貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一人殺したら死刑になる社会になったお話
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ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。
私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか?
そんな思いに駆られたことはないだろうか。一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかという緊張感。過剰なまでの「正しさ」を要求される社会。
人間の無意識を抑圧し、心の自由を奪う社会のいびつさを拡大し、白日の下にさらすのがこの小説である。
恐ろしくて歪んだ世界に五つの物語が私たちを導く。
被害者のデザイナーは目と指と舌を失っていた。彼はなぜこんな酷い目に遭った -
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ネタバレ慟哭、という題名からだいたいの内容は予想できていた。連続幼女誘拐殺人事件を巡り、捜査本部パートと、犯人である『彼』のパートが交互に書かれる。
文章がとても重厚で漢字の使い方がとても上手い。作者の貫井さん渾身のデビュー作だけど、早稲田大学出身なのですね。さすがです。
物語が進むにつれて、「ひょっとしたらこうなんじゃないか?」という考えは頭を過ったが、「いやでも違うかー」と考えを消させてしまう文章の組み立ての旨さ。新興宗教の闇や、警察内部のキャリア対ノンキャリアなど複雑な背景もある、とても重厚な物語。
でてくる人物の心情はとても良くわかる。自分自身が父親を知らずに育ったという背景もあり、不器用で娘 -
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人を1人殺せばもれなく死刑になる時代が描かれている。物事は単純化され、SNSは短絡的で感情的かつ二極化し、すぐに炎上するようになる。
第1話 死刑になりたくないゆえに、怨恨と利益のために舌を切り、目をつぶし、全ての指を切り取った容疑者。こんなに残忍な犯行に及んでおきながら、犯人は死刑にならないのだろうか?
第2話 男に襲われそうになった同級生を救うために、咄嗟に殺人を犯してしまった同級生。みんなはそれを庇うために死体を隠蔽しようと企んだのだが…次々に起こる殺人事件。
第3話 いじめの為に追い詰められて自殺者が出た。SNSは炎上し、加害者たちの情報がネットを賑わすようになる。いじめっ子、そ -
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ネタバレ面白かった。
ツイッターで表題作の「崩れる」が話題になっていたので読んでみた。
この作者の作品を読むのは初めてだと思う。アンソロで読んだかもしれないが覚えていない。
総じて女性の心理を描くのが上手いなという印象。
ダメ男に対する女性の辛辣な評価まで描かれているので、作者は自己内省も込めて描いているのか?とも思った。各キャラのダメなところもきちんと描いているところが面白い。
以下、各話の感想。
「崩れる」(小説すばる94年11月)
パート終わり、夏の暑さにうんざりしながらバスに乗り遅れるところが印象的。そして乗れたバスでも定期が切れて両替もしてくれない、という目に見舞われる。
この出 -
Posted by ブクログ
空白の叫びが良かったので、そのまま連続で貫井さん。
なんやかんやで3連続(冊数で言うと5冊連続)
多分これで貫井さんの積読終了かな?
新しいの仕入れなきゃw
さて、久々にどう書いたらいいか悩ましい。
というのも、とてもいい作品すぎて稚拙な表現をするのが怖いし申し訳なく。
共感あり、衝撃あり、涙あり、どういう結末を迎えるのか、ハラハラドキドキの逸品でした。
貫井さんはほんとに凄いな。
だからこそ、やめられないのよね。
有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ
個人的には『八日目の蝉』の読後感と似てるかな。
内容は全然似てないんだが、うまく説明できないけど、な -
Posted by ブクログ
⭐︎3.4とあまり高くないんだなぁと思いつつ読み始めましたが、面白かったぁ!
最近、様々な理由で読書が捗らなかったのですが、一気読みでした。
まずは単純に私が貫井徳郎作品と相性が良いのだと思います。読みやすくて水が染み込むように、あるいは呼吸するように読めます。
この話は5人組の中で殺人事件が起き、そのことについて被害者と被疑者を除く3人が語る形式です。最後に被疑者が独白して終わりです。
驚くほど捉え方が違うのが面白いです。
意図的に話したり話さなかったりすることも加わるので、同じ出来事でも乱反射するように違う見え方をする。
貫井徳郎、あっぱれと言いたくなります笑
最後のリアの独白で、3人