです。私自身、年齢を重ねるに連れて人を頼るのが下手になっていると実感します。どうしても意地を張ってしまったり、他人に迷惑を掛ける訳にはいかないから自分で頑張らなければ!と気負ってしまいます。もしかすると、自分も助けられることが出来ず、笑っていないのかもしれないと気付かされるようなセリフであり、このセリフを言われた主人公と自分が少し重なるように思えました。少し都合がいいかもしれないですが、たまには笑って助けてもらうことを大切にしたいと思います。

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2021年05月06日

Posted by ブクログ

なんと!!!
衝撃のラスト・・・

トラスケのくだりがとってもトラウマになる。読んだ後、夜眠れなかった・・・
人間のエゴであんな目に合うなんて。
言ってしまえば、主人公のエゴも入っている。
責任感もなく連れて行ったことであんな目に。
までも5歳だから、やっぱ周りの責任が大きいな。

小説でなければ続いていくはずの、様々な「これから」を思うと・・・
どうするのが正解とかわからないな。

トラスケのことが衝撃的すぎるし、忘れられない作品になりそう。

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2019年06月09日

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十四歳から二十九歳までの晄の行動。十四歳までの出来事。最後まで心にあったのは、本当にささやかな小さな光。
そんなに小さなものでも生きるよすがになるのか……。
そんなささやかなものしか手元になかったのか……。
もっと……別の生き方が………

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2018年06月11日

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2023.05.27
予定調和を吹き飛ばす終盤。
いろいろ考えて読み進めてきた読者を良い意味で裏切ることができるのは、著者の強みだと改めて思う。

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2023年05月27日

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父は殺人を犯し、母は死んだ。5歳で伯父夫婦に引き取られ、中華料理店を手伝いながら、空腹とともに生きた。学校ではいじめに遭った。孤独の晄が向かう先にはいったい何があるのか…。

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2023年04月20日

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晄(こう)の父親は殺人を犯し、そして母親は死亡 5歳だった晄は母の兄である伯父夫婦に引き取られ、中華料理店を手伝いながら暮らして行きます。

「晄、十九歳」の章に描かれている母親からのネグレスト(育児放棄)の場面は壮絶で目を覆いたくなりました。

晄が果たして行く復讐は「悪」ではあるけれど、晄の苦し過ぎた幼少期を考えれば止むを得ない行動にも思えて来ます。

復讐の相手は大方予想は付きましたが、ラストに明らかになる復讐の動機はあまりにも切なすぎて苦しくなりました。

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2021年02月04日

Posted by ブクログ

タイトルにある光って、どこ?どこにあんねん?底にもないわ!って思ってしまう。
こんな酷い幼少期を過せば、普通の人と違った考え方、価値観が発生する可能性はあるんやろうけど。
その価値観で、主人公が動くので、こちらの予想を裏切られまくり…(ーー;)
(貫井さんマジックにかかるとも言う)
自身の生涯をかけての復讐劇。そんな復讐とかしても何にもならんよ!とは言えないしね。
で、最後にまた、裏切られる予想…_| ̄|○

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2020年10月31日

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この人の本は展開を読者に読ませない。で、読めたと思ったら読み違いというか、勝手に読み違っていた。読者の感情移入を裏切ってくれる。解説でも語られているように、灰色の虹を読んで本作を読むと、筆者の書き分けは多彩だと思う。

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2019年07月03日

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ネタバレ

暗い。光を感じるシーンなんてひとつもない。

ネグレクトを受けて餓死する寸前、父親が母親を殴殺する現場を見てしまった子どもの一生は、こんなふうになってもきっと不思議じゃない。彼の復讐相手がしたことを振り返ると、いくぶん逆恨みの要素も入っているように思えます。それでも誰かに復讐せずにはいられない。そこにしか生き甲斐を見いだせないから。

主人公の心の動きについてまったく書かれず淡々としているのに、心を揺さぶられます。貫井さんにはここ数年の何冊かでガッカリさせられましたが、久しぶりに読み応えがありました。映画化希望。

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2019年05月17日

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母親のネグレクトにより餓死寸前で奇跡的な救出等、悲惨な幼少期を過ごした晄。ふさぎ込んだ性格によって友達が出来ない晄だが、そんな晄にも幼馴染の怜菜と慎司がいた。
常に晄の事を心配し思いを寄せる怜菜とその怜菜に恋心を抱き、晄の従弟でもある慎司。3人は全く違った性格で進路も別になるのだが、特に晄は特別な道を歩む事となる。晄の成長とその時々の生業が意味する事とは。。。最後にこんな展開になるとは。貫井さん、この終わり方、嫌いじゃありません!

