貫井徳郎のレビュー一覧

  • 殺人症候群 <新装版>

    Posted by ブクログ

    かなりの厚さのシリーズ最終作。
    てっきり4部作かと思っていて、最終話で環が主人公になるかも思いきや。
    この作品の最後を見たら、続編は無理だなというのは納得。

    倉持がフォーカスされた作品。
    少年犯罪や精神疾患で裁きをのがれた犯罪者に対し、遺族はどう考えるのか。

    個人的には少年犯罪や性犯罪者など、罪に見合った裁きを受けていない人には同じ目に合わせてもいいのではと考えてしまう(あくまで加害者本人に対してであり、加害者家族は除く)。
    本当に反省する人もいるのだろうけど、人の痛みがわからない人があまりにも多すぎる。
    法はあくまで規制を作るもので、被害者家族を何も守ってくれない。
    被害者が立ち直って生

    0
    2019年11月23日
  • さよならの代わりに

    Posted by ブクログ


    未来から来た少女。
    とある小劇団の端役で、大した高望みもせず、なんとなく日々を過ごす青年と出会う。
    そして、ある日、舞台中に起こる殺人事件。
    未来と過去を、殺人者の孫として輪廻し続ける少女の葛藤物語。

    SF青春小説ではあるが。
    貫井氏は社会性がありリアリズムを突き詰め、超絶的なプロットが絡む重厚な印象だったが、本作は...意外だ。新たな一面だ。
    諸行無常の一言がぴったり嵌る気がする。

    0
    2019年10月24日
  • 女が死んでいる

    Posted by ブクログ

    大体の話も真相には驚かされました。
    中には頭悪い話やどうしようもない話もあったけど短編で読みやすい

    0
    2019年10月20日
  • 愚行録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトル通りの愚行の数々。
    惨殺された一家に関わりのあった人々がインタビューを受けて一人一人語る形式で進む。

    自分の中にある嫉妬心やコンプレックスといったものをあぶりだされるような感覚で、読めば読むほど嫌な気持ちが充満していく。
    推理ものとしては面白くないと感じたが、人間の愚かしさに打ちのめされるのもたまにはいいかも。
    それにしても慶応って本当にそんな感じなの?
    まあ、あるんだろうね。
    人は生まれ育ちで人生決まってしまうのだろうか。
    そうではないと思いたいけれど。

    0
    2019年10月15日
  • 我が心の底の光

    Posted by ブクログ

    価値観というのは人それぞれで、他人から見たら理解できないものに執着したり、逆に「大事にすべき」と無条件に思うであろうものをないがしろにしたり。特にこの主人公のように特殊な環境で育った人は、その感覚が周りから大きくずれてしまうことも仕方ないのかもしれない。結末を腑に落ちないと感じることは、所謂「普通」と言われる感覚なのかな。
    でもやっばり奥行きが足りなく感じ、★3つ。面白かったんだけどなー

    0
    2019年09月30日
  • 自薦 THE どんでん返し

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大好きな作家さんばかりの「どんでん返し」短編集。
    お馴染みのキャラクターが登場したり、既読作品もあったけど、さらっと読めるので悪くない。
    いちばん好きなのは「蝶番の問題」。
    面白かったのは「藤枝邸の完全なる密室」。


    0
    2019年09月27日
  • 警官の貌

    Posted by ブクログ

    四人の語り部による警察小説。
    捜査三課、留置係、保安課と通訳捜査官、強行犯係。
    あまり馴染みのない仕事もあるだろうか。

    捜査三課は窃盗犯を扱う。プロ対プロ。
    職人気質の警察官が多い部署だが、本作では、よれた(イメージで、本人はちゃんとしているつもり、らしい)服を着た警部補と、32歳という中堅どころの女性警察官がコンビを組んでいる。
    女性警察官は武田秋穂、警部補は萩尾秀一。
    長編も出ており、ドラマ化もされているらしい。
    タイトル通り、常習犯と対峙するのだが、果たして「牛丼の松」は人を殺したのか?
    謎解きもしながら、プロ意識、職人という言葉に想いを馳せたい。

