貫井徳郎のレビュー一覧
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文庫本643頁とボリュウム満点だが、終着点がどこになるのかの焦燥感で、たちまちのうちに読み終えた。
作中作が265頁もあり、これだけでひとつの作品と言えるし、いわば「一粒で二度美味しい」とのフレーズを思い出した贅沢なミステリー小説。
作中作が現代語版であったが、旧字旧仮名づかい版の方が、さらに戦後間もないという臨場感が味わえただろう。
自殺した作家の未発表手記を手に入れた大学講師が、自殺の真相を究明すべく行動を起こす。彼には、妻を事故で亡くし離れ離れになっている娘と一緒に暮らすために名を挙げようという目的が。
手記に登場する人物たちを訪ね歩くうちに、何やら複雑な謀が仕掛けられていることに。ジェ -
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3つの物語がどうつながり、どのように収束するのか気になり一気読みだったが、すべての謎が明かされないまま終結。解説をネットで読み、ようやく山瀬の正体や物語の構図を掴むという体たらくぶり。犯人当て系の自分で推理しなければいけない小説は大好きなのに、まだまだ修行が足りないようだ。
結局クズ刑事たちの言い訳をずっと聞かされているようだった。久我も鷲尾も強要されたり、冤罪で職を追われたりしているが、どちらも真っ当に生きてきた訳ではない。斎藤には良心の呵責を覚えるのに森岡には同じ感情を抱かず軽蔑しているし、鷲尾に関しては元から素行が最悪。もっと正義の鉄槌が下されて欲しい結末だった。 -
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これまでに読んだ貫井氏の作品の中で1番面白かったです。
若い女性ばかりを狙い、指を切断し、持ち帰るという連続殺人が発生。
捜査にあたる警視庁捜査一課の「名探偵」西條は、その優秀さと、コミュニケーション力の欠如さ、外見の良さから、やや孤立した存在だった。
殺人が重ねられる度、大きくなる捜査本部を嘲笑うかのような犯人の行動。
そして同時に西條に対する個人的な嫌がらせが始まり-。
単なる推理小説ではなく、様々な警察官の心情、人生が描かれており、罪に問われる事ではないが他人に話すのは憚られる、嫉妬、嫌悪。
正義感が強い故に同時に生まれる罪悪感、自責の念。
肩書きを奪われて初めて知る、己の弱さ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった
最初僕たちはミツコ先生と呼んでいるをツッコミ先生って空見してたからつっこんでくる美人な先生かと思ってた
教え子、同僚、元恋人、不倫相手(最初の教え子の父親)の視点からそれぞれ事件の真相を探るのが面白い
最後まで犯人わからないっていう終わり方で若干拍子抜けしたけどそこまでモヤモヤしなかった
睡眠薬入りチョコレート関連でそのチョコを贈った南条先生ともと付き合ってた同僚の先生がなんで昔睡眠薬を使ったことあるのを知ってるのか謎だった
なので犯人はこの先生と友達が悪戯されどうにか仕返ししたい大人びた山名さんかな?と思ったけど、それだと辻褄が合わないことも多い
名前思い出せないけど、同僚