貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【仕事の休憩時間には絶対に読むな】
凄まじい文圧
文字で殴りつけてくる
何の身構えも無しに読み進めて完全に打ちのめされた
たとえこの作品が映像化や舞台化されたとしても
原作超えは絶対に起きない
それほど構成力以上に純粋な文章力、
人の行動原理を描き切るのが抜群に上手い
本作は絶対に仕事の休憩時間など
そんな半端なスキマ時間に読んではいけない
文章に横っ面を殴り飛ばされて精神が不安定になる
なんなら午後からの業務に多大なる支障を来たす
幼い娘の壮絶な闘病生活の描写など
あまりの文圧で胸が掻きむしられる
妻となる大学時代の高嶺の花に猜疑の目を向けなければならない場面は重苦しくて仕方がない
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Posted by ブクログ
心臓にちょっと触りがあって、3ヶ月に一度、循環器内科の検診を受けています。
今日はその検診日で、病院の常として長い待ち時間を予想して、あと三分の一を残すのみとなった「転生」を読み進んでました。
読み終わって3分ほどで診察室に呼ばれた時、「じつは重篤で移植が必要…」と言われるような気になってしまいました。
これって高倉健のヤクザ映画を見終わった人が映画館から肩で風きって出てくるのと同じバージョンですね(汗)。
映画から出てきた人が数分で普通の人に戻ったように、診察室で「良好です。目立った問題はありません」で普通に戻ることができました。
ミステリー風味に書かれているけど、この小説のテーマはなかなか -
Posted by ブクログ
本の感想も含めて、飛鳥ちゃんへ
飛鳥ちゃんを好きになっておすすめの中から
1冊目に読んだのがこの本でした!
私は、感動する話よりも、
救いのない話が好きなので、
飛鳥ちゃんのことがもっと好きになったことを
覚えています。
というのも、私は時には人生のサイクルによって
個の戦いに入る時があります。
周りは難なく生きてるように感じて
自分だけが世の中から浮いて見えます。
私の場合は、その戦いには感動した話は
連れていけないのです。
感動を励みに回復を待つことはできないです。
本のようにやれないと考えてしまい、
余計に世の中との格差を感じ、責めてしまいます。
そんな時に暗い話も戦いに持ち込めないので -
Posted by ブクログ
バブル期(昭和の終わり)に起きた未解決の誘拐事件と、現代の交番勤務警察官殺人事件が交錯し、謎が明かされる。
殺害された警察官、辰司の息子である亮輔は、父の死後に自分が父について何も知らなかったことを悟る。なぜ父は殺されたのか、立派な警察官だと思っていた父にも後ろ暗い部分があったのかと疑念を抱きつつ、調べ始める。一方、辰司の親友だった智士は28年前に自殺。だが誰もその理由を知らない。智士の息子、賢剛は刑事として辰司殺しを追う。
亮輔がたどり着いた事件の結末に、賢剛は打ちひしがれる。
なぜ智士は自殺したのか、なぜ辰司は殺されたのか。人間の思いやりと愚かさを同時に感じる作品。
「罰せられない罪はない -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学校の女教師が撲殺されるという事件が起こった。傍にはその物証と思われるアンティークな置き時計。さらに、彼女の胃からは睡眠薬入りのチョコレートと他殺を裏付けらような証拠が。一体誰が彼女を殺したのだろうか。
章ごとに主人公(探偵役)が変わっており、その章の主人公に犯人とされた人が、次の章の探偵役となる。最初は女教師の教え子の小学生たちであり、次の章では同僚の女性。そして、元カレに現在の不倫相手と続いていく。
主人公たちから見た殺害されたと思われる女教師像はさまざまであり、そこからの視点に立った推理がなされていくところは面白かった。立場や職業によって、前提となるものや知識が違うからこその推理であ