あらすじ
600ページを一気読み!!!
どんでん返しは
何回あるのか!?
終戦直後と現代が複雑に絡み合う
驚愕と感動のミステリ巨編!
話が四転五転六転する!?
絶望の泥沼からの脱出!
事故で妻を喪い、
失意のどん底にいた大学講師・松嶋は、
自殺した作家の未発表手記を入手。
離れ離れになった娘と一緒に暮らすために、
作家の自殺の真相を究明し、名を上げようとするが……。
複雑に絡み合った謎の果てに辿り着いた真実とは?
旧字旧仮名づかいの作中作が現代語となり
圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった、
圧巻のミステリ巨編!
解説/野地嘉文
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Posted by ブクログ
長いぞ〜! 643ページ!
前半はのんびり読み始めましたが、中盤から夢中になり勢いづきました!! 殺人の起こらないミステリーです。二転三転ではありません、四転五転…?って感じでした。あ〜面白かった。
何度自慢するんだ?って言われそうですが(許して)先日行った、貫井徳郎さんと天音涼さんのトークショー&サイン会で購入し、そうです!サインをいただいた本です(^^)
その場での貫井さんご本人の説明もありましたが、この作品は元々、作中作の手記部分が、旧字旧仮名づかいで発表され、文庫化されていたもので、20年経った今回、その作中作が現代語となり、圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった!というものです。
「読みやすくなったけど、旧仮名づかいだったものが、勿体無くないですか?」と聞かれた貫井さん、
「ん〜、旧仮名遣いのは、文春文庫で残ってるからいいかなって」
って、軽く明るく答えてらっしゃいました。私は現代語の方が読みやすいのでありがたいですう〜。
さて、手記部分は、時代が戦後、ということもあり、辛く暗い部分もありますが(この手記がまた長い!)作品全体を通しては、語り口は明るい印象です。いや、主人公の松嶋はむしろ、自己肯定感が低い?ってくらいのウジウジ体質ではあるのですが、大人のオトコでありながらも、成長しなきゃダメだよっ!って叱咤激励したくなるタイプだけど、でも、謎が謎を呼ぶ迷路のような中を、よく頑張りました。
やっぱり、人は一面のみにあらず、だなあ〜と感じ、でもって、憎しみや悪意を持ち続けるエネルギーがあるなら、それは別の生きる力に変える方が良いよね、とつくづく思ったのでした。
印象的だったところ少し。
ーーーーー
人は時として過ちを犯す。その過ち自体は許し難くとも、償おうという気持ちまで否定していいものではない。
生来の内気さが、感情の噴出を妨げたのである。その時の私はそれでよいと思ったが、今となっては強く後悔している。
なるほど、彼らの計画の根底には必ず《悪意》があるのだ。彼らにとって《悪意》は、効率よりも優先されるものらしい。
なのにわたしは、第一歩のあの日を忘れていた。(中略)なんと愚かなことか。
ーーーーー
まだまだ未読の作品もあるけど、やっぱり、ぬっくんは読み続けたいなあ〜と思うのでした。
Posted by ブクログ
作家デビュー30年×実業之日本社創業125周年
貫井徳郎文庫作品 連続刊行プロジェクト 第2弾
600ページを一気読み!!!どんでん返しは何回あるのか!?
終戦直後と現代が複雑に絡み合う驚愕と感動のミステリ巨編!
話が四転五転六転する!?絶望の泥沼からの脱出!
事故で妻を喪い、失意のどん底にいた大学講師・松嶋は、自殺した作家の未発表手記を入手。離れ離れになった娘と一緒に暮らすために、作家の自殺の真相を究明し、名を上げようとするが……。複雑に絡み合った謎の果てに辿り着いた真実とは?
旧字旧仮名づかいの作中作が現代語となり圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった、圧巻のミステリ巨編!
解説/野地嘉文
Posted by ブクログ
貫井さん♪♪
妻を不慮の事故で亡くし、失意の中にある大学講師の松嶋は、50年前に自殺した作家の未発表手記を入手する。
残された娘と一緒に生きていくために名を上げようと、手記の発表に向けてその作家の自殺の真相を探ることに。
するとそこには思いもよらない悪意が存在し、松嶋を陥れようとしているのだった。
640頁もの長編だったけど、中弛みもなくめっちゃ面白かった〜!
物語は現在と、手記の内容が作中作として同時に語られていく構成。
私が読んだのは改訂版で、元々は手記の部分が旧かなづかいだったのを、現代語にして読みやすくしたものらしい。
お人好しで単純な松嶋にあ〜あ〜と思いながらも好感をおぼえる。
首謀者が一体誰なのか分からず二転三転していく展開が面白かったな〜。
ただ予想外の首謀者とその動機にちょっと拍子抜けしてしまった。
ラストの妻からの手紙にじわっと( ᐪ꒳ᐪ )
読後も良くとても好きな作品でした!
Posted by ブクログ
文庫本643頁とボリュウム満点だが、終着点がどこになるのかの焦燥感で、たちまちのうちに読み終えた。
作中作が265頁もあり、これだけでひとつの作品と言えるし、いわば「一粒で二度美味しい」とのフレーズを思い出した贅沢なミステリー小説。
作中作が現代語版であったが、旧字旧仮名づかい版の方が、さらに戦後間もないという臨場感が味わえただろう。
自殺した作家の未発表手記を手に入れた大学講師が、自殺の真相を究明すべく行動を起こす。彼には、妻を事故で亡くし離れ離れになっている娘と一緒に暮らすために名を挙げようという目的が。
手記に登場する人物たちを訪ね歩くうちに、何やら複雑な謀が仕掛けられていることに。ジェットコースターの如くにめまぐるしく二転三転する展開に、読者も翻弄される。
調査の過程で講師は、真実はどこにあるのかと、運命の皮肉を思い、絶望の淵にも。
最終的には、夫婦の絆の確かさに心が温められ、充足感に溢れた読後感となる。