貫井徳郎のレビュー一覧
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ネタバレ才能の有無で人の価値は決まらない。
絵の才能がある母が言うことはきっと正しい。
たどそれを真実として自分の中に持って生きられるほどまだ自分はこの考えに納得はできない。誰よりも才能が欲しいから。
ただ父の劣等感もよくわかる。
だからこの嫌悪感はきっと同族嫌悪なんだと思う。
笑里ちゃんのとこはただひたすらに辛かった。
生々しく、でも淡々と残酷に進んでいく時間。
伊刈を抱きしめてあげたい。
と思ってたら親父は弱さを一応認められる人だったし、謝れる人だった。でも本質はなかなか変わらない。
澤谷の子どもの名前は笑里。
なんかここらでわかった気がする。
だからえりなはえみちゃん、っていう若干距離の -
購入済み
しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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長いぞ〜! 643ページ!
前半はのんびり読み始めましたが、中盤から夢中になり勢いづきました!! 殺人の起こらないミステリーです。二転三転ではありません、四転五転…?って感じでした。あ〜面白かった。
何度自慢するんだ?って言われそうですが(許して)先日行った、貫井徳郎さんと天音涼さんのトークショー&サイン会で購入し、そうです!サインをいただいた本です(^^)
その場での貫井さんご本人の説明もありましたが、この作品は元々、作中作の手記部分が、旧字旧仮名づかいで発表され、文庫化されていたもので、20年経った今回、その作中作が現代語となり、圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった!というものです。
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ネタバレ*幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。警察官の連続死に翻弄される捜査本部の女性刑事・高城理那は、かつて〝名探偵〟と呼ばれた元刑事の存在を気にしていた。彼だったらどう推理するのか――。人生を懸けた復讐劇がたどりつく無慈悲な結末。最後の1ページまで目が離せない大傑作ミステリ*
文句なし、★5です!
前作も文句なしに面白かったのですが、主人公が堕ちて行くばかりの展開で希望が見えず、寂しい読後感でした。
が、今作は違いました。見事に前作のやるせなさを払拭してくれました。このシリーズは前後巻と捉え、続けて読むのが断然お勧めです。
ストーリー自体は、展 -
ネタバレ 購入済み
GOOD👍
もともとは、今野敏さんの「常習犯」が読みたくて購入したのですが、他まったくタイプの違う3作品も一度に読めて、すごく得した気分です。
1作目:今野敏氏の萩尾警部補作品、人情話です
2作目:誉田哲也氏作品、私的にイヤミスです
3作目:福田和代氏作品、最近の世相を反映した話で外国人犯罪を取り上げています
4作目:貫井徳郎氏作品、裁判員制度について考えさせられる話です
短篇とは言え力作揃いでおススメの一冊です。
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ネタバレめちゃくちゃ辛かった。
苦しかった。
明かされるまで、一体何が目的の復讐なのか分からなかった。
タイトルにある、心の底の光も、怜菜のことだと思ってた。
子供心に大切にしていたもの。
救って癒してくれたもの。
その復讐のために生きていくというのは、苦しいけれど、生きがいにはなる。生きる目的があるのは強い。
結末は明るくはないと思っていたが、こうも残念とは。でも目的が達成できたから、いいのかな。
慎司への思いも意外だった。
でも、良かった。
子どもを大切にしなきゃと改めて思った。
不幸な子を生み出すのは、とにかく親だ。
颯太、好きだったなあ。 -
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あ〜面白かった‼︎ 読み応えあります。
「後悔と真実の色」の続編だったのですね!題名が似てるので(いや、ちゃんと見れば違うんだけど笑)本屋さんで最初「読んだやつだな」なんて思ってから二度見しました。(←おばかさん)
前作を読んだのはメモを見たら10年前でした。前作を知らずとも大丈夫です。
自分はつくづく、ミステリー、警察もの、推理小説の類いが好きだなぁと思うのでした。もちろん、しっとり、しんみりするお話も好きだけど…。
今作は最初から犯人が登場します。とはいえ、途中までの予想は少し当たるけれどかなり外れる…というような味わい。私は「刑事コロンボ」をちょっと思い出しました。いつも、犯人が完全 -
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最近はまりつつある貫井徳郎さん作品。タイトルがなかなか禍々しい。今まで読んだ「悪の芽」「壁の男」とはまた違って、登場人物全てが愚かしいのでムカムカすること請け合い。
誰もが羨むようなエリートサラリーマン一家殺人事件が起こった。妻も子供2人も殺害。犯人は誰なのか?動機は?フリーのルポライターが事件の真相を追う。インタビューしていくうちにこの夫婦の人間性が暴かれていく。
どいつもこいつも…と誰一人として共感出来ない。だがそこが良い。人間の持つ醜さが泥臭くていい。容姿端麗で人たらしの女。過去を自分のいいように解釈し、改竄し、自分が傷つかないように振る舞う女。娘に手をだすゲスな父。その娘を泥棒猫扱 -
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最後までダークな展開が続きますが、スピード感があってサクサク読み進めることが出来ました。
普通の人生が分からなくなってしまった主人公が生きる指針とするもの、その正体は確かに衝撃的でしたが、一方で納得感もありました。
中弛みせず読める・主人公が暗め・人生について考えさせられる、という作品が好きな人にはオススメです。
個人的には、話の中盤である登場人物が主人公に言った「笑わない人は誰にも助けてもらっていない人」というセリフが印象的でした。それは、まるでこのセリフが自分に言われているような気がしてしまったからです。私自身、年齢を重ねるに連れて人を頼るのが下手になっていると実感します。どうしても意地 -
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先日読み終えた「後悔と真実の色」刊行から8年ほどの間隔をあけて出版された続編だそうです。
ということで、"名探偵"と称される捜査一課のエース刑事であった西條輝司が再び登場!
その彼は、どん底のホームレス暮らしから脱して警備員の職についています。
そして、本と本好きを愛していることが伺える、やや偏屈な雰囲気をまとった店主が営む小さな古書店で、文庫本を買うことをささやかな楽しみにしています。
個人的に、映画「イコライザー」でデンゼル・ワシントンが演じたロバート・マッコールとイメージがダブって、読んでる間中、西條のキャスティングはデンゼル・ワシントンでした(ちなみに、前作は西島秀