貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
このシリーズの特徴は何といってもキャラ立ちの凄さにあると思う。
「誘拐症候群」では元機動隊員・武藤に焦点があてられている。
彼が抱える内側に抑え込んでいる苦悩や過去が描かれているが、強烈な印象を残すのはまったく別の人物だった。
登場場面は少ないのに、その言動から環への興味がそそられる。
何を考え何をしたいのか?いったいどんな人物なのか?と。
たとえ不当逮捕であっても、絶対に犯罪者は許さない。
この揺らがない信念はどこからきているのだろう。
手段を選ばずに犯人を追い詰めていく環。
彼の中には被害者の感情すら一顧だにしない冷徹さを環は抱えている。
警察も把握していいない間に被害者だけが増えていく少 -
Posted by ブクログ
「症候群シリーズ」の第一作目にあたる。
幼女誘拐事件の警察の内部対応を描いている部分と、新興宗教に関わっていく男性を描く部分とが同時に進行していく構成になっている。
ある日突然、愛する者が理不尽にしか思えない出来事で奪われてしまったら・・・。
あんなにも愛していた笑顔も、もう二度とこの手の中に戻ってはこない。
生きる気力も、生きていく目的も失ってしまった者が心に抱く感情を「絶望」というのかもしれない。
正規の警察官ではない者たちがチームを組み、言わば影の警察機構として犯罪に迫っていくという設定が面白い。
彼らが抱えている闇のようなもの・・・謎は明かされずに終わっている。
巻を追うごとに徐々 -
Posted by ブクログ
練馬に住む一家四人が惨殺された。周囲からは穏やかで平和な一家と噂され、怨恨の線はないようだが犯人が捕まらないまま一年が過ぎた。しかしあるインタビュアーが行った聞き取りにより、夫婦の新たな顔が明らかになり……。
ただひたすらに登場人物たちが揃いも揃って愚かでとても悲しくなる。関係者たちもみんな愚か。どこからどこまでが個人の印象で真実なのかは微妙なラインのような気もするけど、個々の語りからにじみ出るどうしようもなさは良かった。でもやってることは嫌な女、嫌な男なんだけど、まあいるよねそういう人ってくらいのエピソードだったから、実はこんな裏の顔が!っていうインパクトはあんまりなかった。まあそれくらい -
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どんどん過去にタイムスリップしていくという祐里。
祐里の時間で未来に当たるのが和希の時間の過去というのは、わかったようなわからないような。
でも謎が最後に解けていってとてもスッキリ。
読み応えがあるからすぐに読み直そうとは思わないけど、わかった上でよんだらまた違った面白さがあると思う。
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「私、未来から来たの」。劇団「うさぎの眼」に所属する駆け出しの役者・和希の前に一人の美少女が現れた。彼女は劇団内で起きた殺人事件の容疑者を救うため、27年の時を超えてきたというのだ! 彼女と容疑者との関係は? 和希に近づく目的は? 何より未来から来たという言葉の真意は? 錯綜する謎を軽妙なタッチで描く青