貫井徳郎のレビュー一覧

  • 悪の芽

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    ネタバレ

    個人的に第六章が一番印象的だった。
    江成厚子は、他の章の登場人物とあまり重ならない。他の章の登場人物は、紆余曲折ありながらも最終的に彼らなりの結論を編み出した。これからは前を向いて生きていくのだろう。だが厚子は、前を向ける取っ掛かりを見つけたのに、最終的にはまた元の暗い日々に、なんならそれよりも絶望に苛まれた状況に落とされて、章は終わる。
    彼女の感じた絶望は、斎木の感じたそれと重なるものがあるのではないかとも思う。彼女はこの先どんな人生を送るのだろうか。

    フィクションでありながら読者に訴えかけるものもあり、最後まで面白かった。

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    2026年06月12日
  • 殺人症候群 <新装版>

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    ネタバレ

    3部作のトリは700ページの大作でしたが、ボリュームを感じさせない面白さでした。
    考え得る限り最悪の結末で、普通の小説なら「どうせここで助かるんでしょ?」的な所でも、あっさりと悪い方のパターンだらけで、かなり重い…。
    ミステリーとしての仕掛けも秀逸で、渉のフルネームが「鏑木渉」と出てきた時の衝撃!
    思わずページを戻って鏑木の行動を再確認しました。
    普通のシリーズ物であれば大体読む順番はランダムでも楽しめる物が多いかと思いますが、これはきちんと失踪・誘拐・殺人と読まないと面白さ半減ですね。

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    2026年06月10日
  • 女が死んでいる

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    とても読みやすい短編集でした。どれも見事な叙述トリックに引っかかりまくりでした。
    文量も程よかったです。

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    2026年06月10日
  • 罪と祈り

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    これ、絶対読んだことあるんだよなぁと思いながら読んだ。なんか誘拐事件があったのは覚えていたけど、最後まで読めてしまった。なんてことだ。

    亮輔の父親の濱仲辰司が殴られて川の中で死んでいた。殺人事件として取り扱われる。賢剛は刑事だ。辰司はご飯の後に一杯飲み屋のかげろうに向かった。

    辰司は賢剛の父の智士と仲が良かった。智士はすでに自殺している。辰司の遺品の中に幼児餓死虐待事件と誘拐事件のファイルがあった。地上げ屋がひどいことを民家に仕掛けるが、逮捕者も取締りもされず、辰司は絶望している。

    幼児餓死虐待事件の母の比奈子が自殺。もとはといえば地上げ屋に家を高額で買い取られたことで夫が仕事を辞めて愛

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    2026年06月10日
  • 微笑む人

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    これはびっくりした。
    賛否両論なのも納得で、スッキリしないし拍子抜けするのも分かる。
    しかし自分は読み終えた後、妙に鳥肌が立ってしまった。
    なるほどなあと。
    他人とはなんなのか、人間とはなんなのか、と問われているような、哲学的で意外性のある結末だった。

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    2026年06月05日
  • 壁の男

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    書店員の熱い思いから生まれた新企画のRe文庫。重版未定な本を限定冊数で復刊。
    この本と出会えたことに感謝。様々な謎が徐々に明かされる。どんどん引き込まれ、じんとくる内容だった。

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    2026年06月02日
  • 慟哭

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    よくこのタイトルをつけたと思った。まさに慟哭。どんなときに慟哭するか考えているうちに、ストーリーを思いついたんではなかろうか。

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    2026年05月20日
  • 宿命と真実の炎

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    こんなに長い話だったのに
    あっという間に


    金森さんの超絶記憶力で
    それだけでチヤホヤされる警察官になりたいわ〜

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    2026年05月19日
  • プリズム

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    プリズム

    なるほど。
    確かに賛否ありそうだけど、構成は面白かったし私は好き。
    初めの章を読み終わった時は、短編かと思ったくらい。次は誰目線なのかワクワクして読んだ。
    そして犯人が誰なのかも。

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    2026年05月17日
  • 新月譚

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    さすがだ、、!
    久しぶりに貫井徳郎作品を読んだら、圧倒された〜。
    ほんまにそういうコンプレックスがある女性が書いているかのような没入感だった。
    さすがです。

    初めから結末がどうなるかわかっているつもりだったけど、ほんまのラストはまさかの、ではあった。そこも貫井徳郎作品らしい展開で、おもしろかった。
    とはいえ、これ以外の貫井徳郎作品とは一線を画す、女性主人公で、ほぼ一人の視点で描かれる。性別はともかくとしても、貫井徳郎が1人の人間の視点で物語を描くと、こうも描写が深くなるか、、、、と納得した。

    ちょい役ではあったものの、天才小説家・鴻池のセリフが印象的だった。

    0
    2026年05月12日
  • 慟哭

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    結末は悲しかった。
    誘拐を捜査する刑事と娘を誘拐殺害された男を中心に物語が展開されるが驚きの叙述トリックが仕込んであった。
    貫井徳郎の筆力が冴えています。
    少々残酷な場面もあるが、それが被害者の父親の悲しみの深さと絶望的な心情を間接的に表現しているのでしょう。

    0
    2026年04月30日
  • 慟哭

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    この本は推理小説ではないのだが、張り巡らされた完璧な構成に驚いた。いやいやまさか、あの松本が…

    幼女の遺体が河川敷に全裸で捨てられていた。すぐに捜査本部が立ち上げられ、捜査一課の佐伯が捜査管理官になる。丘本は北岡という捜査員とコンビになる。捜査はあまりうまいこと進まず、手がかりがない状態。

