貫井徳郎のレビュー一覧

  • 乱反射

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    600ページを一気読させる、あまりにも身近な、かつ小さなモラルの逸脱が人の死を招くことを描いた作品。日本推理作家協会賞もムベなるかな。

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    2026年10月09日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    謎解きエンタメミステリーとして読むことが間違いだと思う。
    クライムサスペンスとして読むとかなり完成度が高い作品ではないかと思う。続きが気になるように書かれており、夢中になって一気読みした。タイトルが慟哭ということが素晴らしい。ここまで内容に合ったタイトルは少ないのではないか。
    しかし、どんでん返し要素は要らなかったと思う。エンタメ要素は少ない方が良かったと思う。

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    2026年10月08日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    今は使い古されたトリックだが、それでもその独特な世界観と没入感は群を抜いていると思う。主人公が狂っていく様子が見事に描かれてる。

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    2026年10月04日
  • プリズム

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    貫井徳郎先生ってたまにこういう本を書くよなぁと言うのが第一の感想だった。
    プリズムというタイトルに相応しく、
    推理が分散し屈折していく。
    最後に一つに集約されることを望んでいる読者も
    多かったのではないか。
    貫井徳郎先生の作品の中でも、
    少し異端なものだった。

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    2026年10月02日
  • 悪の芽

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    小学生の頃にイジメの原因を作ってしまったこと、イジメを傍観してしまったこと、それがどれくらいの罪なのか考えさせられた。

    現実では主人公のように過去のイジメをここまで重く受け止め、反省する人間は極わずかで、ほとんどは一生思い出すこともないはずだ。

    取り返しのつかないことばかりで、一見救いがなくみえるけど、誰かの悪意で悪の芽が芽生えるように、誰かの優しさで善の芽も芽生える。これが物語、そして、現実世界に対しても救いであると思いたい。

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    2026年10月01日
  • 慟哭

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    今読むとやはり新しさはない。
    ある程度ミステリ読み慣れていれば、時系列の叙述トリックかも?って考察の1つには入ると思う。
    正直私もそうだろうなと思って読み進めてやっぱり!となったけど、よく出来てるなぁという感想をもった。
    叙述トリックを意識しないで読んでいた頃に出会いたかった!と思う作品。

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    2026年09月29日
  • 慟哭

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    なぜ積読にあったか不明だけど、読んでよかった〜。事件と新興宗教はどうやってつながっていくのかと、ワクワクします。やがてそこが交錯して、久しぶりに衝撃を受ける内容でした。満足度高いです。

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    2026年09月26日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    警察の捜査が進んでいく話と、それと並行して「彼(松本)」の話が交互に描かれていく。最初から松本のことがずっと「彼」と表現されていたので、「これは何か仕掛けがあるな」とは感じていた。それでも、二つの話がどうつながるのかまではまったく予想できず、最後に明かされる結末にはかなり驚かされた。読み終わってから振り返ると、途中にあった描写の意味が変わって見えてくるのも面白い。

    特に印象に残ったのは松本という人物。普段はかなり冷静で、聡明で、物事を落ち着いて考えて行動できる人間なのに、娘のことになると少しずつ正常な判断ができなくなっていく。その姿が単なる「異常な人」の話には思えなかった。自分にとって本当に大切な存在を失ったり、追い詰められたりしたとき、果たして自分は冷静でいられるのか。そう考えると、どこか他人事ではない怖さがあった。

    「彼」と書き続ける意味、警察側と松本側を並行して進める構成、そして最後にそれらを一つにつなげる結末。読み終えたあとに「ああ、そういうことだったのか」と振り返らせるところまで含めて、かなり巧妙に作られた作品だった。作者の構成力には唸らされた。結末の驚きだけでなく、親が子どもを思う気持ちが人間をどこまで変えてしまうのか、という部分が一番心に残った。

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    2026年09月19日
  • 壁の男

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    初めての読後感で、こういう小説もあるんだな、という感想。読み手である自分を説得してこないので、独特の肌感が残る。ノンフィクションライターが登場するのに、そのライターの目線では壁の男の表象的な部分にしか至れないのに、小説というもので深層に触れる景色を活字に見せられているような不思議な話だった。

