貫井徳郎のレビュー一覧

  • 夜想

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    新興宗教の様な団体が自然発生的に出来上がっていく様は、面白かった。深い悲しみがあった時に、同情ではなく共感が欲しいと思う気持ちがよくわかります。雪藤と子安嘉子の話が同時に進みますが、精神崩壊や救済について明暗でした。救ってくれるのもまた人ですね。

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    2017年04月05日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    症候群シリーズのドラマが始まる前に積んでた本に手をつけました。環や武藤など、まだ謎のままなので次作でいろいろと明かされていく感じでしょうか?失踪から共通点を見つけて地道に捜査していくのも面白かったです。托鉢僧って、気になるキャラだなぁ。

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    2017年04月04日
  • 夜想

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    絶望の度合いというのは人によって違うのだろう。
    どんなことでも、例えそれが他人から見て些細なことだったとしても、心が深く暗い穴に落ちていくきっかけになる。
    耐えられないほどの哀しみに襲われたとき、きっと人は自分を守ろうとするのだろう。
    生き続けるための防衛本能が働き、気づかないうちに周囲に壁を作ろうとする。
    今以上に傷つかないために、もうこれ以上に哀しまないために。
    宗教というのは何だろう?
    どうして人は宗教にすがろうとするのだろう?
    人は人によって支えられ、人を支えることで生きていく喜びを得る。
    誰かに頼られること。
    それは自分自身の存在意義にもなる。
    宗教というものがよくわからないのだが、

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    2017年03月20日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    評価は4。

    内容(BOOKデーターベース)
    殺人を他人から依頼されて代行する者がいるかもしれない。警視庁の環敬吾は特殊工作チームのメンバーを集め、複数の死亡事件の陰に殺し屋の存在がないか探れと命ずる。事件の被害者はみな、かつて人を死に至らしめながらも、未成年であることや精神障害を理由に、法による処罰を免れたという共通点があった―愛する者を殺されて、自らの手で復讐することは是か非か。社会性の強いテーマとエンターテインメントが融合した「症候群三部作」の掉尾を飾る傑作!

    殺人の被害者保護に関することは永遠の課題だと思う。ここに着眼点を置いておりとても興味深く読めたが・・・響子の浅はかな行動や考

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    2017年02月22日
  • 誘拐症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    評価は4。

    内容(BOOKデーターベース)
    誘拐事件が連続して起きていた。しかし数百万程度の身代金を払えば子供が無事帰ってくるため、泣き寝入りのケースが多く、警察は誘拐があったことに気づかない。ネット上で“ジーニアス”と自ら“天才”を名乗り、闇に身を潜める卑劣な犯人を炙り出す。警視庁の影の捜査チームに招集がかかった。だがその時、メンバーの一人、武藤隆は、托鉢中に知り合った男のために、別の誘拐事件に巻き込まれていた―ページを繰る手がとまらない、面白さ抜群のシリーズ第2弾!

    今回は特殊メンバーの中の托鉢僧をしている武藤にスポットが当たっている。メンバーが何故今の仕事をしているのか?明らかにな

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    2017年02月20日
  • 愚行録

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    一家惨殺事件の被害者に関わる人々が
    それぞれの立場で自分や被害者の話をしていくという設定が
    おもしろかった。

    話の終結も、この人がこんな風に関係してたんだ!
    という感じで、
    最後まで予想できない展開だった。

    以前に読んだ
    角田光代の「坂の途中の家」を思い出させるお話。
    人の印象というのは
    それを語る者のフィルターがかかる。
    それは絶対じゃなくて、
    あくまでも語った人が感じたイメージでしかない。

    最後はちょっと重く切ない。。

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    2017年02月16日
  • 失踪症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    評価は4。(3寄り)

    内容(BOOKデーターベース)
    失踪した若者たちに共通点がある。その背後にあるものを燻り出すべく、警視庁人事二課の環敬吾は特殊任務チームのメンバーを招集する。私立探偵・原田征一郎、托鉢僧・武藤隆、肉体労働者・倉持真栄。三人のプロフェッショナルは、環の指令の下、警視庁が表立って動けない事件を、ときに超法規的手段を用いても解決に導く。失踪者の跡を追った末、ついにたどり着いた真実とは。悪党には必ずや鉄槌を下す―ノンストップ・エンターテインメント「症候群シリーズ」第1弾!

    特殊任務チームのメンバー設定は個性的で面白いと思ったが、個人個人は意外と喧嘩も個性も弱い。別に托鉢僧じ

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    2017年02月15日
  • 夜想

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    事故で妻子を亡くした雪籐は、偶然町で出会った美少女の天美遙の特殊能力に救いを求める。
    彼女の力はやがて多くの人を虜にし、活動は膨れ上がっていく。
    やがて宗教化していくが、そこには幾つもの壁が立ちはだかる。

    2017.1.8

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    2017年01月08日
  • 北天の馬たち

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    軽めの話だとおもっていたら、
    しっとり、ミステリー。
    ひとつひとつ、
    あったかい気持ちに包まれながら、
    意外な展開を追っていくうちに
    そこ、繋がるのかーーー!
    と、一気読み。
    多くを語らずとも、
    真の友情で結ばれたいい男たち。
    空を見上げ、また会えることを願う…

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    2017年01月03日
  • 被害者は誰?