    胸糞悪いのは『三十九番』。
    留置係

    0
    2019年09月25日
  • 女が死んでいる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後の『レッツゴー』がよかったです。「どちらかがペースを合わせるんじゃなく、ごく自然に並んで走ったり、歩いたりしていた。だから心が通い合うこともあった。恋愛ってのはそういうものだと思うんだ」という安宅の父親の恋愛観は、素敵だなと思いました。

    0
    2019年08月23日
  • 崩れる 結婚にまつわる八つの風景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    *崩れる女、怯える男、誘われる女……ストーカー、DV、公園デビュー、家族崩壊など、現代の社会問題を「結婚」というテーマで描き出す、狂気と企みに満ちた、8つの傑作ミステリ短編*

    一つ一つがとても丹念に緻密に書かれた、完成度の高い短編集です。
    日常に潜む昏い部分を丁寧に切り取ったような作品たち。一見してやったりと思われる出来事が最後には自分に跳ね返ってくる「追われる」のような展開、ぞっとしますがさすがです。

    0
    2019年07月11日
  • 平成ストライク

    Posted by ブクログ

    平成にデビューした作家が、平成を題材に競作したアンソロジー。実際に平成に起こった大事故や大事件、社会現象等が背景になっていて、重い仕上がりの作品が多かった。平成ってこんなに嫌な出来事ばかりあったのかと滅入りそうになった。
    そんな中、唯一明るいタッチだった乾くるみさんと、重苦しさよりもグロさが勝っている白井智之さんはブレないねえ。我が道を行っていました(^O^)。
    期待していた青崎有吾さんは、謎解きにはなっていたけどイマイチ。千澤のり子さんが面白かったな。彼女の短編ではベストの出来だと思う。

    0
    2019年06月12日
  • 他人の不幸は蜜の味 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    平成にデビューした作家が、平成を題材に競作したアンソロジー。実際に平成に起こった大事故や大事件、社会現象等が背景になっていて、重い仕上がりの作品が多かった。平成ってこんなに嫌な出来事ばかりあったのかと滅入りそうになった。
    そんな中、唯一明るいタッチだった乾くるみさんと、重苦しさよりもグロさが勝っている白井智之さんはブレないねえ。我が道を行っていました(^O^)。
    期待していた青崎有吾さんは、謎解きにはなっていたけどイマイチ。千澤のり子さんが面白かったな。彼女の短編ではベストの出来だと思う。

    0
    2019年06月12日
  • サイドストーリーズ

    Posted by ブクログ

    まあまあまあ、短篇は得手不得手があるので全体的な評価は 微妙になってしまいました。
    しかし、自分が思い入れがある作品のサイドストーリーはやはり気になります。
    百瀬~の田辺くんを主人公とした『鯨と煙の冒険』はよかった。百瀬~でも田辺くんのキャラクターは光っていたのでこの話が読めて嬉しかったです。
    『多田便利軒、探偵業に挑戦する』は話はどうということもないのですが、相変わらずの多田×行天コンビにニヤつきます。
    ただ全てのストーリーにJTの企画らしく必ず煙草、喫煙シーンがあって(不必要に)もうそれだけで気持ちが削がれた。
    今の世にこういう企画は合わないと思う。

    0
    2019年05月31日
  • 新装版 修羅の終わり(下)

    Posted by ブクログ

    3つのストーリーが同時に進んで進んで上下巻。さぁ最後の大オチ、すべての点が一気に繋がるはず!と思いきや、大袈裟な書き方をしたわりにあっけなく終わってしまった。解説サイト見てなんとなく理解したけどそれも推測でしかないからなぁ。