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    2026年09月17日
  • プリズム

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    貫井さんお得意の複数の視点で話が進む構成。視点が変わる度、亡くなった女性教師の印象が変わるので面白い。

    途中はすごく面白かったけど、オチだけあまり腑に落ちなかった。ただ、タイトルの意味はなるほどなと思った。

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    2026年09月16日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    一人ひとりの些細なモラルに反する行動の偶然の連鎖が、取り返しのつかない悲劇を生む。我が子を亡くした新聞記者が原因を追及する中で、自身も同様の行動をとっていたと気づき、他人を糾弾できる立場にないのだと気づくシーンは良い。ただ、自身の低モラルな行動が息子の死に繋がっていた、というところまで偶然の連鎖を延ばせば更に小説として劇的だったかも。
    息子の死という結末が最初に明かされる必要性は薄かったようにも感じる。

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    2026年09月16日
  • 乱反射

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    600ページの長編。無意識な罪の積み重ねが大きな事故につながり、誰も正当に責めることの出来ない被害者の悔しさ。登場人物結構みんなキモいが、自分にも本質的に同じ部分があるのではないかと思うとゾッとする。

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    2026年09月12日
  • 微笑む人

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    かなり異色の殺人ミステリー。
    「本が増えて家が手狭になった」という理解困難な動機で妻子を殺害して有罪となった男。犯人に興味を抱いた小説家が真相を探るべく取材を始めるが・・・

    事件を取材する作家の目線で手記を綴るように進んでいく構成は、「人間失格」や「こころ」を彷彿とさせる独特の臨場感があって良きです。私は一人称体小説が好きなのかも。

    一つ一つ取材情報を集めていくストーリーなのですが、お宝ハンターが埋蔵金に向かって着々と手掛かりを得ながら掘り進めるかのようでワクワクします。

    読者を惑わすかのような衝撃的な結末なので、大きく好みが分かれる作品ですね。エンタメ的なスッキリ感が欲しい読者には向かないです。

    一つだけ作中の象徴的な文言を。「人はわかりやすいストーリーを聞いて安心する」

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    2026年09月11日
  • 乱反射

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    ネタバレ


    子供が死ぬ作品は自分も人の親なので、なんだか切なくなりました。考えたくもないけど、自分も同じ立場だったら、同じように原因究明するのかなぁ、と。

    これでもかというほどに張りめぐらせた伏線を見事に回収していくので、そういう部分は読み応えがあり、痛快な作品でした(ただ、ちと登場人物が多すぎたのと、「ここまでやるかな」と疑問に思った部分があったので★4つにしています。)。

    各章で視点が変わる点、事故発生までカウントダウンしていく点等の実験的な部分は斬新で楽しめましたし、著者の語彙力も目を見張るものがあったと思います。

    作中に出てくるPAでの家庭ゴミ排出、犬フン未始末、軽症患者の夜間病棟の利用、公務員の怠慢、有閑マダム達の暇つぶし等々は、作者が日頃、問題視・疑問視していることなのかなと読みながら考えていました。どれもがリアルに描かれていて、作者の知識や想像力というのは見上げたものがあるなと思いました。

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    2026年09月11日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    ストーリーは重めで、初めからラストまで緊張感が張り詰めていて、そしてとんでもない展開で終わる。いや、最高すぎるエンタメ作品でしょ。面白かった。
    死者が生き返ることは宗教を持ってしても叶えられなかったけど、トランス状態になる儀式はあれはホンモノだったのだろう。
    成功や幸せを数値で測ることはできないし、実は危ういバランスの上で私たちは生きているのかもしれない。
    なんだか、色々と考えさせられた。

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    2026年08月31日
  • 微笑む人

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    理解できない殺害理由『本が増えて家が手狭になったから妻子を殺した』最後まで明確な答えはない。他人のことはわからないものですよ、と言われるが、それにしても仁藤のまわりで他人が亡くなりすぎている。ダンプカー左折のタイミングで二人とか。納得できない理由を言われても信用できない、たしかにね。頭良すぎる仁藤の微笑み、最強の怖さ。近くにいてほしくない。

