貫井徳郎のレビュー一覧

  • 北天の馬たち

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    「探偵もの」ではあるが、ちょっと毛色が変わっている。

    「主人公」は、喫茶店のマスター。
    自分の店の二階を人に貸しており、
    その部屋に二人組の探偵が入居してくる、
    というところから物語が始まる。

    そのうち、喫茶店の営業が暇な時は、
    探偵仕事を手伝うようになるマスター。
    二人の探偵とも仲良くなり、仕事も面白いが、
    何故か二人との間に「溝」を感じるマスター。

    やがて「探偵仕事」とは言えないような案件を
    手伝うように言われるようになり、徐々に膨らむ違和感。
    が、多くは説明してくれない探偵達。
    溝が段々と深く広くなっていくようで...

    やがて、とある事件に巻き込まれたことをきっかけに
    ふいに行方

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    2018年10月22日
  • 我が心の底の光

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    ”胸の奥を打ち抜く驚愕のラスト!!”なんていう、

    この帯を見たら、読みたくなっちゃいますよね~。



    晄は、5歳の時に母の兄である伯父夫婦に引き取られた。

    晄の父は殺人犯で、母も死んだ。

    中華店を経営する伯父夫婦は晄に対してとても辛く当たった。

    遊ぶ暇もなく、店でこき使われ、学校では陰湿ないじめに遭い

    次第に心を閉ざしていく晄。



    そして、社会に出た晄は、孤独の中で生きていた。

    ある計画を実行するために・・・



    確かに、えっ?!という感じで、思い描いていたラストではなかった。

    晄にとっての、心の底の光が、切なくもあり、また怖くもあり・・・

    印象に残る一冊となった

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    2018年09月21日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    最初からどんでん返しが用意されていることは
    分かっているので、その部分は期待するところではなく
    どういうどんでん返しになるのか、
    それよりも途中で語られている何気ない描写に
    その時きづくことができたか、なども楽しめる。
    推理ものとおもって読み始めたら
    いきなりホラーな感じで、ユーモア、悪夢、
    もちろん謎解き、コンパクトながらも
    ぎっしり詰まった感じの物語を様々楽しめた。

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    2018年08月30日
  • 愚行録

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    再読。一気読み。関係者の話を聞いていく形式なので読みやすい。映画で三度驚くとあったけど納得。オチのインパクトは強く、それでいて冒頭から退屈せず引き込まれるように読めた。愚行録、のタイトルが秀逸。登場人物は皆愚かで、だからこそ最後まで誰が犯人でもおかしくないと思えて混乱。最後のページのインパクトも凄い。この話は凄いと思う。伏線見落とすこと間違いなし。

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    2018年07月25日
  • 北天の馬たち

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    横浜にある喫茶店を継いだ若きマスターの毅志。
    2階の空いたスペースに探偵の皆藤と山南が越して来てからは2人に憧れて、仕事を手伝ったりもしていた。
    しかし、何かおかしい…手伝った事件には何か違和感を覚えるのだった。
    不思議に思ったことをそのままにしておけない毅志は動き始める。
    そして知り得た事実は…

    普通の探偵ものとは違った展開で面白かった。

    2018.7.22

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    2018年07月22日
  • 後悔と真実の色

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    ネタバレ

    連続殺人犯を追う警視庁捜査一課の群像劇。
    巧妙な伏線や、複雑な人間模様、登場人物たちの描き分け、たっぷりのボリュームで読み応えもあって、やっぱり貫井さんの警察小説はオモロい。

    主人公西條がクールでカッコ良いなぁ、後半とあることをきっかけに低迷没落していくのだが、その落ちっぷりもカッコ良い。目的のためなら人に嫌われようが気にしない男という設定については、読んでいる限り、そうそう嫌われるタイプでもないように思う。部下や後輩をむやみに使うことやショバを超えて捜査の手を伸ばすところが嫌われる要素っぽいが、むしろ上層部や政治家に媚びたり、情報をリークしたり、そういうヤツらこそ、嫌われると思うのだが?

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    2018年07月22日
  • 被害者は誰?

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    被害者は誰?
    目撃者は誰?
    探偵は誰?
    名探偵は誰?
    以上4編の短編集。
    4編それぞれに殺人事件が起こる
    それを解決するのは超売れっ子作家の吉祥院慶彦。
    吉祥院慶彦の大学時代の後輩で警視庁捜査一課の刑事桂島は事件の詳細を吉祥院に告げ解決に導く。
    と書くと硬い小説のような感じがするが吉祥院と桂島の掛け合いが何かと面白くて殺人事件という硬い内容が若干ゆるく感じた。
    4編それぞれ最後にドンデン返しのような感じになっているのではまってアッと言う間に読み終えました。面白かった。

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    2018年05月04日
  • 後悔と真実の色

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    文庫本689ページの分厚さがそのまま
    犯人検挙までの途方もない困難さを表しているようでした。
    ページを進むたびに、少しずつ少しずつ
    犯人に近づいていると感じるスリル。
    読み進めるうちに頭に描いた犯人像は
    遂に逮捕された犯人とほぼ同じ・・・
    それなのに最後まで犯人がわからなかった私が感じたのは
    まんまとしてやられたにも関わらず満足感でした。
    読んだ直後にもう一度最初から読み直したくなる
    最上級の警察小説です。

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    2018年04月30日
  • 悪党たちは千里を走る

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    貫井さんのミステリーとしてはとても軽快なテンポの良い作品であった。貫井さんのミステリーといえば、どんよりと暗ーい、はたまた、少々グロテスクな表現が思い浮かぶは、このミステリーには全くでてこない。いうなれば、少々文字数は多いが、ミステリーの入門としてお勧めできる一冊と感じた。かといって、これで貫井さん入門としてほかの小説に手を出すと少し衝撃を喰らうかもしれない。

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    2018年04月27日
  • 新装版 修羅の終わり(下)

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    今年初の貫井作品。この作品を読む大分前に宝島社の『貫井徳郎症候群』を読んでいたからか、鷲尾パートが確かにアレだなぁ、と。勿論、面白かった…よ(^^; でも、犯人?に繋がった時の衝撃は——。複雑で分かり難かった…。実際の公安の活動もこんな感じなの?星三つ半。

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    2018年02月28日
  • 被害者は誰?

