貫井徳郎のレビュー一覧

  • 新月譚

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    他人から見えてる自分てほんのほんの一部でしかないな。
    理解し難い経歴も、人生を辿れば見えてくる何かがある。
    こう生きるしかなかった和子の気持ちにとても共感した。
    貫井徳郎ならではの小説家がえがく小説家。
    貫井さんてこうやって小説書いてるんや〜(違うか)ってワクワクした。

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    2024年07月08日
  • ひとつの祖国

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    東京都知事選、小池百合子圧勝のニュースを見ながら、本書を読み終えた。
    人間の闘争本能は文明の進歩をもたらしたのか?
    世界の至るところで、戦争が続き、平和を求める声は力を持たない。空虚なものとして響き渡っているだけなのか?
    闘争本能のない人間社会はあり得るのだろうか文明の発展とは人間の発展と結びついているのだろうか?

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    2024年07月08日
  • ひとつの祖国

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    空想と笑えない。実際、この国は怒りと不満が充満。だけど、誰もが息潜め、様子見。格差と資本主義テーマの小説多くなってきたなぁ。「なぜ格差がある。平等でない理由。人には上に立ちたいという欲がある。自尊心を保つために誰かを見下さずにはいられない。それが人間の本質」「人間らしく生きるには闘争本能必要。捨てたら家畜同然」闘争本能が地球を壊しているにしても…。

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    2024年07月03日
  • 乱反射

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    以前ドラマで見た事があった気がして何となくおもしろかった印象で未読であった原作を今回読んでみました。

    結論、とても考えさせられて普段の自分の行動を見つめ直すきっかけにもなりました。

    日常で深く考えずに行っているような些細なズルい、後ろめたい行動が複雑に絡み合った時、もしかしたらなんの罪もない人を殺してしまう可能性だってあるという話です。

    正直、自分が登場人物の加害者側だったらこの本の人たちと同じように自分に責任は無いと被害者に隙を見せない為に主張してしまうのだろうなと思います。

    被害者側だったら主人公のようには冷静には考えられず、もしかしたら加害者達?と言っていいのか分かりませんが、一

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    2024年07月02日
  • ひとつの祖国

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    日本が大日本国(西日本)と日本人民共和国(東日本)に分断されて、ベルリンの壁が崩壊する頃に日本もひとつの国に統一される…。
    その後、四半世紀を過ぎたが西日本と東日本の格差は埋まらず、再び東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍する。
    意図せずにテロ組織に関わってしまった一条を幼馴染の自衛隊特務連隊の辺見が追うこととなる。

    2人の幼馴染のやりとりが少ないまま、架空の日本でのテロ。
    それは東日本対西日本というより、上級国民と下層民の闘いかと思われたが、テロ組織のなかで一条が逃げようとまで思ったのがとんでもない情報を知ったからで…
    アメリカにも知られてはならない…
    中国やロシアまでもが、一条を追うのか…

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    2024年06月25日
  • 龍の墓

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    著者の作品の中では珍しい、読後感爽やかな本と言える。
    VRゲームという現代的な要素の入った本格的ミステリ。

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    2024年06月21日
  • 龍の墓

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    たまたま2作続けて大人の「引きこもり」。人間不信から引きこもりになった主人公。邪気のない失言に正義の暴走。よくある話だけど、さらにゲームを模しての殺人事件。世間の不寛容さからVRに逃避していた主人公が大活躍。2つのミステリー楽しめ得した気分に。「どうして人はこんなにも簡単に騙されてしまうのだろう。少しでもいいから疑ってくれればいいのに」「人はなぜ他者を攻撃するのか。叩いてもいい“溺れる犬”そこまでの怒り抱える人の精神構造がわからない」

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    2024年06月20日
  • 微笑む人

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    ネタバレ

    ミステリーに謎解きの爽快感を求めている人には向かない本。作者の手のひらで転がされた挙句、最後に放り投げられたような感覚だけど個人的には好き。真実を考察するのも無粋な気がする。

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    2024年06月09日
  • 乱反射

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    「未必の故意」を残酷に描いた長編。
    本書の最後のパートで、「ノンフィクションでは描けないこと」「小説だから可能なこと」が理解できた。ノンフィクションが必ずしも事実を描けるわけではないのだ。

    前半は無関係の人物たちの日常を描いているため退屈に感じた。ストーリーとしても繋がらないので、散漫な印象。
    だが、後半に入り、事故が起きたポイントからバラバラの人生が収束していく。視点人物の新聞記者が独自調査を進めていく流れから、個々人の些細なルール違反の連鎖が重大な事故を引き起こした事実が浮き上がってくる。
    前半の退屈さは後半のパズルのために必要なパートなのだ。