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    一風変わった視点への挑戦と読みやすさに★4つ。
    叙述トリック、探偵のキャラ、その他諸々、
    好みが大きく分かれそう(自分は"好き"なほう)。

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    2016年12月28日
  • ミハスの落日

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    ネタバレ

    貫井さん、短編は初読み。表題作。舞台はスペインのミハス。老紳士の一人語りから始まるため、新月譚を思わせた。第三者(ジュアン)がいることで“アリーザとオルガス”の互いを想う心の描写の表現に感嘆した。最後のジュアンの敢えて言わない優しさ。二編目、ストックホルム。ビデオショップに勤めてる男と偉大な父を持つ男(彼もまた刑事)の二視点から綴られる物語。前者が殺した相手には驚愕したが、それ以上にストーリィがホント巧いわ。三編目、サンフランシスコ。三人目の夫も事故で亡くした女とそれを不審に思った保険調査員の物語。まさかの犯人に声を失う。彼は罪悪感すらなく、ただ魔法を使った?だけだと思っているよう。将来が大変

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    2016年11月22日
  • 悪党たちは千里を走る

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    作者にしては珍しいコメディタッチのクライムサスペンス。
    意外だったのは身代金の受け取り方法。現代的で、かつ斬新だった。それ以外は大した驚きのない物語。でも、キャラの魅力はあるし、読みやすいので、結果楽しめた小説だ。別の案件で続編があってもいい。

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    2016年11月19日
  • 北天の馬たち

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    ネタバレ

    著者の作品は賛否が分かれがちな、どちらかというと後味の悪い作品っが多いと思うのだが、本作は珍しくまっとうな作品ではないだろうか。勿論話を強引に進める部分もないではないけれど。
    人物造形がいまいちなところが気になった。

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    2016年10月31日
  • 後悔と真実の色

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    猟奇的連続殺人事件がテーマの推理小説かと思っていたら、警視庁9係の刑事が次々と登場。
    刑事の性格付けが丁寧に描かれており、警察小説の趣き。
    やがて、その中の一人の刑事が主役となり、不倫や夫婦問題の果て、過酷な運命の変転をたどり、男の転落を描いた人間ドラマの様相に。
    一筋縄ではいかない話の展開に、文庫本679頁もたちまち読み終え、小説の楽しみを堪能した。
    解説に「本格ミステリと人間ドラマの融合」と書かれてあるが、言いえて妙である。

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    2020年07月18日
  • ミハスの落日

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    海外を舞台にした短編集。密室殺人の謎が明かされる表題作を含む5篇から成る。いずれの短編も貫井さんらしいどんでん返しがあり、楽しく読めた。海外モノだから、ちょっと読みにくいかなと思いつつ本書を読み始めたけど、とても読みやすくまたしても一気読み。表題作や「カイロの残照」が気に入ったかな。どれもがいたたまれなくなる読後感。貫井さん、長編が好きだけど、短編もなかなか読み応えありでした。

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    2016年10月27日
  • 北天の馬たち

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    探偵事務所の二人と喫茶店のマスター。三人三様の性格が面白かった。探偵さん二人の過去に隠された事実に息苦しくなる。やっぱり帰って来て欲しい‥‥

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    2016年10月17日
  • 夜想

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    ネタバレ

    本筋とは関係の無い娘が家出した母親の話が時々割り込んでくる。それが、本筋と交差した時に伏線が回収される、ってのはよくある話だが、最終的にその母親と主人公である雪藤の状況が見事に対比されているわけだね。
    ミステリーとしてのどんでん返しも中々良いし、不幸からの救いの話としても味わい深い。

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    2016年09月12日
  • 微笑む人

    購入済み

    もう少し

    結論を読者に任せるのはいいが、そのためには全ての情報を開示するべきだと思う。
    主人公の「私」にはもう少しやるべき事(やれる事)があったと思う。
    主人公には時間の制約があったわけでは無いので、この結末で筆を置く理由が全く無い。
    さすがに文章は上手く、実際のワイドショーを見せられている気分になる。全体のテンポもよかっただけに最後の主人公の突然のあきらめ感が残念。

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    2016年06月05日
  • サイドストーリーズ

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    またあの人たちに会える喜びとまだ知らない人たちの日常を垣間見れるお試し的感覚。
    何作か読みたい本も見つかってとっても得した気分。

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    2016年05月30日
  • 被害者は誰?

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    良質な短編推理モノ。
    うまく練られているな。

    貫井さんの作品っぽくないかな。
    悪い意味ではないけどね。

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    2016年05月29日