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    ネタバレ

    お手軽で気軽に読める1冊。
    だけどロジックはなかなかに深くて
    読み応えもたっぷりで面白い。

    貫井さんの作品は「慟哭」以来。
    同じ著者とは思えない。

    シリーズ化して欲しいなあ。

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    2018年02月25日
  • 愚行録

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    一家惨殺事件が起こる。その一家は夫は有名な不動産会社の社員で、奥さんは美人。子どもは2人。家も裕福で誰もが羨むような家族だった。
    その被害者家族に関係する人々をインタビューしていき、色々な人の目線で被害者を見つめていく。まさかインタビュアーがと思うも、後の祭り。

    冒頭で児童虐待のニュースがあり、その後インタビュー形式で物語が進んでいき、さらには合間合間で気になる兄妹の会話がある。どこでこれらが繋がっていくんだろう?と気になり読み進めていくことになるが、最後までわからないまま。そう繋がったか!とラストはスッキリ。頭ではスッキリするも、心はスッキリできない内容。

    1人に対して

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    2018年01月23日
  • 転生

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    「臓器移植」に材をとった社会派ミステリーである。デリケートなテーマでありつつも、ファンタジー性、家族愛、友情、恋愛に、科学・医学の蘊蓄など盛りだくさんの内容で難解さも無く、分厚さが全く苦にならない面白さだった。ラストの落とし所も、題材の重さとエンタメの嘘とのバランスが丁度よい。

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    2018年01月08日
  • 誘拐症候群 <新装版>

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    時間があるときに読んでいたら、これ一気読みできるほど面白かったと思う。
    次の展開がどうなるか、犯人の出方が読めなかったので。
    だけど忙しくて、細切れの時間の中で読んだので、一気にのめりこめない分、欠点に目が行ってしまった。

    まず、武藤がかかわっていた方の誘拐事件は、展開が読めました。
    犯人が分かったわけではないけれど、結局こういう事件になるんだろうなと予想した中での最悪のパターン。

    そしてジーニアスの方。
    こっちが最初は面白かったんだけど、ジーニアスにたどり着くまでの道のりは、あまりにも幸運頼みで。
    だって、人があふれかえっている競馬場で、探している男に出会えるのってどれくらいの確率?

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    2017年11月15日
  • 明日の空

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    『私に似た人』に続き、貫井作品ちょうど20作目。貫井先生にしては珍しい青春ミステリィ。確かに“どんでん返し”でした。二章の主人公が一章の飛鳥部君だと、思ったんだけど違った… (^^; 三章に至っては(山崎さんが)今度こそ飛鳥部君かと思ったら、また違った… (^^;; こうゆう結末を迎えるとは思いませんでした。面白かった!星四つ。

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    2017年11月07日
  • 私に似た人

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    貫井先生、ゴメンナサイ…あなたを最後まで信じ切れなかった——。奈良坂俊和まで読んでこれは(※前[読んだ]作『ドミノ倒し』が貫井作品一の駄作だったので)はまた駄作か?と頭を過ぎりました、が、最後の章で評価は一変。まさかこう来るとは…。そう遠くない未来を見ているようでした。星4つ半。

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    2017年10月13日
  • 新月譚

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    貫井徳郎は微笑む人に続き2冊目。整形をしてそれまでの人生を捨て、女流作家になっていく主人公。執筆に掛ける作者の気持ちを代弁している感じ。ボリュームがあり、読み応えはあった。一人称で進んでいくので、これだけの量を読むと主人公と同化していく。結末はほの悲しく、主人公への共感が増して幕が閉じます。
    普段使わない漢字を多用するので、アプリで読み方を調べる回数が今までで一番多かった本です(笑)

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    2017年09月09日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    ネタバレ

    自薦のアンソロジー。有栖川有栖「書く機械」と東川篤哉「藤枝邸の完全なる密室」は再読。法月綸太郎「カニバリズム小論」はずっと教科書のようにカニバリズムについての話が続いて嫌になったけど、最後は面白かった。これぞどんでん返しか。旅のお供には気軽に読めて良かった。

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    2017年09月09日
  • 鬼流殺生祭

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    序盤から次々と人が死んでいきます。
    圧倒的に強い童貫軍。先を読む力も、梁山泊の面々よりはるかに上。
    人数でも圧倒している彼らと、どう戦ったらいいのか。

    総力戦。
    全ての人が、自分のできる限りを尽す。
    それでも苦しい戦い。
    同志が死んでいく。

    読んでいてつらいなあ。
    蘆俊義(ろしゅんぎ)も魯達(ろたつ)も死んだ。
    戦場の死ではなかったけれど、彼らもまた戦いの中に死んだ。
    ああ、でも、魯達は楊令(ようれい)の中に梁山泊を遷したな。

    もう誰が死んでもおかしくないけれど、李逵(りき)は生きて終わってほしいな。
    早く大人にならなければならなたっか楊令のそばに、大人なのに子どもの心をもつ李逵がいてく

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    2017年09月07日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    内容が重過ぎて、心の整理がつかなくて、なかなか読み進めなかった。小説としては、凄いです。読み終わった今は、クタクタです。

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    2017年08月27日