貫井徳郎のレビュー一覧
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舞台は横濱の馬車道。洒落たカフェ・ペガサスを母と切り盛りする毅志は、父が存命中に公認会計士オフィスとして使用していたカフェの二階のテナントを募集していた。その特殊な構造からなかなか借り手が見つからなかったのだが、そこに奇妙な男二人・皆藤晋と山南涼平が現われた。二人はペガサスの二階で探偵事務所を開業したのだが、皆藤達の仕事に興味津々の毅志は、カフェでの仕事の傍ら探偵業を手伝う事を許可された。だが、毅志の心の中に皆藤と山南が何を追いかけているのかが気になり、徐々に出過ぎた行動を取るようになるのだが。。。皆藤と山南が追い求めるものとは、そして毅志が見つけたものとは!?
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Posted by ブクログ
ミステリ...なのだろうか?(^ ^;
はっきりした主義主張や目的が分からないまま、
人を巻き込み自殺する「小口テロ」が蔓延する時代、
という舞台背景。
小口テロ実行犯たちは、宗教や思想など
「横のつながり」が見えてこない。
ただ「トベ」と名乗る謎の人物から、
ネットを介して教唆された形跡が見えてくる。
が、「トベ」を捕まえてみると、実は複数いて...
というストーリーが、様々な登場人物たちの
「それぞれのテロとの関わり方」を描くことで
ちょっとずつ見えてくる、という凝った構成。
私には「オチ」が弱い気がしましたが...(^ ^;
ネット上だけの、人との危ういつながりや、
頑ななまでの「正義感」、衝動的な「行動力」など、
今の現実世界と全く同じと言えるのでは。
そう、小口テロは、明日、いや今ここで起きても
全くもって不思議ではない話なのだ(^ ^;
...ということを考えると、じわじわと恐怖感が(^ ^;
こんなん防ぎようもなし、本当に運・不運だけ(^ ^;
鋭い視点から淡々とした筆致で切り取る、
貫井氏らしい社会派の一冊です。 -
Posted by ブクログ
刑事たちの執念と嫉妬の物語。
若い女性ばかりを狙った連続殺人事件を担当する刑事たち。
被害者は惨殺された上に指を切り取られていた。
最初に出動となった捜査一課九係。
不倫を隠す合理主義・西條、頭脳派・三井、世渡り上手・村越や、所轄新人制服警官・大崎など、様々な想いや背景を抱えながらホシを追う。
ある者は警察を去り、ある者は苦難を背負い、それぞれが事件の真相へ近づくが、意外な結末に。
悲惨な事件は解決に向かうのか?
なんとなく犯人が分かってしまったところが-1ですね。
でも細やかな人物描写は好きです。
続編みたいなのがあるので読んでみます。 -
Posted by ブクログ
「探偵もの」ではあるが、ちょっと毛色が変わっている。
「主人公」は、喫茶店のマスター。
自分の店の二階を人に貸しており、
その部屋に二人組の探偵が入居してくる、
というところから物語が始まる。
そのうち、喫茶店の営業が暇な時は、
探偵仕事を手伝うようになるマスター。
二人の探偵とも仲良くなり、仕事も面白いが、
何故か二人との間に「溝」を感じるマスター。
やがて「探偵仕事」とは言えないような案件を
手伝うように言われるようになり、徐々に膨らむ違和感。
が、多くは説明してくれない探偵達。
溝が段々と深く広くなっていくようで...
やがて、とある事件に巻き込まれたことをきっかけに
ふいに行方をくらます二人の探偵。
独自に調査を始めたマスターは、
徐々に事件の全貌と核心に迫っていくが...
...何だか感想文と言うよりも、
あらすじ紹介になってもうた気が(^ ^;
「あらすじ」で言うとこういう感じだが、
ここにさらに重要な親子が絡んできて...
いや、むしろその親子が、話全体から見ると「核」で。
日常のすぐ隣で「ありえへん世界」が静かに存在し、
ときどき「こちら側」に触手を伸ばしてくる。
そんな恐怖感が、ぞわぞわと這い上がってくる感じ。
まぁ、探偵ものだし、ありえへん世界の話だから、
所々「荒唐無稽」な感じがするのはご愛敬(^ ^
舞台となる横浜・馬車道の特性をうまく生かし、
「ご当地小説」としても魅力的な味わい(^ ^
キーワードでまとめると「希望」「信じること」かな(^ ^ -
Posted by ブクログ
”胸の奥を打ち抜く驚愕のラスト!!”なんていう、
この帯を見たら、読みたくなっちゃいますよね~。
晄は、5歳の時に母の兄である伯父夫婦に引き取られた。
晄の父は殺人犯で、母も死んだ。
中華店を経営する伯父夫婦は晄に対してとても辛く当たった。
遊ぶ暇もなく、店でこき使われ、学校では陰湿ないじめに遭い
次第に心を閉ざしていく晄。
そして、社会に出た晄は、孤独の中で生きていた。
ある計画を実行するために・・・
確かに、えっ?!という感じで、思い描いていたラストではなかった。
晄にとっての、心の底の光が、切なくもあり、また怖くもあり・・・
印象に残る一冊となった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ連続殺人犯を追う警視庁捜査一課の群像劇。
巧妙な伏線や、複雑な人間模様、登場人物たちの描き分け、たっぷりのボリュームで読み応えもあって、やっぱり貫井さんの警察小説はオモロい。
主人公西條がクールでカッコ良いなぁ、後半とあることをきっかけに低迷没落していくのだが、その落ちっぷりもカッコ良い。目的のためなら人に嫌われようが気にしない男という設定については、読んでいる限り、そうそう嫌われるタイプでもないように思う。部下や後輩をむやみに使うことやショバを超えて捜査の手を伸ばすところが嫌われる要素っぽいが、むしろ上層部や政治家に媚びたり、情報をリークしたり、そういうヤツらこそ、嫌われると思うのだが?
エルロイLA3部作っぽく、個性豊かな警察官それぞれの活躍が綿密に描写されているのもいい。正義一辺倒でもなく汚い手で仕事をするやつもいるが、基本的には「犯罪をゆるさない」という底辺が一致しているところもよい。西條を突出させずに、もっと主人公を乱立させた群像劇っぽさを際立てても面白かったかも。
「64」他名だたる警察小説の傑作に比べたら、荒っぽさはあるものの。十分読み応えのある小説だった。