    0
    2019年05月27日
  • 平成ストライク

    Posted by ブクログ

    【収録作品】「加速してゆく」青崎有吾/「炎上屋尊徳」井上夢人/「半分オトナ」千澤のり子/「bye bye blackbird...」遊井かなめ/「白黒館の殺人」小森健太朗/「ラビットボールの切断」白井智之/「消費税狂騒曲」乾くるみ/「他人の不幸は密の味」貫井徳郎/「From The New World」天祢涼 
     アンソロジーらしく玉石混淆。

    0
    2019年05月21日
  • 他人の不幸は蜜の味 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    【収録作品】「加速してゆく」青崎有吾/「炎上屋尊徳」井上夢人/「半分オトナ」千澤のり子/「bye bye blackbird...」遊井かなめ/「白黒館の殺人」小森健太朗/「ラビットボールの切断」白井智之/「消費税狂騒曲」乾くるみ/「他人の不幸は密の味」貫井徳郎/「From The New World」天祢涼 
     アンソロジーらしく玉石混淆。

    0
    2019年05月21日
  • 平成ストライク

    Posted by ブクログ

    案の定だが、貫井徳郎氏と井上夢人氏はやはり面白かった。青崎有吾氏の書いたものは初めてだったがまあまあ面白かったので、作品を読んでみたい。その他は本当にいらない。

    0
    2019年05月17日
  • 他人の不幸は蜜の味 平成ストライク(分冊版)

    Posted by ブクログ

    案の定だが、貫井徳郎氏と井上夢人氏はやはり面白かった。青崎有吾氏の書いたものは初めてだったがまあまあ面白かったので、作品を読んでみたい。その他は本当にいらない。

    0
    2019年05月17日
  • さよならの代わりに

    Posted by ブクログ

    売れない劇団員・和希は未来から来たとい言う謎の少女・祐里と一緒に、同じ劇団に所属し公演の途中で何者かによって殺害された圭織の容疑者として逮捕された劇団うさぎの眼の主宰者・新條の無実を証明すべく、真犯人を捜すというストーリー。劇団内の男女関係の縺れ、女っ気の無い売れない劇団員とその対極にあるトップスターにかけられた殺人容疑と逮捕。今迄読んだの貫井さん作品とは違った作品です。ただ、こういうタイムトラベルを使った作品って本当に難しいと思います。読み進めていくと必ずツッコミどころがなん箇所も出てきますし。。。

    0
    2019年05月11日
  • 自薦 THE どんでん返し

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者自身が選ぶどんでん返しをテーマとする6篇の自作品。
    【綾辻行人「再生」】
    既読の作品だったが、言われてみれば確かにこれはどんでん返し(笑)
    【有栖川有栖「書く機械(ライティング・マシン)」】
    これは究極の缶詰め状態。作家としては自虐的ネタだろうか。
    【西澤保彦「アリバイ・ジ・アンビバレンス」】
    アリバイ崩しの作品だが、犯人の行動は今一つ腑に落ちない。
    【貫井徳郎「蝶番の問題」】
    探偵役による手記の解読は鮮やかだったが、どんでん返しとなる結末はどうも・・・。
    【法月綸太郎「カリバリズム小論」】
    『法月綸太郎の冒険』収録作とのことなので、既読のはずだが、ストーリーをまったく覚えていなかった。「

    0
    2019年04月14日
  • 殺人症候群 <新装版>

    Posted by ブクログ

    四つの視点から綴られる物語がクライマックスに向けて一つに収束していくこの感じ!!!たまらん!!!!
    どの視点もそれぞれバラバラだったのに、まさか、この人がこれでこうやって!!!!!!!!

    えーーーーーー
    っていうね。
    その手のひら返したまらんです。はい。

    そして題材が子供を殺された親。しかも、未成年者や精神異常での判定で服役すらしなかった犯人たちを許せなくて、苦しんで苦しんで苦しみぬく被害者の親や周りの人間。
    そんな内容なだけに、ひと事では済まされないような葛藤を抱きながら読みました。こんな思いになるだろうな、、、と。殺してやりたいほどに憎むだろうなと。精神的に息も詰まるほどの事件の数々で

    0
    2019年03月25日