貫井徳郎のレビュー一覧

  • 慟哭

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    著者作品初読。
    古い作品なのもあって、硬派な作風かなと身構えてたが、かなり読みやすかった。
    慟哭の意味が最後で分かり、もどかしい気持ちになった。
    ラスト1行の胸糞具合、個人的には好き。
    ミステリーのトリックとしては、若干予想できた点と、無理やり合わせてる感はあったにしても、よく出来ていて驚かされた。
    新興宗教の闇に黒魔術を掛け合わせるのは中々おどろおどろくて良かった。

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    2026年10月24日
  • 壁の男

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    引き取った大事な親友の一人娘が苦しい闘病生活を送っている間、ずっとそばに居て何も出来ない主人公は誰よりも歯痒い思いをしただろう。

    平凡で誠実な主人公が、自宅の外壁に上手くもない絵を描くようになった理由と過去。

    唯一の汚点は女を見る目がなく、ヤリマン女を妻に選んだこと。
    小児ガンを患った養子の3歳娘が手術して回復するも、再発の可能性ある不安から宗教ハマり、ついでに不倫。
    そうよ私が悪いのよ話し合いの余地なんてないのよ出ていくのよー!と、小児ガン再発の可能性がある小学生の娘を夫に押し付けて離婚。
    最後まで構ってちゃんな元妻。

    娘の死の間際にどっか行ってくれてて良かった。

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    2026年10月23日
  • プリズム

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    一つの事件の犯人が、立場の異なる人たちの目線で推理されていくお話。
    初めはだんだん犯人に近づいて行くのかな?と思っていたが、答えは明らかにならずあくまで匂わせで終結した。
    講評を読んで貫井さんはこういった表現も多い方なのかなと思った。
    もやっとしそうなところだけど、なぜかそんなこともなくただもっと読みたくなるようなそんな終わり方で不思議な感覚。
    各章の主人公たちも真実が知りたいのではなく、自分なりに納得できたらそれでいいというか、自分の思う終結のさせ方で満足しているように感じたので、読者もそうなのかもしれないなと思った。
    別の作品も気になったので読んでみたい。

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    2026年10月23日
  • 慟哭

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    連続女児誘拐事件を追う警察側と、心に空いた穴に苦しみ、新興宗教に救いを求める男。二つの物語が交互に描かれ、それぞれ別の話だと思いながら読み進めていた。
    しかし、二つの物語がつながったとき、犯人の正体が明らかになる。その衝撃とともに、物語の見え方が一変した。二つの話がなぜ並行して描かれていたのか。その意味に気づいたとき、誰も救われない、あまりにも悲しい物語が完成する。

    悲惨な出来事に直面したとき、何かにすがりたくなる気持ちは、何となく理解できる気がする。それでも、救いを求めた先で起きたことは、あまりにも残酷だった。

    犯人の正体に気づかないまま迎えたラストには大きな衝撃を受けた。そして、真犯人が明らかにならないまま終わる物語に、やりきれなさと救いのない悲しさが残った。読み終えた後も、タイトルの『慟哭』が心に重く響く作品だった。

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    2026年10月18日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    今まで王道のホラーやミステリーを読んできましたが、ある意味一番の恐怖だったかもしれません。
    一人一人の、誰にでも一度は経験のあるようなちょっとしたモラル違反が重なって、重大な事故に繋がるお話です。主人公が新聞記者なので、事故の真相にたどり着きますが、関わったその人たちを罪に問えません。皆言い逃れします。一つ一つのことは言い逃れできてしまうほどのことなのです。自分も当事者だったら素直に謝れるか分かりません。保身に走るかもしれません。とても考えさせられました。
    日常生活を送る中でこの本が頭をよぎるようになりました。我が身の行動を振り返るいい勉強になったと思います。

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    2026年10月17日
  • 慟哭

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    登場人物の感情描写が巧みで、それぞれの心情に自然と共感できたため、物語に没入し、テンポよく読み進めることができた。
    ミステリをある程度読み慣れている読者であれば、結末を予測できる展開かもしれない。
    ミステリ初心者にぜひ読んで欲しい一冊。

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    2026年10月14日
  • 乱反射

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    600ページを一気読させる、あまりにも身近な、かつ小さなモラルの逸脱が人の死を招くことを描いた作品。日本推理作家協会賞もムベなるかな。

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    2026年10月09日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    謎解きエンタメミステリーとして読むことが間違いだと思う。
    クライムサスペンスとして読むとかなり完成度が高い作品ではないかと思う。続きが気になるように書かれており、夢中になって一気読みした。タイトルが慟哭ということが素晴らしい。ここまで内容に合ったタイトルは少ないのではないか。
    しかし、どんでん返し要素は要らなかったと思う。エンタメ要素は少ない方が良かったと思う。

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    2026年10月08日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    今は使い古されたトリックだが、それでもその独特な世界観と没入感は群を抜いていると思う。主人公が狂っていく様子が見事に描かれてる。

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    2026年10月04日
  • プリズム

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    貫井徳郎先生ってたまにこういう本を書くよなぁと言うのが第一の感想だった。
    プリズムというタイトルに相応しく、
    推理が分散し屈折していく。
    最後に一つに集約されることを望んでいる読者も
    多かったのではないか。
    貫井徳郎先生の作品の中でも、
    少し異端なものだった。

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    2026年10月02日
  • 悪の芽

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    小学生の頃にイジメの原因を作ってしまったこと、イジメを傍観してしまったこと、それがどれくらいの罪なのか考えさせられた。

