柚月裕子のレビュー一覧

  • 風に立つ
     老舗の南部鉄器の工房に、ある日、軽犯罪を繰り返し保護観察処分中の少年が更生のためにやってくるところから物語は始まる。
     心を閉ざす少年と大人たちの距離はなかなか縮まないが、ふとしたことがきっかけで、少年の悩みの原因がわかる。そこから始まる、少年と更生を支援する大人たち、そして少年の両親との確執と再...続きを読む
  • あしたの君へ
     主人公は家庭裁判所調査官補の望月大地。不器用だが真面目な青年が、悩みを抱える人たちと真剣に向き合い、少しずつ確実に成長していくお仕事小説。ミステリー要素もあり、楽しめる。
     連作短編(5篇)で読みやすいのもグッド!
  • 朽ちないサクラ
    米沢県警広報広聴課に勤務する入社4年目
    29歳の森口泉が主人公
    ストーカー被害を警察に訴えたが
    女性は殺害された
    当時警察は慰安旅行
    泉は親友の新聞記者の津村千佳に
    慰安旅行の件を話してしまう
    その千佳も殺害された
    泉は同期の礒川刑事と事件を独自で調べる

    真相がなかなかみえない
    最後の最後まで真犯...続きを読む
  • 朽ちないサクラ
    読み進めていくうちに事件としては解決に向かうけれど、なんとなく残る違和感。 
    その本当の真相に触れたとしても、決してスッキリするものではない。
  • ウツボカズラの甘い息
    犯人(犯行)が進んでいく過程の裏で事件を追っている刑事たちの話が同時に進行していく話である。
    話が進んでいくうちに犯人像が浮かんでくるが、果たしてこれが結末なのかと思って読み進めていくと、やはりもうひと捻りあった。
    最後まで読めないストーリーで面白かった。
  • 朽ちないサクラ
    終始説明が多めの文章かな、と思いながら読み進んだが、謎解きの説明は少な目なんですね。。。途中がこれだけ丁寧な描写なのであれば、最後ももう少し顛末をまとめて整理して欲しかった。
    あと、主人公の位置付けが弱いわりに、群像劇と解釈するには他の登場人物の掘り下げも特になく、どこに依りどころを持って読めばよい...続きを読む
  • 月下のサクラ
    最後は少しあっけない感じもしましたが、先を読まずにはいられないストーリーでした。さらにどんでん返しがあって、機動分析係の誰か…市場か?が事件に関わっているのか…など想像したました。
    柚月裕子さんの作品はいつも文章が素直で、長編でも読みやすいです。
    それにしても、公安のやり方、大きな摘発のためには、人...続きを読む
  • 朽ちないサクラ
    今注目している杉咲花さんで映画化されるということなので、先に原作を読みたくて手に取りました。
    柚木先生は、孤狼の血シリーズが大好きです。

    読めば読むほどストーリーが複雑になってくるので、読み応えあります。そんな単純には終わらないよね。実写化に向く作品だと思います。
    よくあるミステリーと思いきや、タ...続きを読む
  • 暴虎の牙 上
    映画「虎狼の血level 2」に登場する"上林"のような凶暴性を持つ"沖虎彦"が主人公の物語で,若さ故の危うさ,無茶な感じや真紀とのなあなあな
    関係性が,読んでいて楽しい。
  • 凶犬の眼
    個人的には「虎狼の血」より好みであり,面白かった。前作よりかは漢達の汗臭さのようなものは,薄めで,単純に物語の面白さは勿論。日岡と国光の友情がカッコよく,そして感動した。
  • 月下のサクラ
    「朽ちないサクラ」の続編。
    「サクラ」は公安の隠語です。最近は「ゼロ」とも言いますが…
    前回、親友を公安に殺された主人公の森口泉は警察の一般職員を辞め、捜査官として事件に関わっていきます。
    今回も公安が裏に潜む大きな事件。
    新人のスペカン(スペシャル捜査官)である泉が1人で動きすぎではとは思いました...続きを読む
  • ミカエルの鼓動
    プロローグに書かれた人は誰だろう、いつこの話題が出るだろうと構えて読んだが、エピローグまで引っ張られるとは。それと、西條医師や院長などの出てくる人達の上昇志向が強すぎて、前半は暗い気持ちで読まされた。真木も秘密が多いし、仕事場の雰囲気も悪い。
    少年の心臓手術で、この少年を救おうと西條が考え始めた頃か...続きを読む
  • 盤上の向日葵(上)
    山中で死体と一緒に発見された、名品中の名品である将棋駒。どうやら事件にプロ棋士も関与していそうな前振りだけど、後半にどのように発展していくのだろうか。
    緊張感のある展開で下巻が楽しみです。
  • 風に立つ
    少年だろうが犯罪は犯罪だろ。と思っていますが、やはり若いが故、満たされないが故に犯してしまった犯罪を同列に語る事は出来ないのは事実。真っ当な環境で過ごすことで本来の自分を取り戻すことで、新たなスタートに立てるならばとても素晴らしい事です。
    珍しく柚月さんが完全なヒューマンドラマを書きました。どこかで...続きを読む
  • 最後の証人
    いやー泣いた。悲しい事件…
    まあまあ法廷ミステリーは読んできたつもりだけど、この収まり方は新鮮だった。
    完全に騙されたし。やられたー

    最後の証人とは?
    あの人ならちょっと予想はしてたけど、
    もしそうじゃなくて別のあの人のことを意味しているなら、タイトルのセンスに脱帽。(←と思ったけど違った。重要参...続きを読む
  • あしたの君へ
    カンポちゃん。
    保険会社のキャラクターみたいで可愛い響きだ。本作によると家裁調査官「補」のことをそう呼ぶらしい。

    例えば刑事事件では検察官の補助を行う検察事務官がいて、検事の指揮下で捜査などを行う。その調査内容は検事がどうするかは決めるし、その後は裁判で争われるので検察事務官の調査内容がダイレクト...続きを読む
  • 教誨
    すごく辛くて、悲しい話でした。親や地域性によってこんな歪んだ人達になってしまうのか。なぜこんな事になってしまうのか、人は誰でも産まれた時には純真で無垢だったはず、過剰に護りたい事があったり、周囲からの異常な圧力で精神が壊れてしまう事が実際あるのだろう。自分は周囲の人に対してどうだろうか?ちょっとした...続きを読む
  • 月下のサクラ
    タイトルに惹かれて読み始めた
    男社会の中で上司の黒瀬や癖の強いメンバーに囲まれ、次第に仕事に没頭して行く泉

    警察内部の盗難事件に端を発して以外な方向に向かっていくメンバー達

    最後は手に汗握る展開だが一件落着
    一気に読みました
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。
    NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」見損ねてるからみたいな。
    個人的には、保坂和志さんの猫本読みたくなった。
  • 合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明
    三編で構成されてます。立場的にありえない、が一番長くて読み応えあります。上水流、貴山のコンビは健在ですね。