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2018年11月01日

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”胸の奥を打ち抜く驚愕のラスト!!”なんていう、

この帯を見たら、読みたくなっちゃいますよね~。



晄は、5歳の時に母の兄である伯父夫婦に引き取られた。

晄の父は殺人犯で、母も死んだ。

中華店を経営する伯父夫婦は晄に対してとても辛く当たった。

遊ぶ暇もなく、店でこき使われ、学校では陰湿ないじめに遭い

次第に心を閉ざしていく晄。



そして、社会に出た晄は、孤独の中で生きていた。

ある計画を実行するために・・・



確かに、えっ?!という感じで、思い描いていたラストではなかった。

晄にとっての、心の底の光が、切なくもあり、また怖くもあり・・・

印象に残る一冊となった。

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2018年09月21日

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主人公は、猫に対する罪悪感から「自分は幸せになろうとしてはいけない、なってはいけない」と、思い続けていたのじゃないかと感じた。似た境遇の日野に出会えたことですら、主人公の心は開かなかった。闇が深すぎて、ただただ猫の元へもう1度行きたいだけ、それだけで生きていたのかと思うと、胸が苦しくなる。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

話は十四歳の峰岸晄から始まる。
その頃の晄は苛められていた。
そして、話は晄の十六歳、十九歳、二十一歳、二十五歳、二十九歳と続く。
その中の回想で、晄が四歳の頃に死の淵をさ迷うような壮絶な暮らしをしていたことがわかる。
そして母は亡くなり、父は人殺しという状況で、五歳の時には母の兄である伯父に引き取られた。
そして、その後の晄は高校、就職と進んでいくが、正直まともな人生とは思えない。
何事にも感情を表さず、人との付き合いも淡々としたものだった。
だけど、晄の生き方には晄の考えがあった。
ラストは衝撃だったが、晄の人生にも何度も衝撃を受けた。

2024.2.15

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2024年02月15日

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非常に評価が難しい。
展開、よくできており、グイグイ引き込まれる。
文体、読みやすい。
主人公、唯一無二。
ラスト、様々なレビューで記載されているとおり、驚愕。
また「イヤミス」に分類されていることが多いようだが、嫌な感じというより、同情が先に来る。
読み応え十分の作品ながら、結末が悲しく、★は3つ

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2021年07月27日

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主人公・晄。
幼い子供が絶望しかない時間を過ごす。子を持つ親として、その状況を想像すればするほどに苦しくなるる。

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2021年02月15日

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あまりにもムゴイ幼少期を過ごした主人公が復讐をする。復讐の仕方にグロさはあまり感じなかった。
しかし、最後、玲奈を助けない所が、主人公の目的が徹底しているなと感じた。

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2020年06月17日

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価値観というのは人それぞれで、他人から見たら理解できないものに執着したり、逆に「大事にすべき」と無条件に思うであろうものをないがしろにしたり。特にこの主人公のように特殊な環境で育った人は、その感覚が周りから大きくずれてしまうことも仕方ないのかもしれない。結末を腑に落ちないと感じることは、所謂「普通」と言われる感覚なのかな。
でもやっばり奥行きが足りなく感じ、★3つ。面白かったんだけどなー

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2019年09月30日

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幼くして人間の温もりを失った峰岸青年。生きることに強い執着を抱きながらも、普通の人生を捨てた彼の心の底に差す一筋の光とは何か。衝撃のラストが心を抉る長編小説。
驚愕の結末ではあるが、伏線の張りかたに工夫がないことと、主人公に感情移入ができなかったことで、読後はモヤモヤ感だけが残る。彼の人生に関わった多くの人々の報われなさが気になって仕方ない。

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2019年03月07日

購入済み

あまりにも悲壮過ぎ
読んで気持ちが暗くなった

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2019年01月30日

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「底の光」の「底」が誰にも誰にも理解出来なければ覗く事も出来ない。決して、主人公以外には、感じることが出来ない心の底。淡々と飄々と生活をし、感情がない様に思うけど……きっと誰よりも感情が溢れてる人間に思えました。だからこそ、愛情に執着し、復讐を実行するんだと思う。感情がないロボットのように冷淡で……と後書きにあるけど、私には憎しみ・悲しみ・愛して欲しい……そんな主人公の感情が溢れてるように思えました。最後の「え?」ていう展開は貫井サンに又、やられました。復讐という光……なのかな。

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

以前読んだ「愚行禄」が面白かったので注目している作家さん。
お終いまで読んで、「えっ?そこなの!」と驚愕。(他の方のレビューを読んでもそういう感想が多かった。)
しかし、自分がもし晄のような壮絶な生い立ちだったら、果たしてそのような感想を持てたか。
理解しがたくても晄にとっては、心の中にあるたった一つの光だったんだろう。

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2019年01月19日

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旅の時間つぶしにと本屋で購入。淡々と現代の犯罪を描いている点では平成史を語る作品として読める。解説を読んでなるほどと思わないでもないが、動機がこれでいいのか。どこに光があったのかと思わざるを得ない。

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2018年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼いころから孤独だった晄の復讐の物語。最後、復讐の理由を明かされたとき、悪い意味で衝撃だった。子どもの頃の悪い記憶が晄をこんな風にしてしまうのか。。

颯太との出会いは人を信じるきっかけにはならなかったのか。。

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2018年05月31日

Posted by ブクログ

貫井徳郎『我が心の底の光』双葉文庫。

悲惨な幼少期を過ごした主人公・晄の復讐の物語。余りにもスムーズに進む復讐劇と呆気ない幕切れのギャップに評価は半減。

前半の展開から、もっと深い重い作品かと思ったのだが…

幼少期に両親を失い、伯父夫婦に引き取られた主人公の晄は学校での陰湿ないじめと伯父夫婦の冷たい仕打ちに耐えながら、孤独の中を生き抜いていく。数年後、社会に出た晄は復讐の計画を実行に移す。

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2018年05月03日

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