【感想・ネタバレ】追憶のかけら 現代語版のレビュー

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Posted by ブクログ

長いぞ〜! 643ページ!
前半はのんびり読み始めましたが、中盤から夢中になり勢いづきました!! 殺人の起こらないミステリーです。二転三転ではありません、四転五転…?って感じでした。あ〜面白かった。

何度自慢するんだ?って言われそうですが(許して)先日行った、貫井徳郎さんと天音涼さんのトークショー&サイン会で購入し、そうです!サインをいただいた本です(^^)
その場での貫井さんご本人の説明もありましたが、この作品は元々、作中作の手記部分が、旧字旧仮名づかいで発表され、文庫化されていたもので、20年経った今回、その作中作が現代語となり、圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった!というものです。
「読みやすくなったけど、旧仮名づかいだったものが、勿体無くないですか?」と聞かれた貫井さん、
「ん〜、旧仮名遣いのは、文春文庫で残ってるからいいかなって」
って、軽く明るく答えてらっしゃいました。私は現代語の方が読みやすいのでありがたいですう〜。

さて、手記部分は、時代が戦後、ということもあり、辛く暗い部分もありますが(この手記がまた長い!)作品全体を通しては、語り口は明るい印象です。いや、主人公の松嶋はむしろ、自己肯定感が低い?ってくらいのウジウジ体質ではあるのですが、大人のオトコでありながらも、成長しなきゃダメだよっ!って叱咤激励したくなるタイプだけど、でも、謎が謎を呼ぶ迷路のような中を、よく頑張りました。

やっぱり、人は一面のみにあらず、だなあ〜と感じ、でもって、憎しみや悪意を持ち続けるエネルギーがあるなら、それは別の生きる力に変える方が良いよね、とつくづく思ったのでした。

印象的だったところ少し。
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人は時として過ちを犯す。その過ち自体は許し難くとも、償おうという気持ちまで否定していいものではない。

生来の内気さが、感情の噴出を妨げたのである。その時の私はそれでよいと思ったが、今となっては強く後悔している。

なるほど、彼らの計画の根底には必ず《悪意》があるのだ。彼らにとって《悪意》は、効率よりも優先されるものらしい。

なのにわたしは、第一歩のあの日を忘れていた。(中略)なんと愚かなことか。
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まだまだ未読の作品もあるけど、やっぱり、ぬっくんは読み続けたいなあ〜と思うのでした。

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2022年08月23日

Posted by ブクログ

文庫本643頁とボリュウム満点だが、終着点がどこになるのかの焦燥感で、たちまちのうちに読み終えた。
作中作が265頁もあり、これだけでひとつの作品と言えるし、いわば「一粒で二度美味しい」とのフレーズを思い出した贅沢なミステリー小説。
作中作が現代語版であったが、旧字旧仮名づかい版の方が、さらに戦後間もないという臨場感が味わえただろう。
自殺した作家の未発表手記を手に入れた大学講師が、自殺の真相を究明すべく行動を起こす。彼には、妻を事故で亡くし離れ離れになっている娘と一緒に暮らすために名を挙げようという目的が。
手記に登場する人物たちを訪ね歩くうちに、何やら複雑な謀が仕掛けられていることに。ジェットコースターの如くにめまぐるしく二転三転する展開に、読者も翻弄される。
調査の過程で講師は、真実はどこにあるのかと、運命の皮肉を思い、絶望の淵にも。
最終的には、夫婦の絆の確かさに心が温められ、充足感に溢れた読後感となる。

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

読み応えがありました。展開がコロコロ変わり、どういう結末になるのか分からず、最後まで私を連れて行ってくれました。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

『佐脇氏の手記』のくだりのあたりはまどろっこしかったが、その後の展開力は強烈の一語に尽きる。ラストの手紙は反則でしょう。泣ける。

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2023年02月21日

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