貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「探偵もの」ではあるが、ちょっと毛色が変わっている。
「主人公」は、喫茶店のマスター。
自分の店の二階を人に貸しており、
その部屋に二人組の探偵が入居してくる、
というところから物語が始まる。
そのうち、喫茶店の営業が暇な時は、
探偵仕事を手伝うようになるマスター。
二人の探偵とも仲良くなり、仕事も面白いが、
何故か二人との間に「溝」を感じるマスター。
やがて「探偵仕事」とは言えないような案件を
手伝うように言われるようになり、徐々に膨らむ違和感。
が、多くは説明してくれない探偵達。
溝が段々と深く広くなっていくようで...
やがて、とある事件に巻き込まれたことをきっかけに
ふいに行方 -
Posted by ブクログ
”胸の奥を打ち抜く驚愕のラスト!!”なんていう、
この帯を見たら、読みたくなっちゃいますよね~。
晄は、5歳の時に母の兄である伯父夫婦に引き取られた。
晄の父は殺人犯で、母も死んだ。
中華店を経営する伯父夫婦は晄に対してとても辛く当たった。
遊ぶ暇もなく、店でこき使われ、学校では陰湿ないじめに遭い
次第に心を閉ざしていく晄。
そして、社会に出た晄は、孤独の中で生きていた。
ある計画を実行するために・・・
確かに、えっ?!という感じで、思い描いていたラストではなかった。
晄にとっての、心の底の光が、切なくもあり、また怖くもあり・・・
印象に残る一冊となった -
Posted by ブクログ
ネタバレ連続殺人犯を追う警視庁捜査一課の群像劇。
巧妙な伏線や、複雑な人間模様、登場人物たちの描き分け、たっぷりのボリュームで読み応えもあって、やっぱり貫井さんの警察小説はオモロい。
主人公西條がクールでカッコ良いなぁ、後半とあることをきっかけに低迷没落していくのだが、その落ちっぷりもカッコ良い。目的のためなら人に嫌われようが気にしない男という設定については、読んでいる限り、そうそう嫌われるタイプでもないように思う。部下や後輩をむやみに使うことやショバを超えて捜査の手を伸ばすところが嫌われる要素っぽいが、むしろ上層部や政治家に媚びたり、情報をリークしたり、そういうヤツらこそ、嫌われると思うのだが?
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Posted by ブクログ
一家惨殺事件が起こる。その一家は夫は有名な不動産会社の社員で、奥さんは美人。子どもは2人。家も裕福で誰もが羨むような家族だった。
その被害者家族に関係する人々をインタビューしていき、色々な人の目線で被害者を見つめていく。まさかインタビュアーがと思うも、後の祭り。
冒頭で児童虐待のニュースがあり、その後インタビュー形式で物語が進んでいき、さらには合間合間で気になる兄妹の会話がある。どこでこれらが繋がっていくんだろう?と気になり読み進めていくことになるが、最後までわからないまま。そう繋がったか!とラストはスッキリ。頭ではスッキリするも、心はスッキリできない内容。
1人に対して -
Posted by ブクログ
時間があるときに読んでいたら、これ一気読みできるほど面白かったと思う。
次の展開がどうなるか、犯人の出方が読めなかったので。
だけど忙しくて、細切れの時間の中で読んだので、一気にのめりこめない分、欠点に目が行ってしまった。
まず、武藤がかかわっていた方の誘拐事件は、展開が読めました。
犯人が分かったわけではないけれど、結局こういう事件になるんだろうなと予想した中での最悪のパターン。
そしてジーニアスの方。
こっちが最初は面白かったんだけど、ジーニアスにたどり着くまでの道のりは、あまりにも幸運頼みで。
だって、人があふれかえっている競馬場で、探している男に出会えるのってどれくらいの確率?
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Posted by ブクログ
序盤から次々と人が死んでいきます。
圧倒的に強い童貫軍。先を読む力も、梁山泊の面々よりはるかに上。
人数でも圧倒している彼らと、どう戦ったらいいのか。
総力戦。
全ての人が、自分のできる限りを尽す。
それでも苦しい戦い。
同志が死んでいく。
読んでいてつらいなあ。
蘆俊義(ろしゅんぎ)も魯達(ろたつ)も死んだ。
戦場の死ではなかったけれど、彼らもまた戦いの中に死んだ。
ああ、でも、魯達は楊令(ようれい)の中に梁山泊を遷したな。
もう誰が死んでもおかしくないけれど、李逵(りき)は生きて終わってほしいな。
早く大人にならなければならなたっか楊令のそばに、大人なのに子どもの心をもつ李逵がいてく