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    2026年08月30日
  • 後悔と真実の色

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    ネタバレ

    殺害した女性の指を切り取る連続殺人鬼『指蒐集家』。警察官らしからぬ綺麗なスーツを着こなす西條や曲者が揃う9係が捜査にあたる。
    癖強い感じは特になかった。西條や西條と因縁のある綿引など警察内や私生活で苦悩をもちながら捜査に当たってるところが人間味がある警察小説。
    被害者が不倫している女性であり、私生活が不倫相手によってドロドロになった西條の相棒大崎がいる時点でなんとなくなるほどと思う。

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    2026年08月29日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    症候群シリーズ第3弾
    肉体労働者倉持メイン回

    700ページ超えの大作
    症候群シリーズで断トツ面白かった
    倉持はずっと孤独だったんだなぁ……

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    2026年08月27日
  • 不等辺五角形

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    ネタバレ

    4.5くらい
    『藪の中』みたいだなと思ったが、『藪の中』と違ってちゃんと真相がわかる。

    なんか面白いらしいと聞いたので読んでみた。
    デビュー作はこの前読んだ。

    ミステリーかというと微妙。
    殺人の動機はともかく、手法についての言及が後半まで読まないと全くわからないので。
    5人の人間ドラマを楽しむ小説になっている。

    『不等辺五角形』は、3人の証言と1人の独白によるリレー形式。
    聞き手は弁護士だが、目立って喋ることなく、語り手の話を聞いて行く。
    最初は5人の人となりのうち、特に女性陣がごっちゃになった。


    雛乃を殺したと梨愛が言う。
    重成が最初の語り手。

    お互いの証言が微妙に食い違ったり、過去の話でも憶測混じるので、その訂正や曖昧なままなところが面白かった。

    結局のところ、梨愛が香澄のために雛乃を殺したことにした。
    香澄の証言では、雛乃が部屋を出たことになっていたが、香澄が雛乃を突き飛ばして部屋を出たのを梨愛が目撃。

    梨愛は香澄に対して、蜘蛛から救ってくれたことに感謝しずっと愛し続けている。



    覚書キャラ表
    聡也
    金持ちだが背が低い。重成に対して、イケメンだとは言ってなかった気がするが、女性三人に対しては容姿が良いとは何度か言及。
    重成から雛乃が好きだと思われていた。
    香澄や雛乃からは梨愛と付き合っていた時期があったのではないかと思われていた。

    重成
    ウガンダへ行く予定だった。
    背が高くイケメンだが鈍感。
    梨愛いわく「誰のことも好きではない」
    雛乃がデートの時に第三者を連れて来るのにまいって別れる。

    香澄
    思ったことをそのまま言う。
    雛乃に嫉妬して嫌がらせをした疑惑がある。
    重成のことが好きだと梨愛に思われている。

    雛乃
    三人の中で一番の美人。
    クラスの男子の点数付けをしていた。
    男性に思わせぶりなことをしていたが、本人は合理的に考えているためそういった意思は無いらしい。
    重成の見た目は好きだが性格は好きではないと気づいて、デートに知り合いを連れて来ていたらしい。

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    2026年08月30日
  • 慟哭

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    教祖を陶酔するイカれた人の話が読みたくて買ったけど、こういうのも良い。
    クライマックスが短く簡潔にまとめられてるのも良い。

    宗教と言ったら夏のセミナーだよナ〜。
    もっと夏セミナーのシーンを長めに書いて欲しい。

    司摩みたいなキャラをもっと事件に関わらせて欲しい。もう1・2絡みあるとワクワクしてしまう。
    基本こういうキャラは導入部だけに使われがちだ笑

    「松本の娘を殺害した犯人は誰?」ってところしか
    考えながら読んで無いから、この終わり方は絶望感ヤバい。



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    2026年08月26日