貫井徳郎のレビュー一覧
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平成の時代に起きた出来事をテーマとしたアンソロジー小説。
巻末に平成30年史が載っていて、それを見ると、短いようで本当に色々なことがあったんだな。と感慨深くなる。
収録作品としては、どれも面白かったけど、千澤のりこさんの『半分オトナ』が特に良かった。キーワードは二分の一成人式、児童虐待。
貫井徳郎さんの『他人の不幸は蜜の味』も印象的。
女子高生コンクリート詰め殺人事件、スマイリーキクチさんへの誹謗中傷。
どちらも自分の中で強烈な印象を受けた事件なので、胸が痛かった。
他人を誹謗中傷してしまう人は、間違いなくSNS辞めたほうが良い。
白井智之さんの作品は今回初めて読んだけれど、白井さん作品 -
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日本最大のアニメコンベンションで起こった無差別殺人事件。
主人公の安達はニュースを見て、犯人の斉木が小学校時代の同級生だと気付く。
しかも、安達が付けたあだ名で斉木はいじめられていた。
斉木が起こした事件の責任は、過去の自分の行いにあるなではないかと衝撃が走る。
斉木は事件を起こした後、自らも命を絶っており、動機がわからい。
この事件により、安達だけではなく、安達と同じように斉木をいじめていた同級生や斉木の両親、被害者の家族、斉木の事件に遭遇した参加者たちの考えが少しずつ動き出す。
この話は、誰にでも起こりうる可能性があるものかもしれないものかもしれない。
2025.12.3
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マレーシアのインターナショナルスクールで小学校時代同級生だった5人、重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は日本に戻ってからもなんとなく仲良く、時々連絡取らない時期あってもまた集まるというような繋がりがあった。重成が出張でウガンダにいくというので、その前に30歳前の5人は聡也の家の別荘に集まる。そこで、雛乃が血塗れの死体となって発見され、梨愛が自首。残った3人に弁護士が一人ずつ話を聞くという呈で進行していく。
隠していることがあったりして、2回目はまた新しい人間関係が語られていく。とても淡々とした進捗だけど、流石に上手く、飽きさせずに読ませてくれた。本当に最後の最後で事実が明かされ、えっそういうことか( -
Posted by ブクログ
久しぶりに貫井徳郎さんの作品を読みました。
過去には『慟哭』や『愚行録』も読みましたが、今回も事件の真相へと導く巧みな構成や、視点の切り替えの妙に感嘆しました。
本書の紹介文にあるように、「同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく」。まさにその言葉どおりで、読み進めるうちに私の推測も二転三転し、なかなか真相に近づけずもどかしい思いをしました。
しかし、そのもどかしさこそが、貫井徳郎作品の醍醐味なのだと改めて感じます。
このもどかしさをもう一度味わいたくて、また貫井徳郎さんの本を手に取りたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
★4.5
羅生門形式ってワードを初めて知ったけど、言い得て妙なり。
人の語りのみで綴られる物語。幼馴染5人のうち、1人がもう1人を殺害。残る3人によって語られるそれぞれの人物像が重なりつつも一致しない。これって実生活でもある。人によって見せる顔は違うし、見たいように相手をフィルターかけて見ることある。そういう人間心理を突いている。
殺人事件の結末ははっきりとは明記されていないけど、ここに至るまでの瑣末な思い出の中にちゃんとヒントがあり、ものすごくフェアでミステリーとしてもまとまりよし。
語りのみで深まるタイプは、私好みドストライク良作だった。