貫井徳郎のレビュー一覧
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バブル期(昭和の終わり)に起きた未解決の誘拐事件と、現代の交番勤務警察官殺人事件が交錯し、謎が明かされる。
殺害された警察官、辰司の息子である亮輔は、父の死後に自分が父について何も知らなかったことを悟る。なぜ父は殺されたのか、立派な警察官だと思っていた父にも後ろ暗い部分があったのかと疑念を抱きつつ、調べ始める。一方、辰司の親友だった智士は28年前に自殺。だが誰もその理由を知らない。智士の息子、賢剛は刑事として辰司殺しを追う。
亮輔がたどり着いた事件の結末に、賢剛は打ちひしがれる。
なぜ智士は自殺したのか、なぜ辰司は殺されたのか。人間の思いやりと愚かさを同時に感じる作品。
「罰せられない罪はない -
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ネタバレ小学校の女教師が撲殺されるという事件が起こった。傍にはその物証と思われるアンティークな置き時計。さらに、彼女の胃からは睡眠薬入りのチョコレートと他殺を裏付けらような証拠が。一体誰が彼女を殺したのだろうか。
章ごとに主人公(探偵役)が変わっており、その章の主人公に犯人とされた人が、次の章の探偵役となる。最初は女教師の教え子の小学生たちであり、次の章では同僚の女性。そして、元カレに現在の不倫相手と続いていく。
主人公たちから見た殺害されたと思われる女教師像はさまざまであり、そこからの視点に立った推理がなされていくところは面白かった。立場や職業によって、前提となるものや知識が違うからこその推理であ -
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ネタバレ才能の有無で人の価値は決まらない。
絵の才能がある母が言うことはきっと正しい。
たどそれを真実として自分の中に持って生きられるほどまだ自分はこの考えに納得はできない。誰よりも才能が欲しいから。
ただ父の劣等感もよくわかる。
だからこの嫌悪感はきっと同族嫌悪なんだと思う。
笑里ちゃんのとこはただひたすらに辛かった。
生々しく、でも淡々と残酷に進んでいく時間。
伊刈を抱きしめてあげたい。
と思ってたら親父は弱さを一応認められる人だったし、謝れる人だった。でも本質はなかなか変わらない。
澤谷の子どもの名前は笑里。
なんかここらでわかった気がする。
だからえりなはえみちゃん、っていう若干距離の -
購入済み
しゃれた構成のアンソロジー
煙草をテーマに有名作家の有名小説の番外編ばかりを集めたという大変にしゃれた構成のアンソロジー。
もとの小説を読んでいれば読み返したくなるし、読んでいなければ読みたくなるという、出版社 作家の術中にはまってしまうたちの悪い本。
番外編ではあるが元の本の色合い香りを程よく保った佳作が多い。 -
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長いぞ〜! 643ページ!
前半はのんびり読み始めましたが、中盤から夢中になり勢いづきました!! 殺人の起こらないミステリーです。二転三転ではありません、四転五転…?って感じでした。あ〜面白かった。
何度自慢するんだ?って言われそうですが(許して)先日行った、貫井徳郎さんと天音涼さんのトークショー&サイン会で購入し、そうです!サインをいただいた本です(^^)
その場での貫井さんご本人の説明もありましたが、この作品は元々、作中作の手記部分が、旧字旧仮名づかいで発表され、文庫化されていたもので、20年経った今回、その作中作が現代語となり、圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった!というものです。
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ネタバレ*幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。警察官の連続死に翻弄される捜査本部の女性刑事・高城理那は、かつて〝名探偵〟と呼ばれた元刑事の存在を気にしていた。彼だったらどう推理するのか――。人生を懸けた復讐劇がたどりつく無慈悲な結末。最後の1ページまで目が離せない大傑作ミステリ*
文句なし、★5です!
前作も文句なしに面白かったのですが、主人公が堕ちて行くばかりの展開で希望が見えず、寂しい読後感でした。
が、今作は違いました。見事に前作のやるせなさを払拭してくれました。このシリーズは前後巻と捉え、続けて読むのが断然お勧めです。
ストーリー自体は、展 -
ネタバレ 購入済み
GOOD👍
もともとは、今野敏さんの「常習犯」が読みたくて購入したのですが、他まったくタイプの違う3作品も一度に読めて、すごく得した気分です。
1作目:今野敏氏の萩尾警部補作品、人情話です
2作目:誉田哲也氏作品、私的にイヤミスです
3作目:福田和代氏作品、最近の世相を反映した話で外国人犯罪を取り上げています
4作目:貫井徳郎氏作品、裁判員制度について考えさせられる話です
短篇とは言え力作揃いでおススメの一冊です。