貫井徳郎のレビュー一覧
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かなり異色の殺人ミステリー。
「本が増えて家が手狭になった」という理解困難な動機で妻子を殺害して有罪となった男。犯人に興味を抱いた小説家が真相を探るべく取材を始めるが・・・
事件を取材する作家の目線で手記を綴るように進んでいく構成は、「人間失格」や「こころ」を彷彿とさせる独特の臨場感があって良きです。私は一人称体小説が好きなのかも。
一つ一つ取材情報を集めていくストーリーなのですが、お宝ハンターが埋蔵金に向かって着々と手掛かりを得ながら掘り進めるかのようでワクワクします。
読者を惑わすかのような衝撃的な結末なので、大きく好みが分かれる作品ですね。エンタメ的なスッキリ感が欲しい読者には向か -
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ネタバレ
子供が死ぬ作品は自分も人の親なので、なんだか切なくなりました。考えたくもないけど、自分も同じ立場だったら、同じように原因究明するのかなぁ、と。
これでもかというほどに張りめぐらせた伏線を見事に回収していくので、そういう部分は読み応えがあり、痛快な作品でした(ただ、ちと登場人物が多すぎたのと、「ここまでやるかな」と疑問に思った部分があったので★4つにしています。)。
各章で視点が変わる点、事故発生までカウントダウンしていく点等の実験的な部分は斬新で楽しめましたし、著者の語彙力も目を見張るものがあったと思います。
作中に出てくるPAでの家庭ゴミ排出、犬フン未始末、軽症患者の夜間病棟の利用、 -
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ネタバレ4.5くらい
『藪の中』みたいだなと思ったが、『藪の中』と違ってちゃんと真相がわかる。
なんか面白いらしいと聞いたので読んでみた。
デビュー作はこの前読んだ。
ミステリーかというと微妙。
殺人の動機はともかく、手法についての言及が後半まで読まないと全くわからないので。
5人の人間ドラマを楽しむ小説になっている。
『不等辺五角形』は、3人の証言と1人の独白によるリレー形式。
聞き手は弁護士だが、目立って喋ることなく、語り手の話を聞いて行く。
最初は5人の人となりのうち、特に女性陣がごっちゃになった。
雛乃を殺したと梨愛が言う。
重成が最初の語り手。
お互いの証言が微妙に食い違ったり、 -
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ネタバレ『乱反射』を読んだ。
「面白かった」と言うと、2歳の子どもが亡くなる話なので少し適切ではない気もする。ただ、どんどん先を読みたくなるし、読み終わった後にも考えさせられる。展開そのものの面白さも含めて、とてもいい作品だった。
特に面白かったのが章立て。マイナスの数字から始まり、物語が進むにつれて数字がゼロに近づいていき、中間で「0」になり、そこからは1、2、3……とプラスになっていく。
その中で、同じ地域に暮らすさまざまな人物のエピソードが描かれる。
犬の糞を片付けない定年退職した男性。夜間診療が空いていると知り、ただの風邪でも毎回そこを利用する学生。責任を取りたがらない医師や市役所の職 -
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過去と現在が交互に語られます。
ラストまでは主に過去編がドラマチックなんですが、昭和から平成に遷移するという時代背景を色濃く描写した内容です。そういったファクター(バブル経済期)があるために、その経験の無い私は過去編の登場人物の心情、(例えば義憤から誘拐に至るまで)に完全には同調する事ができません。他にはバブル関係ないのですが下町育ちの連帯感みたいなものも、わたしは馴染みがなく理解し難いものがあります。
それでも尚、最初から最後まで飽きる事なく一気に読み終えました。
というのはやはり、著者が凄いという事なのでしょうね。流石です。
面白かったです! -
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読みごたえがあって、ストーリー展開にも引き込まれた。無差別大量殺傷事件からはじまり、犯人が主人公の同級生だったことから犯行まで要因を探していくストーリー。
学生時代のいじめ問題から社会的弱者への対応、他者を慮る"想像力の欠如"が冷たい社会を作っているという問題提議のような内容。
小説としてはキレイにまとまっていて結論も出ているし、良い方向に向かうハッピーエンド。ただ現実はこれ通りキレイにはいかない。
犯罪者の中にはサイコパスもいるし、原因や因果関係を探っても"ただ人を殺してみたかった"という存在(人ならざる者)もいる。
安易に手を差し伸べて関係したこ -
Posted by ブクログ
ネタバレもっと暗くてどん底のような話なのかと思ったが意外とどん底からすこし回復したところに着地してよかった
嘉子の話は雪籘の話と対比になっていて、相手に自分の望む姿を押し付けたすえに相手を失った嘉子と、その望む姿を押し付けていたことを反省できたからこそ間に合った雪籘ということなのだろうと思っている
どんどん思想が偏っていく雪籘とただの1人の人間として見て欲しい遙のすれ違いに胸がつまるような感じだったし雪籘が統失のようになっているのはなんとなく想像がついた(被害妄想も)けど実際に明かされるとなんとも苦しい 目線の描写などがあるのも危ない人と言われる嘉子と雪籘は紙一重程度のところにいる、あるいは同程度の状