柚月裕子のレビュー一覧

  • 合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明
    シリーズ2作目。3つの短編から構成されている。

    自分の好きな人が自分のものにならないのなら傷つけてしまえ、という感覚。好きだからこそ、その人が傷つく深さが分かるし、1番の深さで刺してしまう。その後に起こる反応とその大きさに後悔しても遅い。
  • ウツボカズラの甘い息
    おもしろかったです。
    550ページと結構な文量がありましたが、先が気になってどんどん読み進められました。
    物語は常に、文絵目線と刑事の秦目線の話を行ったり来たりする構成。どちらも次の展開が気になるので読むのをやめられませんでした。

    柚月さん作品は『教誨』に次いで2作目。
    どちらも幸せになれない女の...続きを読む
  • ミカエルの鼓動
    医療とは何か、命とは何かを問う作品だった。
    しかし、個人によってその価値観は違うのだなと感じた。医療の未来を考えて行動する者、未来より目の前の命を救おうとする者。それぞれの立場の人間たちが対立し、それでも自分の信念を貫こうとする。そのような想いがひしひしと伝わってきた。結局のところ何が正しいのかはわ...続きを読む
  • 検事の死命
     もちろんメインは「死命」で、その信念には感服するばかり。ただ前作を読んでいたため、「業をおろす」に涙しました。本当に報われて良かった。そして「心を掬う」も、貧しくても何かしたいという優しい人たちの想いにジンときました。佐方に素敵な祖父母がいて良かった。
  • 最後の証人
    今の時代、証人をいきなり召喚したり判決が180度覆ったりするようなどんでん返しは少ないので、久しぶりに夢中になって読みました。

    時間の流れ的にたった3日間の出来事でちょっと話の出来過ぎ感は否めませんでしたが、エピローグでの小坂千尋の高瀬光治への言葉はとても良かったと思いました。高瀬が心を唯一動かさ...続きを読む
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐
    最初は主人公由美のマスコミっぷりに、人のプライベートに自分の好奇心だけを引っさげて踏み込む厚かましさに、読んでいて疲れるところがあった。
    だけど2章から姉妹の回想パートに突入し、一気に惹き込まれる。
    その後、話が過去と現在の交互で展開し、先に過去で本人たちの思惑を知った上で現在パートで由美たちが謎を...続きを読む
  • ミカエルの鼓動
    手術支援ロボット「ミカエル」を巧みに操り手術をする西條と、従来の手術の凄腕である真木。
    共に有能な医師であるが故に心臓疾患を抱える少年の治療方針を巡って対立する。
    ミカエルに関わるとある疑惑により医師としての人生に転機が訪れた西條の今後が気になる。
    続編があれば嬉しい。
  • パレートの誤算
    どうして真面目に懸命に現状と向き合っている人が損をして、ずる賢いひとが弱者を利用して得をする世界なんだろう。大袈裟じゃなくこれが現実なんだろうな。暴力団が関わってるなんて言われて引き下がらないなんて到底できないよ。死にたくないもん。

    あいつは最初っから怪しいと思ってた‼️でも途中惑わされて別の人も...続きを読む
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    神出鬼没、時には詐欺師、時には探偵、なんでもありな短編集
    なかなか面白かったですが、活躍するのは相棒の方が多いかも
  • 孤狼の血
    シンプルに面白かった。圧倒的なスピード感で読ませられました。登場人物の名前を覚えるのに難儀しましたが。。

    アマプラで映画も観れるっぽいので、観てみたいと思います。
  • パレートの誤算
    サスペンス色の強いミステリー。
    生活保護の闇というテーマは着眼点が良い。
    生活保護を身近に感じられる立場に居るが、キチンと取材されてる印象。
    強いて言うなら、少々ご都合主義的な展開ではあったが社会派ではなくエンターテイメント作品としては良い出来栄え。
  • 検事の本懐
     検事の本懐を読んでから、この作品を読みました。佐方がまだ検事時代のお話。どれも面白かったですが、佐方のルーツが分かる「本懐を知る」は断トツですかね。「恩を返す」もそうですけど、そこまでやり通す信念が凄すぎる。
    「拳を握る」は特捜部の無能さ=人を人と思っていない&決めつけと、佐方の有能さ=人を人とし...続きを読む
  • 検事の本懐
    大好きな佐方検事シリーズ。
    短編ですが、どれも中身が濃い内容。あっという間に読んでしまいました。
    ブレない芯のある佐方検事がかっこいいし、大好きです。
  • 盤上の向日葵(下)
    上下巻読んだ上での感想です。
    上巻とは変わって、下巻は棋士上条が中心に話が進んでいき、ミステリー感が急減します。しかし、上条の人生の物語として楽しんで読むことができました。
    文章は読みやすく、どんどん読み進めることができました。

    賭け将棋の世界というのは面白かったです。『必至』とか『詰めろ』などの...続きを読む
  • 盤上の向日葵(上)
    上下巻読んだ上での感想です。
    殺人事件の解決の話ですが、犯人を推理するミステリーというよりは、一人の棋士の人生が語られる物語という感じです。
    将棋と言っても試合ではなく、盤や駒の美的価値という面があるのは興味深かったです。

    以下、蛇足ですが。
    私昭和62年生まれです。物語の舞台が平成6年(1994...続きを読む
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    ドラマはまだ1話しか観てない。
    やっぱり本を読んでから…
    本は涼子さん目線ではなく悪いやつ目線で
    面白かった。
    シリーズになるのかな?
  • 臨床真理
    知的障がい者更生施設に入所していた少女、彩の死を巡り、彩と施設で親しくしていた司と、司を担当する臨床心理士、美帆が、その真相を解き明かそうとするミステリー。

    前半、彩の死の原因は施設長が彼女と無理やり関係を持ったのかなどと思ったが、真相はもっとずっと複雑で闇が深かった。途中から一気に引き込まれて読...続きを読む
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    天海祐希さん主演のドラマが面白かったので、手にした一冊。ドラマとはまたちょっと違った雰囲気で、小説版は小説の面白さがあった。
    どちらかというと、ドラマ見終わってから読む方がオススメかも。

    ミステリーだし、上水流涼子がターゲットにするのは、登場するのは実際に身近にいたら、ちょっとゾッとするような人た...続きを読む
  • 朽ちないサクラ
    めちゃくちゃ警察小説!!ってこの感じ久しぶり

    でもさすが柚月裕子さん作品って感じで
    すごくわかりやすい

    一気に読めなくて、日にちを分けて飛び飛びで読んでしまったので
    うまく全体像がつかめずって感じで
    あまり感情移入できなかったんだけど
    それはこちらの責任で。

    別作品が結構面白かったので
    今後柚...続きを読む
  • 検事の信義
    途中で暴力団が絡むところで孤狼の血シリーズでお馴染みの名前が出てきてちょっと上がる⤴️
    でも何よりも作品を通して、人としてブレない軸を持った佐方検事に、人としての生き方を教わっている様な気がする。