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    2024年06月04日
  • 龍の墓

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    あまり評価は高くないようだけど、私は楽しめた。

    VRとミステリを絡めた作品はよく見かけるようになったが、その中では抵抗感がなく、すんなり読めた。
    RPGでドラクエとかFFをやってた世代だからか?ゲームの中でも、アバターを使って人間同士がやり取りするような内容だとついていけないので、多少のレトロ感もちょうど良かった。
    (そういう意味では、スーファミくらいでも十分だったかも)

    ゲームの中でも、ちゃんと伏線回収があって、ミステリの基本に忠実。そのぶん、現実の世界が少々薄くなってしまったけれども…

    近未来感があまりわからず、また現実の事件の解決があっさりだったので、そこはちょっと残念。

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    2024年05月18日
  • ひとつの祖国

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    第二次世界大戦後、東日本と西日本に分断されソ連とアメリカに統治された世界。その後、ソ連邦の崩壊、東西冷戦の終結に伴い再び統合された日本は、格差が固定化し、貧困が蔓延る旧共産主義国である東日本の独立を標榜するテロ組織が暗躍していた。
    意図せずしてテロ組織に関わることになった一条と彼の幼馴染で自衛隊特務連隊に所属する辺見。立場をことにする二人の友情の行方は……


    戦後日本が2国に分断されたら、という割とよくある設定のSF的手法によりながら、富裕層と貧困層の格差の固定、資本主義の行き詰まり、文明の発展と人間の進化、希望が失われた社会の行く末など、現代社会の諸問題を余すところなく描き切っているという

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    2024年05月14日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    失踪、誘拐は少々物足りなかったが、こちらは大満足。
    しょうもない復讐ドラマが溢れてるが、復讐ってこういことだよな、と。

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    2024年05月13日
  • プリズム

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    ネタバレ

    読みやすくてすいすいページが進んだ。
    複数の視点で書かれているけど、登場人物がそれほど多くないのでわかりやすかった。
    でも、え?これで終わり?と唐突なエンディングにびっくり!
    なるほどー。結末が重要視されないとはこういうことか。
    思わせぶりな終わり方。

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    2024年05月02日
  • ひとつの祖国

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    なんと言っても日本が第二次大戦後のドイツのように東西に分離してしまうという発想のすごさに驚異を感じてしまいました。そして首都が大阪になってしまう物凄さ東京はどうなるのだ。東日本が貧民が多いなんて嫌ですよね。革命を起こすMASAKADOの驚異が良く描かれていました。息もつかさぬ展開に読む手が止まらりません。もう一気読み間違いなしの大傑作、驚異の発想の展開、一条の先行きが知りたくて続編を望みます。あなたも読んでこの驚異を堪能して下さい。

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    2024年04月10日
  • 龍の墓

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    皆さん評価厳しめですが、私は楽しめました。

    新しいジャンルのミステリなんでしょうね。
    私が書くとネタバレしてしまうのでどこが新しいかはぜひ読んでみてください。
    本筋とは違う驚きもあり、そこまでするかとエエッとなりました。

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    2024年04月04日
  • 龍の墓

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    今まで読んだことない新しいスタイルのミステリーだった。
    現実世界での殺人事件とゲームの中で起こる殺人がリンクしていてその意味を推理していく。
    残り20ページでもまだ犯人分からず、
    でもトリックが分かると消去法でそうなるのね〜。

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    2024年03月23日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    6名の作家さん自らが推す、どんでん返し小説の決定版!短編小説ながら何れも濃ゆい内容で仲々楽しめる小説本だと思います。
    どんでん返しのイメージで読むと多少違う感じがするがある意味、どんでん返しだと思います。
    スラスラと読めて大変面白い仕上がりです。
    著名な作家さんの小説がこの一冊で読めるので大変お得だと思う。

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    2024年03月07日
  • 後悔と真実の色

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    ネタバレ

    かなりの長編ながら一気読み!
    切れ者の西條刑事の生活が途中からどん底に落ちるのがびっくりした。
    主人公の刑事がホームレスになるとは。。
    薄気味悪い連続殺人事件だったけれど、ネットの書き込み等小細工がきいててなかなか面白かった。

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    2024年03月05日
  • 龍の墓

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    貫井徳郎の最新作は、なかなか面白いプロットのミステリー作品でした!ゲームの中の世界で起こる連続殺人事件と瓜二つの連続殺人事件が現実世界で発生し、犯人がこのゲームのミステリーを巧みに利用した犯罪という内容が面白かったです!さすがは貫井徳郎という物語の視点でした!

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    2024年02月25日
  • 明日の空

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    作品紹介を読んで興味を持ち、BOOK・OFFで購入。

    なるほどなるほど。あの行動はこういう理由があったのね。
    あのときのあれは、ここに繋がるのね。
    最後まで読むと、なんの脈絡もないと思っていた文章にちゃんと意味があったことがわかる。
    わかったうえで、もう一度読みたくなる。

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    2024年02月17日