    現実では主人公のように過去のイジメをここまで重く受け止め、反省する人間は極わずかで、ほとんどは一生思い出すこともないはずだ。

    取り返しのつかないことばかりで、一見救いがなくみえるけど、誰かの悪意で悪の芽が芽生えるように、誰かの優しさで善の芽も芽生える。これが物語、そして、現実世界に対しても救いであると思いたい。

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    2026年10月01日
  • 慟哭

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    今読むとやはり新しさはない。
    ある程度ミステリ読み慣れていれば、時系列の叙述トリックかも?って考察の1つには入ると思う。
    正直私もそうだろうなと思って読み進めてやっぱり!となったけど、よく出来てるなぁという感想をもった。
    叙述トリックを意識しないで読んでいた頃に出会いたかった!と思う作品。

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    2026年09月29日
  • 慟哭

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    なぜ積読にあったか不明だけど、読んでよかった〜。事件と新興宗教はどうやってつながっていくのかと、ワクワクします。やがてそこが交錯して、久しぶりに衝撃を受ける内容でした。満足度高いです。

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    2026年09月26日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    警察の捜査が進んでいく話と、それと並行して「彼(松本)」の話が交互に描かれていく。最初から松本のことがずっと「彼」と表現されていたので、「これは何か仕掛けがあるな」とは感じていた。それでも、二つの話がどうつながるのかまではまったく予想できず、最後に明かされる結末にはかなり驚かされた。読み終わってから振り返ると、途中にあった描写の意味が変わって見えてくるのも面白い。

    特に印象に残ったのは松本という人物。普段はかなり冷静で、聡明で、物事を落ち着いて考えて行動できる人間なのに、娘のことになると少しずつ正常な判断ができなくなっていく。その姿が単なる「異常な人」の話には思えなかった。自分にとって本当に大切な存在を失ったり、追い詰められたりしたとき、果たして自分は冷静でいられるのか。そう考えると、どこか他人事ではない怖さがあった。

    「彼」と書き続ける意味、警察側と松本側を並行して進める構成、そして最後にそれらを一つにつなげる結末。読み終えたあとに「ああ、そういうことだったのか」と振り返らせるところまで含めて、かなり巧妙に作られた作品だった。作者の構成力には唸らされた。結末の驚きだけでなく、親が子どもを思う気持ちが人間をどこまで変えてしまうのか、という部分が一番心に残った。

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    2026年09月19日
  • 壁の男

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    初めての読後感で、こういう小説もあるんだな、という感想。読み手である自分を説得してこないので、独特の肌感が残る。ノンフィクションライターが登場するのに、そのライターの目線では壁の男の表象的な部分にしか至れないのに、小説というもので深層に触れる景色を活字に見せられているような不思議な話だった。

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    2026年09月17日
  • プリズム

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    貫井さんお得意の複数の視点で話が進む構成。視点が変わる度、亡くなった女性教師の印象が変わるので面白い。

    途中はすごく面白かったけど、オチだけあまり腑に落ちなかった。ただ、タイトルの意味はなるほどなと思った。

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    2026年09月16日
  • 乱反射

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    ネタバレ

    一人ひとりの些細なモラルに反する行動の偶然の連鎖が、取り返しのつかない悲劇を生む。我が子を亡くした新聞記者が原因を追及する中で、自身も同様の行動をとっていたと気づき、他人を糾弾できる立場にないのだと気づくシーンは良い。ただ、自身の低モラルな行動が息子の死に繋がっていた、というところまで偶然の連鎖を延ばせば更に小説として劇的だったかも。
    息子の死という結末が最初に明かされる必要性は薄かったようにも感じる。

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    2026年09月16日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    犯人が佐伯だとは読んでて全く思わなかったから
    びっくり
    無職なのに財施はどこから出てるんだろうとか
    住民票取る時に印鑑は作れても顔はテレビに
    出てしまってるのになんでバレないんだろう
    とか思ってて、犯人も松本って名字が途中に出てきてて、佐伯とは違う名前だったから
    全くの別人だと勝手に思ってた

    確かに婿養子だったから離婚したら旧姓になるか…
    気づけなかった…
    勝手に捜査官は犯人対象から外れるわな、

    どんでん返しすぎて面白かったけど
    結局佐伯以外のもう1人の犯人がわからずで
    事件解決してない感じがなんともなあって感じ
    モヤモヤ

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    2026年09月16日
  • 乱反射

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    600ページの長編。無意識な罪の積み重ねが大きな事故につながり、誰も正当に責めることの出来ない被害者の悔しさ。登場人物結構みんなキモいが、自分にも本質的に同じ部分があるのではないかと思うとゾッとする。

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    2026年09月12日
  • 微笑む人

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    かなり異色の殺人ミステリー。
    「本が増えて家が手狭になった」という理解困難な動機で妻子を殺害して有罪となった男。犯人に興味を抱いた小説家が真相を探るべく取材を始めるが・・・

    事件を取材する作家の目線で手記を綴るように進んでいく構成は、「人間失格」や「こころ」を彷彿とさせる独特の臨場感があって良きです。私は一人称体小説が好きなのかも。

    一つ一つ取材情報を集めていくストーリーなのですが、お宝ハンターが埋蔵金に向かって着々と手掛かりを得ながら掘り進めるかのようでワクワクします。

    読者を惑わすかのような衝撃的な結末なので、大きく好みが分かれる作品ですね。エンタメ的なスッキリ感が欲しい読者には向かないです。

    一つだけ作中の象徴的な文言を。「人はわかりやすいストーリーを聞いて安心する」

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    2026年09月11日