    一方、無職の松本は、胸にぽっかりと穴が空いている。その穴を埋めるためにいくつかの宗教にあたるが、最終的に「白光の宇宙教団」という宗教が良いように感じられて入信する。そこには可愛い女の子の北村沙貴がいた。
    だが彼にも教団の穴が見え始める。

    捜査員の丘本の息子が中学受験合格して、名門中学に進むことがきまる

    0
    2026年04月20日
  • 乱反射

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    とにかくするする読めました。
    マイナス50と大きい読み始めていき、 事件が起こった日にやっと0になる展開が面白く、手がとまらなかったです。
    読み終わって感じたことは、小さなことでも選択は大切に、責任を持って選ばなければならないということでした。
    あとは加山さんが絶望を味わいながらも現実を受け止めて、前に進もうとしている心境を細かく伝えられる貫井さんすごい。最後は泣きながら読み終えました。

    0
    2026年04月18日
  • 愚行録

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    うだつの上がらない人の訥々とした駄言を書き連ねるのがなんとうまいこと。奥田英朗をよく読むので、それに通ずる世界が広がった気がしてうれしい。

    0
    2026年03月21日
  • 壁の男

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    とても面白かった。

    人生をミステリーのように振り返っていく物語の構造は、珍しく読み応えがあった。

    序盤は主人公がなぜ壁に絵を描くのか不明で何が描かれているのか不思議だったが、最後には感動していた。ぜひ読んでみてほしい。

    0
    2026年03月17日
  • 慟哭

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    ネタバレ

    後半になるにつれて、「あとこれだけのページで完結するの?ほんとに??」という気持ちになり、最後の数ページで脳震盪起こしそうなくらい衝撃を受け、ラスト読み終えてすぐ、最初のページから読み直した。
    難しい漢字がいっぱい出てきて読むのが大変だったけど、途中離脱できない面白さ。
    ただ、そんなに誘拐事件が話題になっててお母さん達も日々怯えて暮らしてるなら幼稚園バス降りるとこまで迎えに行かないもんかね?とか、まだ犯人見つかってないのに、後任の捜査一課長にまた同じ年頃の娘がいる人をあてがうかな?ご本人は同じ目に合うのが怖くないのか?など、登場人物の心情としてやや引っかかるところもあった。

    0
    2026年02月13日
  • 壁の男

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    わけあってふるさとを捨てた男が帰ってきた。
    冷たい町の人たちの目が変わったのは、
    男が家の壁に絵を描き始めてからだった。

    稚拙で、それこそ小学生の壁の落書きのような絵に、
    救われる人たちがいた。
    彼らと男が共有する哀しみとは。

    …という感じ。不思議な設定の中に、
    感じられるドラマが有りました。

    文春文庫406ページ

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    2026年02月08日
  • 不等辺五角形

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    ネタバレ

    貫井徳郎先生の視点が変われば捉え方が変わる系の本が本当に好きで愚行録、微笑む人、悪の芽よりの作品だと思った。
    慟哭や乱反射のようなミステリー系も大好きだが、この読み終わったのに解釈がなかなか決まらない感じがたまらない。

    いろんな人の意見も拝読させてもらったが、
    梨愛は、マレーシアにいた時の影響が
    そのまま大人になっても生きてきている。
    母が父に向けたらリスペクトや、父に尽くす生き方。
    ソフィーの両親を理想とするような点。
    そして夏澄への恩。

    この小説の面白いところは、
    弁護士に向けた語りがメインとなるので
    メタ視点が入らず、嘘をついてる可能性を
    考えながら読まなくていけないところ。
    夏澄に

    0
    2026年02月08日
  • 悪の芽

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    アニコンというイベントで大量殺人を犯した、殺人犯、斉木の小学校の同級生が主人公の安達。斉木は自殺をしてしまい、犯行の動機が分からない。斉木が小学生の頃に苛められていたきっかけを作ってしまった安達が罪の意識に苛まれながら、その理由を探る。始まり方が衝撃的で気になって一気に読み終えるほど面白かったです。

    事件で娘を亡くした遺族の厚子さんが主人公への復讐を止めると息子に宣言した後、息子の厚子への容赦ない発言に対して、厚子が、もっと優しい息子が欲しかったな。というシーンが、胸が痛くなった、、厚子は被害者の絶対的な権利の主張や加害者側への想像力の欠如に疑問を持ち、復讐を踏みとどまったのに、想像力のない

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    2026年01月27日
  • 不等辺五角形

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    ネタバレ

    インタビュー形式で物語が進む。
    それぞれの証言が食い違う(嘘も含まれる)ため、
    物語の真相が分かりにくい。
    「不等辺五角形」のタイトル通り
    五人の恋愛感情が見事に噛み合わない。
    「重成」を好きな「夏澄」と「雛乃」
    「雛乃」を好きな「聡也」
    「重成」は別に誰も好きにならず
    容疑者となった「梨愛」が好きなのは「夏澄」
    (コレはおそらく学生時代の友人ソフィーの影響)

    「重成」を弄ぼうとする「雛乃」に苛立ち、口論になった「夏澄」は、「雛乃」を突き飛ばす。
    「梨愛」は「夏澄」のため、「雛乃」の遺体に偽装し、
    自ら罪を被る。

    登場人物の本音を探して一気読み。

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    2026年01月25日