貫井徳郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横浜の馬車道を舞台にした探偵サスペンスミステリー
かなりマイルドなハードボイルド?
終わり方が物足りません。
ストーリとしては、馬車道の喫茶店の2Fに入居してきた二人の探偵とその店のマスターの物語です。
マスターは二人の探偵の仕事を手伝います。
最初の仕事は女性を暴行した男を嵌めて刑務所送りにする仕事。
マスターは違和感持ちながらもその仕事を手伝います。
そして2つ目の仕事は、女に男を引き合わせる仕事。うまく紹介して二人は付き合い始めますが、その女は金を無心するようになり、結局、結婚詐欺師としてつかまります。
これもマスターは違和感持ちながら手伝います。
そんなある日、マスターが襲われることに。
それを契機に二人の探偵は姿を消します。
なぜ自分が襲われたのか?二人は何を隠しているのか?
マスターは自らその謎を明らかにしていき、さらにこの二つの仕事の意味を明らかにしていきます。
そして真実が...という展開です。
その真実がちょっとなぁって感じ。
さらに、最後のシーンへ続くわけですが、これも物足りない..
なんか、都合よく終わった感じ..
横浜馬車道が妙に詳しく描かれていて、それも違和感あり(笑) -
Posted by ブクログ
一人称、一人語りで進んでいくストーリーに中々、ページが進まない。
そもそも、人の話をずっと聞くことが苦手だから、本当に最初は読み進めることが苦痛でしかなかったけど、徐々に惨殺された田向夫妻の影の部分が語られていくと、俄然読む手が止まらなくなった。語り手も卑しい嫉妬や羨望妬みに縁取らた人物だから、共感できるところもあり、ゴシップ記事を漁るような感覚で読み進めていく。
まさに、物語に登場する人々の愚行を見つめて読む私たちも愚か。
リカもフジコも光子も自分に真っ正直過ぎた故の愚行、だけど、どの作品のどの人物よりも彼女たちは、誰よりも、実はとてもピュアなのだ。 -
Posted by ブクログ
「愚行録」
誰もが羨む家族が殺されて一年。まだ犯人は捕まっていない。
愚行録。愚かな行いの取り纏め。側から見たら容姿端麗で欠点無しな幸せ家族。特に、夫婦は羨ましい理想像の一つだった。何故夫婦は殺されたのか。何故子供まで。
犯人はまだ捕まっておらず、ルポライターが夫婦の関係者をインタビューする形式で進んでいきます。地元のママ友から始まって、会社の同僚、学生時代の友人(元カノ含む)等それぞれの立場から、被害者となった夫・田向浩樹と妻・田向友季恵の印象を語っていきます。
これが、人間関係の裏を見る形で気が悪くなる。完璧に見えた浩樹と友季恵の裏の顔が出て、その裏の顔での所業が愚行と言うことだろうか。確かに浩樹の就職活動のコネ作戦に始まる女性関係や友季恵の階級社会を示すような学生生活等、これが本当ならば愚行と言う人々(きっと表面上では2人を慕っていた人もいるだろう)の気持ちも少しは分かる。ちょっとやってることは2人を悪く言う立場じゃないんじゃ?て言う関係者も出てきますが。
キモなのは、語っている側の視点であり主観であること。果たしてどこまで本当か。読むことで、夫婦はいけ好かないやつだと決めつけてしまうことこそ愚行になってしまう。言ってしまえば、本当の所は分からないのですから。
本作は、田向家族を殺された犯人を逮捕するに至らないミステリーです。最後すっきりしない。さらに仕掛けが3つある。そこが、ストロングポイントかなと感じました。
●田向家族殺人事件の犯人は、冒頭に登場するネグレクトで逮捕された田中光子であること
●インタビュアーのルポライターが、田中光子の兄であり、光子を犯人ではないかと疑う人間をあぶり出す目的で関係者にインタビューしていたと想定されること
●光子の子供は兄の子供であり、兄もまた殺人者になること
この3つによって闇が連鎖する怖さが増し、ミステリーとして強いフックになっていると感じました。両親からの虐待で頼れる存在が兄しかいない→男女取っ替え引っ替え生活→近親相姦→子供誕生。しかし子供を愛せない・・・、想像を絶する過去を背負い、ある日生まれた友季恵への突然の殺意等、闇が人を喰っていく所が非常に怖い。ここまで落ちることが、愚行なのかは分からないが、とても怖い所です。
読んだら落ち込むこと間違い無し。因みに、映画は貫井氏曰く、完成度高いらしいです。