貫井徳郎のレビュー一覧

  • 微笑む人

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    かなり異色の殺人ミステリー。
    「本が増えて家が手狭になった」という理解困難な動機で妻子を殺害して有罪となった男。犯人に興味を抱いた小説家が真相を探るべく取材を始めるが・・・

    事件を取材する作家の目線で手記を綴るように進んでいく構成は、「人間失格」や「こころ」を彷彿とさせる独特の臨場感があって良きです。私は一人称体小説が好きなのかも。

    一つ一つ取材情報を集めていくストーリーなのですが、お宝ハンターが埋蔵金に向かって着々と手掛かりを得ながら掘り進めるかのようでワクワクします。

    読者を惑わすかのような衝撃的な結末なので、大きく好みが分かれる作品ですね。エンタメ的なスッキリ感が欲しい読者には向か

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    2026年09月11日
  • 乱反射

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    ネタバレ


    子供が死ぬ作品は自分も人の親なので、なんだか切なくなりました。考えたくもないけど、自分も同じ立場だったら、同じように原因究明するのかなぁ、と。

    これでもかというほどに張りめぐらせた伏線を見事に回収していくので、そういう部分は読み応えがあり、痛快な作品でした(ただ、ちと登場人物が多すぎたのと、「ここまでやるかな」と疑問に思った部分があったので★4つにしています。)。

    各章で視点が変わる点、事故発生までカウントダウンしていく点等の実験的な部分は斬新で楽しめましたし、著者の語彙力も目を見張るものがあったと思います。

    作中に出てくるPAでの家庭ゴミ排出、犬フン未始末、軽症患者の夜間病棟の利用、

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    2026年09月11日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    ストーリーは重めで、初めからラストまで緊張感が張り詰めていて、そしてとんでもない展開で終わる。いや、最高すぎるエンタメ作品でしょ。面白かった。
    死者が生き返ることは宗教を持ってしても叶えられなかったけど、トランス状態になる儀式はあれはホンモノだったのだろう。
    成功や幸せを数値で測ることはできないし、実は危ういバランスの上で私たちは生きているのかもしれない。
    なんだか、色々と考えさせられた。

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    2026年08月31日
  • 微笑む人

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    理解できない殺害理由『本が増えて家が手狭になったから妻子を殺した』最後まで明確な答えはない。他人のことはわからないものですよ、と言われるが、それにしても仁藤のまわりで他人が亡くなりすぎている。ダンプカー左折のタイミングで二人とか。納得できない理由を言われても信用できない、たしかにね。頭良すぎる仁藤の微笑み、最強の怖さ。近くにいてほしくない。

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    2026年08月30日
  • 後悔と真実の色

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    ネタバレ

    殺害した女性の指を切り取る連続殺人鬼『指蒐集家』。警察官らしからぬ綺麗なスーツを着こなす西條や曲者が揃う9係が捜査にあたる。
    癖強い感じは特になかった。西條や西條と因縁のある綿引など警察内や私生活で苦悩をもちながら捜査に当たってるところが人間味がある警察小説。
    被害者が不倫している女性であり、私生活が不倫相手によってドロドロになった西條の相棒大崎がいる時点でなんとなくなるほどと思う。

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    2026年08月29日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    症候群シリーズ第3弾
    肉体労働者倉持メイン回

    症候群シリーズで断トツ面白かった
    倉持はずっと孤独だったんだなぁ……

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    2026年08月27日
  • 不等辺五角形

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    ネタバレ

    4.5くらい
    『藪の中』みたいだなと思ったが、『藪の中』と違ってちゃんと真相がわかる。

    なんか面白いらしいと聞いたので読んでみた。
    デビュー作はこの前読んだ。

    ミステリーかというと微妙。
    殺人の動機はともかく、手法についての言及が後半まで読まないと全くわからないので。
    5人の人間ドラマを楽しむ小説になっている。

    『不等辺五角形』は、3人の証言と1人の独白によるリレー形式。
    聞き手は弁護士だが、目立って喋ることなく、語り手の話を聞いて行く。
    最初は5人の人となりのうち、特に女性陣がごっちゃになった。


    雛乃を殺したと梨愛が言う。
    重成が最初の語り手。

    お互いの証言が微妙に食い違ったり、

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    2026年08月30日
  • 慟哭

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    教祖を陶酔するイカれた人の話が読みたくて買ったけど、こういうのも良い。
    クライマックスが短く簡潔にまとめられてるのも良い。

    宗教と言ったら夏のセミナーだよナ〜。
    もっと夏セミナーのシーンを長めに書いて欲しい。

    司摩みたいなキャラをもっと事件に関わらせて欲しい。もう1・2絡みあるとワクワクしてしまう。
    基本こういうキャラは導入部だけに使われがちだ笑

    「松本の娘を殺害した犯人は誰?」ってところしか
    考えながら読んで無いから、この終わり方は絶望感ヤバい。



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    2026年08月26日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    「彼」パートの人は犯人かな→いや被害者の親?→やっぱり犯人なのかな、と読者を惑わせつつまさかのこの人!という結果に、十角館の殺人の一行のように驚いて声が出た
    彼のパートを読み直すと、色んな人との別れや孤独があったことを知った分、より「心の穴」や絶望感が分かる気がした

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    2026年08月22日
  • 我が心の底の光

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    簡単に言ってしまえば復讐劇の話である。ただ、読み進めていくうちに「?」というか何か違和感のようなものを感じ、読み終わって腑に落ちるという、ちょっと変わった作品で面白かった。

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    2026年08月21日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    『乱反射』を読んだ。

    「面白かった」と言うと、2歳の子どもが亡くなる話なので少し適切ではない気もする。ただ、どんどん先を読みたくなるし、読み終わった後にも考えさせられる。展開そのものの面白さも含めて、とてもいい作品だった。

    特に面白かったのが章立て。マイナスの数字から始まり、物語が進むにつれて数字がゼロに近づいていき、中間で「0」になり、そこからは1、2、3……とプラスになっていく。

    その中で、同じ地域に暮らすさまざまな人物のエピソードが描かれる。

    犬の糞を片付けない定年退職した男性。夜間診療が空いていると知り、ただの風邪でも毎回そこを利用する学生。責任を取りたがらない医師や市役所の職

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    2026年08月21日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    面白かった。久しぶりにミステリーを読んだが、本書で良かった。見事に騙された。
    佐伯=松本ではないかとは途中疑っていたが、佐伯と松本の心理戦が繰り広げられているようにミスリードされた結果だった。
    時系列がズレているのか。なるほど。
    娘を持つ親の気持ち、佐伯の人間的な不器用さに感情移入してしまう。妻からの佐伯への追及が辛かった。
    著者は良い文章を書き、難しい日本語を使うが、文章から純文学的な文章を読んで心が晴れる心地よさは感じられなかったため、星5をつけられなかった。
    ただ読みやすかった。

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    2026年08月12日
  • 乱反射

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    物事の因果関係というものの恐ろしさをフィクションながらも華麗にそれぞれの登場人物の視点で描いた良作。
    交通事故の被害も、たとえば忘れ物を家に取りに帰っていなかったら、防げたかもしれない…。などのように偶然が重なって起きてしまう、誰も責められないが、誰もが無意識に小さな責任を負っている。面白い作品だった。

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    2026年08月08日
  • 慟哭

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    この本よりも後に刊行された某ミステリと同じ構造になっており、そちらを先に読んでいたために途中からそうじゃないかな、と思っていたらやはりそうだった。ただしこちらの話の方が暗く重いテーマなので、嫌な予感が的中してしまったという感じではあった。
    物語の中心となる某団体の某支部がどう見ても自分が以前住んでいた場所にある建物で(小綺麗なオフィスビルとなっていたが実際そこにはマンションがある)、ちょっと個人的にちょっと面白かった。

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    2026年08月06日
  • 罪と祈り

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    過去と現在が交互に語られます。
    ラストまでは主に過去編がドラマチックなんですが、昭和から平成に遷移するという時代背景を色濃く描写した内容です。そういったファクター(バブル経済期)があるために、その経験の無い私は過去編の登場人物の心情、(例えば義憤から誘拐に至るまで)に完全には同調する事ができません。他にはバブル関係ないのですが下町育ちの連帯感みたいなものも、わたしは馴染みがなく理解し難いものがあります。
    それでも尚、最初から最後まで飽きる事なく一気に読み終えました。
    というのはやはり、著者が凄いという事なのでしょうね。流石です。
    面白かったです!

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    2026年08月06日
  • 悪の芽

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    読みごたえがあって、ストーリー展開にも引き込まれた。無差別大量殺傷事件からはじまり、犯人が主人公の同級生だったことから犯行まで要因を探していくストーリー。
    学生時代のいじめ問題から社会的弱者への対応、他者を慮る"想像力の欠如"が冷たい社会を作っているという問題提議のような内容。

    小説としてはキレイにまとまっていて結論も出ているし、良い方向に向かうハッピーエンド。ただ現実はこれ通りキレイにはいかない。

    犯罪者の中にはサイコパスもいるし、原因や因果関係を探っても"ただ人を殺してみたかった"という存在(人ならざる者)もいる。
    安易に手を差し伸べて関係したこ

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    2026年08月05日
  • 夜想

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    ネタバレ

    もっと暗くてどん底のような話なのかと思ったが意外とどん底からすこし回復したところに着地してよかった
    嘉子の話は雪籘の話と対比になっていて、相手に自分の望む姿を押し付けたすえに相手を失った嘉子と、その望む姿を押し付けていたことを反省できたからこそ間に合った雪籘ということなのだろうと思っている
    どんどん思想が偏っていく雪籘とただの1人の人間として見て欲しい遙のすれ違いに胸がつまるような感じだったし雪籘が統失のようになっているのはなんとなく想像がついた(被害妄想も)けど実際に明かされるとなんとも苦しい 目線の描写などがあるのも危ない人と言われる嘉子と雪籘は紙一重程度のところにいる、あるいは同程度の状

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    2026年08月02日
  • 慟哭

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    この本を買ったのは叙述トリックっていうものにすごくはまりだした頃で、その叙述トリックにしっかりはまりたいなという思いを持ちつつも、なかなか読み進められなかった1冊であった。
    読み終わって思うのは、私はこの本を読むまでの間に叙述トリックの本を読みすぎたということだ。色々と展開が見えてしまったり、ラストのパワーにパンチを感じなかったりしたので難しいなと思った。
    最初の頃に読んでればきっとこういう感想にもならなかったんだろうな。
    叙述トリックの本はたまに読むのがいいんだなと思いました。

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    2026年08月02日
  • 慟哭

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     宗教、連続幼女殺人事件。警察側と宗教にのめり込んでいく人間の視点、2つの視点で物語は進められていきます。そして、リンクしていく。ラストについても好きでした。良い作品です。

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    2026年07月20日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    警察側と新興宗教側が短い間隔で進んでいくのが、
    読みづらいと思いながら、読んでました。
    この時点では星1にするつもりでした。

    まさか異なる時間軸の幼児誘拐事件を描いているとは分からなかったです。
    面白かったです。
    今読んでも全然色褪せないので、ぜひおすすめします。

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    2026年07月18日